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平成三十年四月三日提出
質問第二〇一号

イラク復興支援特措法に基づいて派遣された陸上自衛隊の日報問題に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




イラク復興支援特措法に基づいて派遣された陸上自衛隊の日報問題に関する質問主意書


 稲田前防衛大臣は、平成二十九年二月二十日の衆議院予算委員会で、「お尋ねのイラク特措法に基づく活動の日報については、南スーダンPKOと同様の現地情勢や自衛隊の活動内容を記録した現地部隊の日報については、確認をいたしましたが、見つけることはできませんでした」(「稲田答弁」という。)と答弁した。
 平成三十年四月二日、小野寺防衛大臣は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題を受けて調査した結果、二〇〇四年から二〇〇六年の派遣期間中、イラク復興支援特別措置法に基づいてイラクのサマワに派遣された陸上自衛隊が現地で作成していた延べ三百七十六日分、計約一万四千頁が電子媒体や紙媒体で見つかったことを明らかにし、「さらなる文書の探索を行うなど適切に対応していきたい。文書を見つけられなかったことをおわびする」と陳謝した。
 南スーダン日報問題の再発防止策の一環として、統合幕僚監部が平成二十九年七月から各部局に散在する日報を集約したところ、平成三十年一月十二日、陸上自衛隊の研究本部(現・教育訓練研究本部)が発見し、陸上幕僚監部総務課に報告した。同年一月二十六日、陸上幕僚監部衛生部が発見し、一月三十一日に陸上幕僚監部総務課に報告した。二月二十七日に陸上幕僚監部は統合幕僚監部に報告し、小野寺防衛大臣には三月三十一日に報告され、四月二日に小野寺防衛大臣が安倍総理に報告したと承知している。
 これらを踏まえ、以下質問する。

一 稲田答弁は虚偽であったという理解でよいか。
二 稲田答弁でいう「確認をいたしましたが」は、どの範囲を「確認」したのか。具体的に示されたい。
三 本件の問題の本質は、防衛大臣が平成二十九年二月二十日の衆議院予算委員会で「南スーダンPKOと同様の現地情勢や自衛隊の活動内容を記録した現地部隊の日報について」、「見つけることはできませんでした」と答弁し、その答弁が一年以上も政府の見解として維持され続け、国会、国民を欺いていたことにある。国会での虚偽もしくは誤った答弁は、わが国の民主主義の健全な発展を阻害するものであると考えるが、この問題をどのように受け止めるのか。政府の見解如何。
四 本件は、事実関係として、統合幕僚監部が平成二十九年七月から各部局に散在する日報を集約したところ、平成三十年一月十二日、陸上自衛隊の研究本部(現・教育訓練研究本部)が発見し、陸上幕僚監部総務課に報告し、同年一月二十六日、陸上幕僚監部衛生部が発見し、一月三十一日に陸上幕僚監部総務課に報告したとの理解でよいか。また陸上自衛隊の研究本部から陸上幕僚監部総務課に報告した日時はいつか。
五 本件は、陸上自衛隊の研究本部および陸上幕僚監部衛生部が発見してから陸上幕僚監部総務課に報告するには一月以内であるものの、統合幕僚監部が小野寺防衛大臣に報告するには一月以上を要している。報告が遅れた理由は何か。またなぜ速やかに防衛大臣に報告しなかったのか。政府の見解如何。
六 防衛省・自衛隊組織にとって不利益、あるいは不都合な情報ほど迅速に防衛大臣に報告することが防衛省・自衛隊の組織の健全化に資すると考える。実力組織としての自衛隊における統合幕僚監部のトップである統合幕僚長は、陸海空の自衛隊の運用に関し一元的に防衛大臣を補佐し、防衛大臣の指揮命令は全て統合幕僚長を通じて行われる。有事においては、フォースプロバイダー(練度管理責任者)の陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長から提供された各部隊を、統合幕僚長が自衛官の最高位のフォースユーザー(事態対処責任者)として運用し、陸自の陸上総隊司令官や方面総監、海自の自衛艦隊司令官や地方総監、空自の航空総隊司令官に指揮を下すことになる。統合幕僚監部で一月以上も防衛大臣に報告を行わず、確認に手間取っていること等は健全な組織運営が行われているとは言えず、有事において防衛大臣からの指揮命令を統合幕僚長がフォースユーザーとして正しく運用できるかどうか疑念を持たざるを得ない。本件について、統合幕僚監部が防衛大臣に速やかに報告しなかったのは不適切ではないか。政府の見解如何。
七 六に関連して、統合幕僚監部内で本件の報告を留保し、防衛大臣に速やかに報告しなかったことは、自衛隊の文民統制に反するものではないか。政府の見解如何。
八 日本国憲法第六十六条第二項は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と規定しているが、この規定どおり「文民」を防衛「大臣」に任じても、その大臣に情報を提供しなければ文民統制は事実上骨抜きになると思われるが、政府の見解如何。

 右質問する。



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