答弁本文情報
平成三十年二月二日受領答弁第二二号
内閣衆質一九六第二二号
平成三十年二月二日
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員阿部知子君提出東京電力柏崎刈羽原子力発電所再稼働申請に伴う適合審査に係る意見照会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部知子君提出東京電力柏崎刈羽原子力発電所再稼働申請に伴う適合審査に係る意見照会に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「原子力規制行政の基本的な方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力規制委員会は、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)に基づき、一の行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消すること等を目的として設置されており、同法第五条の規定に基づき、原子力規制委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行うこととされている。
お尋ねについては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第七十一条第一項(第二号及び第三号を除く。)の規定において、原子力規制委員会は、原子炉等規制法第四十三条の三の八第一項の規定による許可をする場合であって、発電用原子炉に係るものについて、経済産業大臣の意見を聴かなければならないとされていることから、同大臣の意見を聴いたものである。
原子力規制委員会が「東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の発電用原子炉の設置変更許可(六号及び七号原子炉施設の変更)に関する意見の聴取について」(平成二十九年十月四日付け原規規発第一七一〇〇四四号)により経済産業大臣の意見を聴いた結果、同大臣から、「電気事業を所管し、及び原子力損害賠償・廃炉等支援機構法を所管する立場として、東京電力ホールディングス株式会社が貴委員会に提出した書面及び表明した取組方針に関する見解の内容について異論はなく、同社がこれらをしっかりと遵守していくよう、適切に監督・指導していく所存である」との回答があった旨を述べたものである。
お尋ねの「最終責任」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十九年十二月二十七日の東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の発電用原子炉の設置変更許可(六号及び七号原子炉施設の変更)(以下「本件変更許可」という。)は、原子炉等規制法の定めるところにより、原子力規制委員会が行ったものである。
お尋ねの「「経理的基礎」の適合審査」については、原子炉等規制法第四十三条の三の八第二項において準用する原子炉等規制法第四十三条の三の六第一項第二号の規定に基づき、申請者がその申請内容に係る工事に要する資金を調達できる見込みがあるかどうかを確認するものであることから、原子力規制委員会としては、東京電力ホールディングス株式会社における資金の調達実績や調達計画、自己資金の状況等を確認し、発電用原子炉の設置に係る変更のために必要な経理的基礎があると認めたものである。
御指摘の「法令に基づく「経理的基礎」の適合審査案」及び「法令にない適格性審査案」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子炉等規制法に基づく許可は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第八号に規定する命令等ではなく、同法第三十九条の規定に基づく意見公募手続の対象とはされていない。
その上で、原子力規制委員会においては、本件変更許可を行うに当たり、必要な御指摘の「経理的基礎」があると認められる旨の記載を含む「東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉設置変更許可申請書(六号及び七号原子炉施設の変更)の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に規定する許可の基準への適合について(案)」を平成二十九年十月四日に公表したところであり、当該資料は、「申請者の原子炉設置者としての適格性についての確認結果(案)」(以下「適格性確認結果案」という。)及び「東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉設置変更許可申請書(六号及び七号原子炉施設の変更)に関する審査書(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第四十三条の三の六第一項第二号(技術的能力に係るもの)、第三号及び第四号関連)(案)」(以下「審査書案」という。)を含むものである。
これらのうち、適格性確認結果案及び審査書案について、平成二十九年十月五日から同年十一月三日までの間、科学的・技術的意見の募集を実施したところである。