質問本文情報
平成三十年七月六日提出質問第四二七号
米軍横田基地へのCV二二オスプレイ配備に関する質問主意書
提出者 宮本 徹
米軍横田基地へのCV二二オスプレイ配備に関する質問主意書
四月三日、日米両政府は、米軍横田基地へのCV二二オスプレイを今夏に前倒して配備すると発表した。その後、米朝首脳会談がおこなわれ、北東アジアの安全保障環境は対立から対話・緊張緩和へ大きく変化している。
ところが、米軍CV二二オスプレイは六月二十三日、政府にも無通告で、米軍横田基地に飛来し、その後、横田基地・厚木基地・所沢通信基地・大和田通信所周辺などで旋回飛行・タッチアンドゴーなどの訓練をはじめている。こうした事態をふまえて、以下、質問する。
住宅密集地上空で米軍CV二二オスプレイが訓練をおこなう危険性について、政府は具体的にどう認識しているか明らかにされたい。
二 米国が公表した「CV二二の横田飛行場配備に関する環境レビュー」には、所沢通信基地、大和田通信所などで離発着訓練を行うとは記されていない。
政府として、米軍CV二二オスプレイの訓練が国内のどこで、どのような内容と規模で行われると把握しているのか、詳細に明らかにされたい。
三 米軍横田基地周辺の自治体は「CV二二オスプレイを使用した訓練の実施に当たっては、事前に情報提供を行うこと」との要請をしていた。政府として、この要請に対してどういう対応をとったのか、具体的かつ詳細に明らかにされたい。
また、こうした要請すら無視して、無通告で、米軍横田基地・厚木基地・所沢通信基地・大和田通信所周辺等でも、米軍がやりたい放題にCV二二の訓練を行っていることについて、政府として抗議すべきではないか。政府の見解を示されたい。
四 六月二十三日の飛来以降、米軍横田基地を拠点にした訓練が始まっている。政府は「配備」ではなく「一時的な飛来」と説明しているが、「一時的」とはどの程度の期間を指すのか明らかにされたい。
またこれは、事実上の横田「配備」という指摘もある。いったい「配備」と「一時的な飛来」との違いは何か、具体的かつ詳細な説明を求める。
五 奄美空港へ緊急着陸した際の防衛省の説明によると、米軍横田基地に飛来しているCV二二オスプレイは、嘉手納飛行場に司令部のある第三五三特殊作戦群所属とのことである。
仮に、今回の飛来が米軍横田基地への「配備」ではないとするならば、六月二十三日以降、飛来している米軍CV二二オスプレイの部隊は、現時点でどの米軍基地に配備されているのか、明らかにされたい。
六 政府は、これまで、米軍CV二二の横田基地配備について、「我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、高い性能を有するCV二二が我が国に配備されることは、日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、アジア太平洋地域の安定にも資すると考えています」と説明してきた。しかし、南北首脳会談、米朝首脳会談を経て、政府は、「わが国にとって安全保障上、厳しい状況は緩和された」と説明している。
安全保障環境の変化を受けて、米軍CV二二オスプレイの横田基地配備についての政府の評価は、どう変わったのか、明らかにされたい。
七 政府は、米軍横田基地に配備されるCV二二オスプレイの輸送対象となりうる米軍特殊作戦部隊の一例が「在韓国特殊作戦コマンド」と説明してきた。「在韓国特殊作戦コマンド」の作戦区域は朝鮮半島である。
南北首脳会談と米朝首脳会談を受けてもなお、「在韓国特殊作戦コマンド」は米軍横田基地に「配備」されるCV二二オスプレイの輸送対象ということは変わらないのか。政府の見解を伺う。
八 米朝首脳会談での合意を受け、朝鮮半島の非核化と永続的な平和体制の確立に向けてのプロセスをすすめるために、米韓合同軍事演習は中止が表明された。こうした中で、斬首作戦実行部隊となりうるCV二二オスプレイの米軍横田基地配備は、平和に向けたプロセスに水を差し、地域の緊張を高めることになる。
CV二二オスプレイの横田基地配備は撤回すべきではないか。政府の見解を伺う。
右質問する。