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平成三十年六月十三日提出
質問第三八一号

柔道整復師の施術に係る患者調査に関する質問主意書

提出者  青山大人




柔道整復師の施術に係る患者調査に関する質問主意書


 平成二十四年三月十二日付の「柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について」(保医発〇三一二第一号、保保発〇三一二第一号、保国発〇三一二第一号、保高発〇三一二第一号)(以下「当該通知」という。)に基づき、各保険者において多部位、長期又は頻度が高い施術を受けた被保険者等への調査(以下「患者調査」という。)が実施されているが、実際には保険者と委託契約を締結した民間業者(以下「委託業者」という。)により行われていることが多い。
 委託業者が患者調査を行う上で、当該通知を逸脱している傾向が見られ、柔道整復師と患者の双方にとって、好ましくない状況が生じている。
 具体的には、保険者と委託業者との契約において出来高払いとされていることから、委託業者が患者数を水増しし、自身の業務成績を上げるために「多部位、長期又は頻度が高い施術を受けた被保険者」に該当しない患者に対しても患者調査を行っている。これにより、柔道整復師施術を受診することを負担に感じる患者の受診離れが生じ、柔道整復師が不利益を被るほか、以下に述べるように柔道整復師側の事務の負担増が生じている。
 一般に患者調査は受診から三〜四か月後に行われることが多く、患者は記憶が薄れた頃に調査を受けるため回答が不正確になりがちで、そのため柔道整復施術療養費支給申請書(以下「申請書」という。)の内容に疑義が生じ、各保険者から柔道整復師に対し申請書が返戻される。返戻後は、現在の仕組みでは柔道整復師自らが、患者の受診内容についてカルテ等を基に申請内容を調査しなければならず、このことが事務の負担増を招いている。なお、患者調査の対象にならない患者の場合、本来であれば患者調査は不要であり、申請書の返戻も生じることなく、各保険者から柔道整復師に対し療養費支給がスムーズに行われる。
 一方、患者側からすれば、本来必要のなかった患者調査を受忍しなければならない。また、調査自体が受診にうしろめたさを覚えさせ、過去の受診を思い出さねばならないという負担があり、これは柔道整復師の施術を受診したが故の負担であるから、柔道整復師の施術を再度利用したいという気持ちを遠ざけてしまう。この結果、受診離れが生じていることは、公益社団法人東京都柔道整復師会広報誌(平成二十九年十二月二十八日)の「民間業者への二次点検(引用者注:患者調査のこと)の委託は、「繰り返す患者調査による受診抑制」「行き過ぎた調査」等の弊害を生み、真っ当な柔整師ほど患者減少の傾向が出てしまっている」との記載からも明らかである。
 当該通知の「4.外部委託及び返戻の留意事項」では、保険者は外部委託にあたり、「契約内容が適切に履行されるよう、保険者が責任をもって、指導・監督を行うこと」とあり、当該通知別添4には「委託先に不適切な対応があった場合は、改善を求める等の適切な措置を講じること」とあるが、現状は上述したとおりである。
 そこで、次について質問する。

一 委託業者による不必要な患者調査を防ぐために、各保険者による適切な指導・監督の実施が必要であり、それがなされていない場合は所管省庁による監督や是正も必要と考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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