答弁本文情報
平成二十八年十一月四日受領答弁第八九号
内閣衆質一九二第八九号
平成二十八年十一月四日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員奥野総一郎君提出北方領土の「二島先行引き渡し」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員奥野総一郎君提出北方領土の「二島先行引き渡し」に関する質問に対する答弁書
一について
択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の北方四島は、我が国固有の領土であり、政府としては、ロシア連邦との間で北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、平和条約締結交渉に粘り強く取り組んでいくとの考えに変更はない。
お尋ねの「二島先行引き渡し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、政府の方針及び考えについては一についてでお答えしたとおりであり、これらを変更したとの事実はない。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針を堅持している。また、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言(昭和三十一年条約第二十号。以下「日ソ共同宣言」という。)第九項の「現実」の意味は、字義のとおりであり、同項の「現実に引き渡される」とは、実際に物理的に占有が移転することを意味するものと解している。
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、本年十月十七日の記者会見において菅内閣官房長官が述べたとおり、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針に変わりはなく、政府としては、かかる基本方針は、日ソ共同宣言第九項と整合的であると考えている。
日ソ共同宣言は、現在でも効力を有している。
御指摘の「共同統治」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、政府の方針及び考えについては一についてでお答えしたとおりであり、これらを変更したとの事実はない。
御指摘の「わが国が領土を「共同統治」した」の意味するところが必ずしも明らかでなく、お答えすることは困難である。
戦後七十年以上を経てもなお平和条約が締結されていない異常な状態を打開するため、政府として、本年十二月に予定される日露首脳会談においては、一についてでお答えした基本方針の下、交渉を前進させるべく取り組んでいく考えであるが、お尋ねの見通しについて予断をもってお答えすることは差し控えたい。