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平成十六年一月二十二日提出
質問第四号

米軍基地に係る沖縄の負担軽減に関する質問主意書

提出者  東門美津子




米軍基地に係る沖縄の負担軽減に関する質問主意書


 普天間飛行場の全面返還が合意されてから七年半余が、またSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告が公表されてから七年余が経過した。その間、政府は、米軍基地に係る沖縄の負担軽減の方策として、SACO最終報告の着実な実施を標榜しながらも、同報告に明示された土地の返還は、安波訓練場の返還等を除き、遅々として進んでいない。よって、沖縄の負担軽減のため、政府がこれまでどのように取り組んできたのか、またこれからどのように取り組むつもりなのか、以下質問する。

一 平成八年四月十二日の橋本総理(当時)とモンデール駐日米国大使(当時)との間で行われた会談において、普天間飛行場の全面返還が合意された。しかしながら、返還の前提条件として、「普天間飛行場が現に果たしている非常に重要なその能力と機能を維持」するため「沖縄に現在、既に存在している米軍基地の中に新たにヘリポートを建設する」こと等が挙げられているとおり、県内移設が決定されているが、返還合意に至る過程において、本土移設等の県外移設の可能性については検討がなされたのか否か、なされたとすれば、その具体的内容をお答え願いたい。また、なされなかったとすれば、なぜ県外移設は検討されなかったのか、ご説明願いたい。
二 稲嶺沖縄県知事は、普天間飛行場の県内移設の条件として、代替施設を軍民共用空港として建設するとともに、米軍の施設使用期限を十五年に限定することを求めている。この要請を受けて、政府は、平成十一年十二月二十八日に閣議決定された「普天間飛行場の移設に係る政府方針」において、「代替施設の使用期限については、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しているが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げる」としている。
 1 政府の「国際情勢もあり厳しい問題がある」との認識を具体的に説明願いたい。あわせて、国際情勢がどのように変化すれば、使用期限問題が解決できると考えているのか、お答え願いたい。
 2 政府は、沖縄県側の要請を「重く受け止め」て、対米交渉の場で「十五年使用期限」を日本政府の考えとして取り上げているのか、あるいは、単に沖縄の考えとして紹介しているだけなのか、政府の姿勢を明らかにされたい。
 3 使用期限問題は、代替施設着工前に解決されるべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
三 政府は、普天間飛行場の代替施設として建設される軍民共用空港の事業主体を防衛施設庁と決定したが、軍民共用空港である同空港完成後の管理・運営を引き続き防衛施設庁が行うことの妥当性につき、政府は、どのように認識しているのか、お答え願いたい。
四 昨年十二月に開催された第二回代替施設建設協議会において、代替施設建設の資材の製作・保管場所としての作業ヤード(陸上ヤード)設置場所として、防衛施設庁は「陸上に建設するほか、仮に埋立てて造る場合、大浦湾西岸が条件を満たしている」との見解を示し、突然大浦湾西岸が埋立てられる可能性が明らかになった。作業ヤードの設置については、平成十四年七月の第九回代替施設協議会において配布された資料の中で作業ヤードとして必要な面積を示した上で、「作業ヤードは、既存陸域の利用の他、近傍海域に設置することは、一般的に可能」とされているだけであった。この点において、地元住民には、防衛施設庁が、大浦湾西岸を埋立てる可能性につき言及したことは、まさに寝耳に水であるといっていい。大浦湾は、自然豊かな美しい海のあるすばらしい景勝地であり、地元漁民にとっては生活の糧となる漁場である。埋立てにより貴重な生物とともに自然が破壊されるだけではなく、漁場が荒らされ、自然豊かな海が死の海になるのではないかとの危惧が地元住民や自然保護団体からも出ている。
 1 防衛施設庁は、陸上ヤードの設置に関し、大浦湾西岸以外にどのような候補地を検討し、どのような経緯で大浦湾西岸が条件を満たしていると代替施設建設協議会で表明するに至ったのか、ご説明願いたい。
 2 作業ヤードが大浦湾西岸に設置されることとなれば、その埋立面積は、代替施設のおよそ六分の一に相当する三十一ヘクタールにも及び、環境に及ぼす影響は甚大である。作業ヤードは代替施設の建設が完了すれば、撤去されるとも聞いているが、破壊された自然が元に復す保証はない。政府は、大浦湾西岸の埋立てによる環境への影響について、どのような調査を行ったのか、伺いたい。
 3 今後、埋立てが行われることとなった場合、政府はいかなる環境対策を行うつもりか、伺いたい。
五 小泉総理は、昨年十一月来日したラムズフェルド米国防長官と会談した際、「自分の内閣の大きな課題の一つは沖縄の人々の負担を軽減すること」と述べたと伺っている。
 1 小泉総理は同国防長官に対し、沖縄の負担軽減のために、どのような具体的提案を行い、先方からはどのような回答があったのか、お答え願いたい。
 2 小泉総理とブッシュ米大統領との間で行われたこれまでの日米首脳会談において、沖縄の負担軽減について、小泉総理からは、どのような提案を行い、ブッシュ大統領からはどのような回答を得ているのか、具体的にお答え願いたい。
六 沖縄に米海兵隊が駐留していることについて、政府は、「海兵隊を含め沖縄に所在する各米軍施設・区域は、我が国及び極東の平和と安全に寄与するという日米安保条約の目的達成に重要な役割を果たしている」と述べている(平成十二年十一月十日、参議院本会議、河野外務大臣答弁)が、沖縄に駐留する海兵隊が、日米安保条約の目的達成のため、どのような役割を果たしているのか、具体的にご説明願いたい。
七 米国は在外米軍の再編に着手した。政府は、この機会を捉え、在日米軍全体の再編への取組みの中で、在沖縄米軍の縮小、特に海兵隊の県外移転を米国に求めるべきであると考えるが、政府の見解を伺いたい。

 右質問する。



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