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平成三十年七月十八日提出
質問第四八七号

医療機関における診療記録等個人情報の開示に関する再質問主意書

提出者  阿部知子




医療機関における診療記録等個人情報の開示に関する再質問主意書


 個人の診療情報開示のあり方について本年三月三〇日に「医療機関における診療記録等個人情報の開示に関する質問主意書」を提出し、四月一〇日に答弁書を受領した。その答弁内容を踏まえ、以下質問する。

一 旧国立大学附属病院では個人情報保護法第二八条第一項に基づく本人開示請求書の提出先は大学総長等である。それに対して私立大学の多くは提出先が附属病院長になっている。私立大学の場合の個人情報取扱事業者に該当する者はだれか。大学附属病院の院長は個人情報取扱事業者に該当するのか。
二 私立大学附属病院の場合、個人情報保護法に基づく開示請求であっても、病院事務窓口で開示請求手続きを扱っている。例えば岩手医科大学附属病院で使用される開示請求用紙には「診療情報提供請求書」と記載されている。
 この場合、※(注)開示請求書が個人情報を診療情報に限定した名称になっている、※(注)「提供請求書」という文言を記載している、以上二点について、個人情報保護法が保障している本人の開示請求権、訂正権、利用停止権が損なわれると考えるがどうか。
三 また近畿大学病院における開示請求書は「診療記録等の開示申込書」となっている。この場合も開示請求者本人が「診療記録のみに限定」されていると誤解しかねない。しかし本来は医療機関が保有している本人の個人情報すべてが対象となるべきものである。
 このような曖昧な開示申込書は、開示請求権を保障する個人情報保護法の趣旨に反し、その適正な運用を妨げていると考える。開示請求のタイトル、及び書式を個人情報保護法に基づく「保有個人情報開示請求書」に統一すべきと考えるがどうか。
四 平成二八年に改正された個人情報保護に関する法律は、第九条、第一〇条で「苦情処理のための措置」を定め、第四〇条、第四一条、第四二条で「報告及び立ち入り検査」の権限を定めている。いずれも法の適正な運用を促進するに必要不可欠の規定である。
 法の適正な運用に関して、個人情報保護委員会にはどのような要望が寄せられているか。またそれらにどのように対応しているのか。具体的に示されたい。
五 厚生労働省は昨年九月二五日付「医療機関における診療録の開示に係る実態調査について(協力依頼)」を通達して調査している。これは平成一五年九月一二日付「診療情報の提供等に関する指針」(医政発第〇九一二第〇〇一号厚生労働省医政局通知別添)(以下「指針」という)の運用実態を調査する目的で行われたものと考えてよいか。
六 「指針」は、内閣衆質第一九一号答弁書に「医療機関が保有する診療録等の診療情報を提供するに当たって、どのような事項に留意すれば医療従事者等が診療情報の提供等に関する職責を全うできると考えられるかを厚生労働省として示したものであり、法の規定に優先して適用されるものではない」とし、さらに「調査結果を踏まえ、指針の内容を精査してまいりたい」と述べている。
 個人情報保護法第三三条第一項は、個人情報取扱事業者は、法第二八条第一項による開示請求を受けた時は「当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができる」と規定し、同条第二項で、「実費を勘案して合理的と認められる範囲内においてその額を定めなければならない」と規定している。
 しかしながら、厚生労働省の実態調査の結果では、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院や国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院、及び国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院などは手数料として三千円を徴収していた。
 こうした結果が明らかになった段階で、速やかに適切な指導が行われたものと思うが、指導の内容と改善結果について、具体的に示されたい。
七 政府が、「指針」の内容は個人情報保護法の規定に優先して適用されるものではないと答弁している通り、調査するべきは「指針」の内容やその運用実態が、個人情報保護法の趣旨及び諸規定を遵守しているか否かであり、その結果に対しては速やかに改善を図る義務があると考えるがどうか。

 右質問する。



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