衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十五年四月十五日提出
質問第五三号

諫早湾干拓事業の開門調査検討会議に関する質問主意書

 提出者
 小沢和秋    赤嶺政賢




諫早湾干拓事業の開門調査検討会議に関する質問主意書


 有明海の未曽有のノリ不作を契機に設置された、有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会(ノリ第三者委員会)は、三月二十七日に最終報告書をまとめた。その直後の二十八日、農水省は諫早湾干拓事業の中・長期開門調査を検討する「中・長期開門調査検討会議」を設置したことを明らかにし、「豊かな行政経験を有する委員が、中・長期開門調査の取り扱いの判断に必要な論点の取りまとめを行う」ために、七名の委員をあわせて公表した。いずれも農水省はじめ中央省庁出身で、現在公益法人の役員に天下っている高級官僚経験者である。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 海野研一委員は元・農水省構造改善局長、中道宏委員は元・同省構造改善局次長、亀若誠委員は元・同省大臣官房技術総括審議官、川合淳二委員は元・水産庁長官、中村晃次委員は元・同庁次長、松田芳夫委員は元・建設省河川局長、鹿野久男委員は元・環境庁長官官房審議官である。
 中・長期開門調査を実施すれば、その間工事は中断し計画が大きく遅れる。調査の結果によっては、事業中断ということもありうる。農水省はそれを防ぐために、干拓事業を直接担当していた構造改善局長経験者や、同局次長経験者をはじめとする人選を行ったのか。
(二) 研究者や漁業者など様々な観点からの意見も聞くというが、そのためならノリ第三者委員会が最適である。論点取りまとめの議論に、ノリ第三者委員会は不適格なのか。また、前述の経歴の委員だけで検討会議を構成し、技術的、専門的な助言を得るため必要な場合だけ専門委員を選考・委嘱する理由は何か。
(三) 意見を聴取する対象に漁業者があげられているが、これは有明海沿岸四県すべての漁民を指すものか。また、論議そのものに対し、意見を述べることができるのか。
(四) 検討会議の論点取りまとめはいつ出され、それを受けての農水省の判断はいつ下されるのか。また、まとめられる論点には、中・長期開門調査の実施が必要か否かも含まれることになるのか。
(五) 報道によれば、昨年の短期の開門調査に伴って養殖アサリが死に、諫早湾内の小長井・瑞穂・土黒・神代各漁協の申し出により、農水省はこれらの漁協と総額数千万円の補償交渉を行っているという。これは事実か。事実とすれば、四漁協が被害の申し出を行い、農水省がそれを現認した日付はそれぞれいつか。四漁協からの申し出は、どのような形で行われたのか。
(六) 潮受堤防の建設工事が始まった直後から、諫早湾内ではタイラギが激減し、タイラギ漁は十年間連続して休漁状態となっている。その原因を究明するため設けられた「諫早湾漁場調査委員会」は十年近くの時間をかけながら、結局「干拓工事との因果関係は不明」という結論で終わった。今回の四漁協との補償交渉は、今年年明けから始まったといわれているが、農水省が短期間のうちに、養殖アサリへの影響が開門調査によるものと認めた根拠とその因果関係とを、調査結果を示し明らかにされたい。
(七) 今年度の干拓工事で、南・北両排水門の外側に海域環境施設、いわゆる導流堤を建設することが計画され、現在公募型指名競争入札の準備が進められている。この導流堤は北部排水門側に長さ四百メートル二基、南部排水門側に長さ四百メートル一基の計画である。これがつくられれば諫早湾内のみならず、有明海の流況に影響を与えると考えられるが、事前に影響調査を行っているか。行っているとすれば、その結果を明らかにされたい。行わなかったとすれば、その理由は何か。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.