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平成十六年五月六日提出
質問第八七号

文化審議会著作権分科会のあり方に関する質問主意書

 提出者
 川内博史    笠 浩史




文化審議会著作権分科会のあり方に関する質問主意書


 文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会著作権分科会(以下「分科会」という。)は、著作権制度という一般消費者等の著作物利用者が多大な影響を受ける事項について検討を行う場であるが、施策の実行に於いては権利者等の事業者団体(以下「権利者等」という。)の意見のみを重視することは適切ではなく、団体としての意見を表明する事が困難である一般消費者や国民の意見を十分に聴取、忖度する必要がある。それにも関わらず、分科会の委員構成は権利者等の代表者が多数を占めており、少数の著作物利用者選出委員や学識経験者選出委員の意見が軽視される傾向が強い点や政府の他の審議会に比して公開性が低い点に対しては、消費者団体や学識経験者等から厳しい批判が相次いでいる。また、権利者等の代表者が多数を占める分科会の構成に於いては、検討事項が一般消費者等の著作物利用者に強いる負担や社会全般に及ぼす影響等の功罪についての精査が全く、或いはほとんど実行されないなど、初めに「権利強化」の結論ありきで議論が進められており、著作権制度全般に関する多角的かつ広範な議論の場としての機能を果たしていない状況を危惧する意見も少なからず存在する。
 前記の問題点について、著作権制度全般に関する多角的かつ広範な議論の場としての役割が求められている分科会の委員構成及び事務局のあり方を中心に、以下質問する。
 なお、同様の文言が並ぶ場合でも、項目ごとに平易な文章で答弁されたい。

一 分科会のうち、法制問題小委員会(総勢二十名。以下「小委員会」という。)に関しては平成十六年四月現在、事業者団体など権利者等を代表して参加している委員が十四名、学識経験者が四名、弁護士が一名、図書館関係者が一名という構成で各小委員会の中でも特に権利者等を代表して参加している委員が圧倒的多数を占めている事実が認められる。また、分科会全体では消費者団体選出の専門委員が二名選出されているが、小委員会に関しては消費者団体選出の専門委員は配置されていない。このような構成のもとで一般消費者等の著作物利用者が多大な影響を受ける事項について特段の慎重な検討を行う状況が担保される可能性は極めて低いものと考えられるが、権利者等を代表して参加している委員が圧倒的多数を占める小委員会の構成を文化審議会事務局(以下「事務局」という。)が是認している理由は何か。また、分科会ないし小委員会の人事構成を見直す予定はあるのか。
二 分科会専門委員である小熊竹彦・日本生活協同組合連合会政策企画部長(以下「小熊氏」という。)は一に於いて指摘した法制問題小委員会の人選を問題視し、法制問題小委員会への消費者団体選出委員の参加を再三にわたって事務局に要請したにも関わらず、事務局は消費者団体選出委員の小委員会参加を理由すら明かさずに拒絶し続けていた事実が平成十五年十二月五日に全国消費者団体連絡会の主催で実施された「レコード輸入権に関する意見交換会」で報告されている。
 小熊氏は小委員会に参加している学識経験者等の求めにより、平成十五年第六回より第八回までの小委員会ではオブザーバーとして発言の機会が与えられているところであるが、事務局が消費者団体選出委員の小委員会参加を拒絶し続けていた理由は何か明らかにされたい。
三 分科会は報道機関のみに傍聴が許可されており、一般傍聴を認めていないなど公開性が他の審議会に比して低いものと認められるが、その理由は何か。また、議事録に掲載されている出席者の各発言に関して発言者の氏名を記載していない理由は何か。
四 文化庁著作権課は制度改正の前提として「関係者間の協議・合意」を求めており、事務局は小委員会に於いて毎回「各分野における検討事項例」と題する文書を出席者に配布しているところであるが、同文書中に「関係者間で合意形成が進められつつある事項」と題する表(以下「表」という。)のいずれの事項についても「関係者」には一般消費者等を代表する立場の消費者団体等は記載されていない。文化庁著作権課ないし事務局はこの「関係者」をどのような基準により認定しているのか。また、日本生活協同組合連合会が小委員会平成十五年第十回で配布された表中『「輸入権」の創設(海外で合法的に作られたレコードの輸入への対応)』と題する案件に関して消費者団体を「関係者」として協議に参加させるべきである旨を事務局に対して要求したにも関わらず、この要求に関しても、二に挙げた消費者団体選出委員の小委員会参加と同様に拒絶された事実が意見交換会で報告されているが、前記案件に関して事務局が消費者団体を「関係者」と認めるべきではないと判断した理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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