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平成十五年七月二十五日提出
質問第一四七号

深刻化する国民及び中小零細企業の借金問題に関する質問主意書

提出者  井上和雄




深刻化する国民及び中小零細企業の借金問題に関する質問主意書


 長引く不況により、企業の倒産や破綻が増加し、国民は転職やリストラ等を余儀なくされて生活苦に陥り、借金を抱える国民の数は加速度的に増加している。これは病める国民、我が国を象徴している。この現状を踏まえ、政府の把握する事実関係及び見解について左記の通り質問する。


第一 国民及び中小零細企業の借金問題に関し、
一 いわゆる多重債務の定義をどのようなものであると認識しているか。
二 借金問題にかかる多重債務者及び多重債務者予備軍(以下、単に「多重債務者等」という。)の数を統計的に明らかにされたい。また、把握していないとしたら早急に調査を実施すべきと考えるが、どのように認識されているか。
三 多重債務者等につき、今後、破産手続等によらなければ借金問題を解決できないと予測される数は潜在的にどのくらいであると認識されているか。統計的に明らかにされたい。
第二 多重債務者等は、いよいよ返済が困難な状況に陥ったら、法的手続によらなければ解決ができなくなるであろう。裁判を受ける権利・法の下の平等が国民には憲法で保障されている。そこで、裁判所や破産法等が、的確にかつ迅速に運用されているかどうかが重要になってくる。
一 全国の地方裁判所における破産申立に関して、一九八二年、一九九二年、二〇〇二年各年の立件数を明らかにされたい。また、一般民事事件についても同様に、一九八二年、一九九二年、二〇〇二年各年の申立件数を明らかにされたい。
二 現在の裁判所の事件処理能力、とりわけ債務整理事件についてはどのような現状であると認識されているのか。
三 自己破産の申立が優に百万件を突破する現状において、大量の事件処理が必要となった場合に、現在の裁判所の受入れ態勢には問題があると考える。
 1 現行、事件処理能力についてはどのようなものであると認識しているか。
 2 事件の審理方法・期間等の運用が裁判所ごとによってまったく違う。それでは、法的根拠は何か明らかにされたい。
 3 破産申立事件の処理に要する期間について統計的に明らかにされたい。
 4 一般的に破産同時廃止事件において、申立から事件終了までに早くて三ヶ月、遅いと半年以上の時間を要している。今後、大量の事件処理が必要となることを予測し、
  @ 裁判手続の効率化・簡素化等、裁判所としての事件処理体制についてどのような対策を講ずるべきと認識しているか。
  A 裁判官・書記官・速記官・事務官等の増員について、具体的にどのような検討がされているか明らかにされたい。
  B 予算の増額等、独立予算案の提起についても具体的にどのように検討されているか明らかにされたい。
 5 当該申立費用の基準を明らかにされたい。
 6 当該申立に対し、少額管財(中間管財)事件で管財人を選任し、運用がなされるようになり、それが広がる傾向にある。しかし、全ての裁判所がその取扱いを行っておらず、また、民事予納金(管財人に支払う報酬)が裁判所によって異なる。
  @ 少額管財事件につき、全国地方裁判所の運用状況について統計的に明らかにされたい。
  A 管財人の選任基準について、具体的に明らかにされたい。
  B 本来、裁判所が取扱うべき事務を管財人に一任する理由について、具体的に明らかにされたい。
  C 少額管財費用二十万円は、破産者にとって相当な負担となっているとの認識はないのか。
  D 一定の資産を有する少額管財事件のケースにおいて、管財人が配当を実施することについて債権者や破産者から、配当率が不明瞭で管財人報酬が高額であるという不満が寄せられている。この事実をどのように認識しているか。
 7 資格要件の緩和に関し、簡易裁判所においては弁護士以外に司法書士と民間企業の社員に関しては補助が認められている。しかし、行政書士等や一般人、弁護士以外の者については原則的に認められていない。
  @ 全国地方裁判所において、代理人を付さず、本人によって破産申立がなされた過去五年間の件数について、統計的に明らかにされたい。
  A 本人が病気や裁判あるいは当該紛争に関して詳しくない場合は、これらの点で熟知している身内や一般人についても本人の委任に基づき代理人として認めることも、本人の裁判を受ける権利、訴訟手続の迅速かつ的確な運用をより保障することから検討の余地があると思われるが、どのように考えるか。
  B 法律紛争等が激増している昨今、弁護士不足はいよいよ深刻である現状にかんがみ、いわゆる申請代理人の拡大をどのように考えているか。また、今後、資格要件の緩和の一環として、どのような分野において許可代理・補助等を認めてゆくのか、具体的に明らかにされたい。
第三 いわゆる中小零細事業主に対する貸し渋り・貸し剥がしに関し、
 一 今後、倒産等に追い込まれると予測される中小零細企業はどの程度であると調査しているか。調査していないとしたら、今後、調査する考えはあるか。
 二 金融庁では、「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」等により、中小企業金融に関する情報収集及び分析を進めているようだが、現状において、かかる情報公開・開示がまだまだ不十分である。今後、何を公表するのか具体的に明らかにされたい。
 三 現行、民事再生法は中小企業に対しても救済措置と考えるが、事実上、機能不全に陥っていると考える。
  @ 全国地方裁判所における、施行から二〇〇二年各年の申立件数を明らかにされたい。
  A 中小企業に関する民事再生法の運用実態及び認可等の状況について具体的に明らかにされたい。
  B 現行、民事再生法によって再生計画を立て、再建を果たせるのは実に少ないと判断している。なぜ再建が困難であるのか、問題点を明らかにされたい。

 右質問する。



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