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平成十五年一月二十二日提出
質問第五号

福岡県芦屋町の航空自衛隊芦屋基地でのT−4練習機の飛行訓練による騒音、安全対策に関する質問主意書

 提出者
 赤嶺政賢    小沢和秋




福岡県芦屋町の航空自衛隊芦屋基地でのT−4練習機の飛行訓練による騒音、安全対策に関する質問主意書


 航空自衛隊芦屋基地の所在する芦屋町をはじめ周辺の北九州市、遠賀町、水巻町、岡垣町は、現在では、約四十五万世帯、一一一万人が生活している市街化地域である。同基地では、二〇〇〇年までにT−1に代えて、T−4練習機三十九機を配備し、市街地上空で連日飛行訓練が行なわれている。関係住民は、都市化が進んだ基地周辺上空での離着陸訓練、周回飛行訓練等に伴う騒音に悩まされ、しかも墜落事故が発生した場合には大惨事につながる危険性があると強い不安を抱き、住民の生命と安全を守るための安全対策は言うまでもなく訓練の中止を求める声が広がっている。そこで次の事項について質問したい。

一 人口が密集する市街地上空での飛行訓練による墜落事故の危険性と対策について
 1 都市化した市街地上空でのT−4練習機の訓練は、常に危険性を内包し墜落事故の発生は大惨事に直結する事態を招く可能性がきわめて高い。八八年に芦屋基地では、着陸態勢に入った練習機が北九州市の市街化地域の上空を周回飛行中に海側に墜落したためにかろうじて大惨事を免れた。
 九九年には埼玉県の入間基地で、T−33が、技量維持のための操縦訓練を終えて基地に帰投直前に市街地からわずか五十メートルの地点に墜落し、東京都と埼玉県の八十万世帯が停電するという大きな被害をだしている。いずれも一歩間違えば大惨事につながりかねない事故である。芦屋基地など人口が密集する市街地域に所在する基地での離着陸訓練や周回飛行訓練による墜落事故の危険性についてどのような認識を持っているのか。
 2 T−4練習機の配備に伴い事故防止のために新たにどのような措置を講じているのか、また、かかる措置で墜落事故による大惨事を防止し住民の生命と安全は守ることができると明言できるのか。
二 芦屋基地周辺の騒音対策について
 1 芦屋基地が所在する芦屋町、基地周辺の北九州市、遠賀町、水巻町、岡垣町の住民は、T−4練習機が配備されてから、北九州市等の上空を高速、低高度で大回りに周回飛行するために飛行コースの真下に位置する八幡西区、若松区など、その騒音被害を受ける地域が拡大し市民生活に耐えがたい苦痛をあたえていると強く訴えている。市街地におけるT−4練習機による騒音被害状況についてどのように考えているのか。
 2 防衛施設庁は、T−4練習機の訓練による騒音被害の住民の強い声に対して、二〇〇一年八月から飛行コース、飛行回数、騒音測定など現地調査を開始し、昨年七月にはすべての調査を終了していると聞いているが調査の内容について具体的に明らかにされたい。
 3 騒音測定調査の対象地域(市、町名)、及び調査の方法(騒音測定の調査地点、測定の方法、測定の期間)、又飛行回数の計測期間等について明らかにされたい。現在は、調査を踏まえてどのような作業に入っているのか、また、住宅防音工事の対象となる「第一種区域」、つまり、「うるささ指数(WECPNL)」が基準値の七十五を超えた地域についての調査結果はいつ告示されるのか。
 4 八三年三月の告示で、防音工事の対象に指定された区域である芦屋町、水巻町、北九州市それぞれの地域の一部についての住宅防音工事の進捗状況は現在どうなっているのか、市、町名毎の世帯数を明らかにされたい。
 5 学校、病院、社会福祉施設などの公共施設についての調査は、住宅とは別の方法によって実施されていると考えるが、調査及び騒音測定方法について説明されたい。
 6 T−4練習機の配備後、調査を実施し、または調査を予定しているところはあるか。あれば、学校等の公共施設名を明らかにされたい。
 7 学校等の公共施設の騒音測定調査については、設置者の要望に基づいて実施されることとしているが、防衛施設庁自らが調査をするということはありえないのか。設置者の要望があれば、いつでも調査し、「防衛施設庁長官が定める限度を超える場合」には防音工事を実施するということなのか。「防衛施設庁長官が定める限度を超える場合」とは具体的にどういう基準をいうのか説明されたい。
 8 芦屋基地に関連して、これまで学校の防音工事は三十八校について実施してきたと聞いているが、この際、学校等の公共施設について防音工事を実施した施設名と所在する市町名を明らかにされたい。
三 T−4練習機の離発着アプローチ、周回飛行コースの見直しについて
 1 防衛施設庁は、当面の措置として住宅及び学校等の公共施設について、防音工事の区域対象を拡大し、騒音によって住民が受けている痛苦を少しでも軽減する措置を講ずることは当然のことである。言うまでもなく住民の生活は住宅内に限られず、防音工事の対象とされたとはいえ、市民生活に著しい影響をあたえている騒音問題が解決されたとは到底言えるものではない。関係団体のなかには、墜落事故の危険性という点も考えあわせて、少なくともT−4練習機の離発着アプローチ、周回飛行コースを海側に変更すべきだとの意見もあるが、この見解についてどう考えるのか。
 2 芦屋町、北九州市などのように人口が密集する市街地に航空自衛隊の基地が存在すること自体問題であり、防衛庁がいかなる措置をとろうとも、T−4練習機による頻繁な離着陸、航法訓練、周回飛行は常に墜落事故という大惨事を招来する危険性があることは過去の市街地における墜落事故の例でも明瞭である。住民の生命と安全を守り、騒音から市民生活を取り戻すには、訓練の中止と基地の撤去以外に根本的解決はないと考えるが、見解を求めたい。

 右質問する。



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