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平成三十年七月十二日提出
質問第四三八号

成年年齢の十八歳への引き下げ等に関する質問主意書

提出者  古本伸一郎




成年年齢の十八歳への引き下げ等に関する質問主意書


 平成三十年六月十三日に成立した「民法の一部を改正する法律」には、成年年齢を現行の二十歳から十八歳へと引き下げる民法第四条の改正が盛り込まれている。成年年齢の見直しは、明治九年の「太政官布告」で満二十歳とされて以来、約百四十年ぶりとなる。これによって、年齢条項を有する様々な法律に影響を及ぼすことから、同法の立案に当たっては、慎重な議論がされたものと考えている。こうした問題意識の下、成年年齢の引き下げ等について、以下質問する。

一 民法における「成年」とは、契約などの法律行為を独立して行える年齢、及び親権に服することがなくなる年齢のことを指すと承知している。一方で、「国民の祝日に関する法律」における「成人の日」の規定は「おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」となっており、「成年」以外に、「成人」「おとな」という表現が用いられている。
 世間一般では「成年」「成人」「おとな」は、同じ意味で使用されていると考えられるが、今回の民法改正で、「成年」の年齢が法的に十八歳へと引き下げられれば、「成人」や「おとな」の年齢も、同様に十八歳となるのか。
 そうでない場合、祝日法における「成人」「おとな」と、民法における「成年」の年齢との間に齟齬が生じるが、その影響について政府はどのように考えているのか。例えば、成人式を十八歳で挙行する自治体と、従来通り二十歳で挙行する自治体が生じる事を想定しているのか。
二 現在までに、国民投票の投票権年齢、及び選挙権年齢は満十八年以上に引き下げられており、さらに今回の民法改正によって、成年年齢が十八歳へと引き下げられる。その一方で、飲酒・喫煙禁止年齢は、現行の二十歳未満のまま据え置くこととされている。十八歳及び十九歳の者の飲酒・喫煙を禁止する理由としては、健康被害防止と非行防止等が挙げられている。
 そこで、十八歳及び十九歳の者は、投票を通じた政治的な意思表明や、法的行為を独立して行える年齢であるにもかかわらず、飲酒・喫煙についてはその権利を制限されることになる。今回の民法改正で、十八歳及び十九歳の者は、二十歳以上の者と同じ「成年」となるが、なぜ引き続き権利を制限する必要があると考えたのか。また、従来は一致していた選挙権年齢、成年年齢、そして大人の嗜みとされる飲酒・喫煙ができる年齢等が不一致となれば、「おとな」の年齢に関して、国民に混乱が生じると考えられるが、その点について見解を伺いたい。
三 少年法における「成人」は、満二十歳以上の者であり、満二十歳に満たない者は「少年」として扱われる。今回の民法改正で、成年年齢が十八歳に引き下げられると、十八歳及び十九歳の者は、民法上は「成年」であるが、現行の少年法では「成人」ではなく「少年」として扱われると考えられる。今回の民法改正によって、今後、十八・十九歳の者は、契約等の法律行為について判断能力を有することになるにも関わらず、その者が犯した罪を、刑事事件上は「少年」が犯したものとして取り扱うことに齟齬はないのか。またその法的な影響について、見解を伺いたい。

 右質問する。



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