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平成十四年七月二十六日提出
質問第一五六号

九州南西海域不審船事案での威嚇射撃における事実関係の改ざんに関する質問主意書

提出者  金田誠一




九州南西海域不審船事案での威嚇射撃における事実関係の改ざんに関する質問主意書


 九州南西海域不審船事案で最初に行われた威嚇射撃(巡視船いなさが平成十三年十二月二十二日十四時三十六分に実施した威嚇射撃)は、事実関係を客観的に示す証拠は存在しないが我が国の排他的経済水域で行われたものと政府は主張している。
 この政府の主張は、海上保安庁のホームページに掲載された不審船航跡図が、最初の威嚇射撃地点を日本と中国の排他的経済水域の境界線である日中中間線の中国側手前(日本側の排他的経済水域)に示していること、また縄野海上保安庁長官が平成十四年一月十日の衆議院国土交通委員会において「中間線の手前、私どものEEZで停船命令をし、武器使用を開始し、追跡を開始したということでございまして、海洋法条約上何ら問題がないというふうに考えております」(第百五十三回国会衆議院国土交通委員会議録第五号(閉会中審査)二十五頁)と答弁していることから修正の余地がないものと思われる。
 最初の威嚇射撃地点が日本側の排他的経済水域であったか否かということは、この射撃の正当性に関わる重大なポイントである。
 なぜならこの射撃は「沿岸国は、海洋法に関する国際連合条約(平成八年条約第六号)第七十三条1の規定に基づき、排他的経済水域において生物資源を探査し、開発し、保存し及び管理するための主権的権利を行使するに当たり、関係法令の遵守を確保するために必要な措置をとることができる。(中略)これらを実施するために必要やむを得ないときは、信号等による警告を行う等所要の条件が満たされることを前提に、合理的な限度で武器を使用することは許されると解される。」(「衆議院議員金田誠一君提出九州南西海域不審船事案への対処に関する質問に対する答弁書」(平成十四年二月二十六日答弁))との解釈に基づいて行われたものであるからだ。言い換えるとこの射撃が、中国側の排他的経済水域で行われたとしたならば、その実施の根拠は存在しないことになってしまう。
 そこで政府の責任において以下の点について明らかにされたい。

一 海上保安庁のホームページに掲載された不審船航跡図で示されている日中中間線を緯度経度によって明示されたい。
二 海上保安庁がまとめた「九州南西海域不審船事案への対応について」(平成十三年十二月二十五日)では、時系列において十四時三十分には「不審船は奄美大島の西北西約350キロメートルにて日中中間線(日本と中国のEEZの境界線)を通過。」、十四時三十六分には「巡視船いなさが、射撃警告の上、20ミリ機関砲による威嚇射撃を実施(上空2回、海面3回)。(中国EEZ内)」との事実関係を明らかにしている。
 また同文書に掲載された不審船航跡図では、十四時三十六分に実施された最初の威嚇射撃地点は日中中間線を中国側に越えた地点であることを明瞭に示している。
 同文書で示された事実関係は、先の縄野海上保安庁長官答弁や海上保安庁のホームページに掲載されている「九州南西海域不審船事案への対応について」や「不審船航跡図」と明らかに異なるものであり、事実関係の改ざんがあったものと言わざるを得ない。そこでこの点について政府の説明を求めるものである。

 右質問する。



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