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答弁本文情報

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平成二十三年十一月八日受領
答弁第一八号

  内閣衆質一七九第一八号
  平成二十三年十一月八日
内閣総理大臣 野田佳彦

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員今村雅弘君提出最近のガソリンスタンド経営に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員今村雅弘君提出最近のガソリンスタンド経営に関する質問に対する答弁書



一について

 サービスステーション(以下「SS」という。)等の地下に埋設されている危険物を貯蔵するタンク(以下「地下タンク」という。)について、腐食等による劣化を原因として危険物が流出する事故が繰り返し発生している状況に鑑みると、地下タンクの腐食を防止すること等は喫緊の課題であることから、危険物の規制に関する規則(昭和三十四年総理府令第五十五号)の改正を行い、かつ、新たな技術上の基準に適合させる措置を講ずるために必要と認められる経過措置期間を設けているところであり、この期間を延長することは適当でないと考えている。
 なお、SSにおいて、同規則の規定に基づき地下タンクの腐食を防止するための措置等を経過措置期間内に講ずる場合には、経済産業省において補助を行っているところである。

二及び三について

 ガソリン車の低燃費化等に伴い石油製品の需要が減少している中で競争が激化する等により、全国のSSの数は減少していると承知している。特に過疎地においては、人口減少や地場産業の衰退等により石油製品の需要の減少が都市部と比べてより顕著なことから、SSが撤退するケースが相次いでいるものと承知している。そのため、経済産業省としては、過疎地における石油製品の安定供給を確保する観点から、地域のSSが事業を継続できるよう地下タンクの入替えに対する補助を行っているほか、平成二十三年度からは、揮発油販売業者、地方公共団体及び地域住民が連携した石油製品の安定供給体制の構築のための取組を支援している。

四及び五について

 今後のエネルギー政策の見直しに際しても、石油製品の安定供給を確保することが必要であり、SSが石油製品を最終消費者に届ける役割を引き続き担うことが重要であると考えている。このため、経済産業省においては、SSのネットワークを維持していくための様々な支援を行っているとともに、東日本大震災の際に、停電等によりSSが十分に稼働できずに石油製品の供給に支障が生じたこと等の教訓を踏まえ、SSに対する自家発電設備の設置の支援等を行っていくこととしている。

六について

 石油製品は、経済活動や社会生活に不可欠な物資であり、その安定供給の確保を図ることは引き続き重要であるところ、電気自動車の充電場所の一つとしてのSSに対するニーズもあると承知しており、今後、SSにおいて、従来の石油製品の販売だけにとどまらない新たなビジネスモデルを構築していくことが重要であると考えている。

七について

 公正取引委員会においては、平成二十一年の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「独占禁止法」という。)の改正により、不当廉売及び差別対価を繰り返した事業者が課徴金納付命令の対象となったことを踏まえ、不当廉売及び差別対価に関する独占禁止法上の考え方を従前よりも明確化すること等により、法運用の透明性を一層確保し、事業者の予見可能性をより向上させるため、「ガソリン等の流通における不当廉売、差別対価等への対応について」を改定し、平成二十一年十二月十八日に公表したところである。なお、平成二十二年一月一日以降、不当廉売及び差別対価について、独占禁止法の規定に基づき課徴金納付命令を行った事例はないが、過去に不当廉売につながるおそれのある行為がみられたとして注意を受けてもなお再び注意を受けるような事業者に対しては、事案に応じて、責任者を招致して直接注意を行うなどしているほか、廉売行為による周辺のSSに対する影響が大きいと考えられる場合には、これらSSの事業活動への影響等についても調査を行い、問題のみられる事案については、厳正に対処することとしている。また、お尋ねの具体的事項については以下のとおりである。
 お尋ねの1について、経済産業省及び公正取引委員会においては、平成二十年三月に「不公正な取引方法に係る協力スキーム」を構築し、これに基づき、違反被疑行為の情報収集に係る協力等を実施しているところであり、同スキームは活用されていると認識している。
 お尋ねの2について、石油製品の卸価格については、石油元売会社と揮発油販売業者との協議により定まるものと承知している。なお、経済産業省においては、石油元売会社に対し、石油製品の卸価格について、優越的地位の濫用の疑い等が生じないよう揮発油販売業者と十分に協議することを要請している。
 お尋ねの3について、優越的地位の濫用については、独占禁止法第二条第九項第五号において、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定すること等と規定しているところ、石油元売会社が、例えば、品質保証等の必要性から系列SSに対して他社の石油製品の販売を規制することや、余剰となった石油製品を系列SS以外の者に販売することについては、正常な商慣習に照らして不当なものとは言えない場合があり、直ちに優越的地位の濫用に該当するものではない。
 お尋ねの4について、御指摘の行為が独占禁止法上問題となるか否かについては、その行為の態様、目的、競争への影響に照らし判断していくこととなる。
 お尋ねの5について、公正取引委員会においては、これまで、石油元売会社に対し、系列SSが系列の他の特約店から自社製品を購入することを禁止することは、より安いガソリンを仕入れられなくなるという点で当該ブランド品の価格競争が回避されるとともに、系列SSに不利益となるように取引条件を設定しているものであって、独占禁止法上問題となるおそれがある旨を指摘し、かかる行為を行うことがないよう、指導を行ってきたところである。現時点において、石油元売会社が当該指導に反する行為を行っているとの事実は承知していない。
 お尋ねの6について、石油製品に係るいわゆるブランド料を含む価格設定や商標の取扱いについては、石油元売会社と揮発油販売業者との協議により定まるものと承知している。
 また、共同油槽所を利用する者においては、共同油槽所の管理運営者と品質規格に関する契約を締結し、各々の品質規格に合致する石油製品を揮発油販売業者に提供していることから、商標権を主張しているものと認識している。
 お尋ねの7について、契約で指定された商標等を使用しつつ他社の石油製品を購入することを禁止する特約販売契約等については、当事者間で合意の上で締結するものと承知している。



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