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平成十七年四月四日提出
質問第四四号

高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する質問主意書

提出者  泉 房穂




高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する質問主意書


 施設入所をはじめ、介護サービスの利用は、その利用者にとり人生の大きな決断である。認知症高齢者及び知的障害者の数は全国で二百万人といわれており、こうした方々は、その判断力の衰えから、この大きな人生の決断に支援を必要としている。
 介護保険制度及び障害者支援費制度の基本理念は、ともに「自立支援」と「尊厳の保持」とされている。しかしながら、サービスがこうした理念に基づいて提供されていても、サービスを利用するかどうか決定することへの支援がない。ひとりで判断することのできない高齢者や障害者は、意思決定できずサービスを利用できなかったり、自分の意思に沿わない他者の意見に従うことを余儀なくされたりしており、こうした方々には「自立支援」や「尊厳の保持」が保障されているとはいえない。
 我々日本国民は、憲法第十三条で、「幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」ことを約束した。高齢者及び障害者が自らの人生を自ら決めるという権利、いわゆる「自己決定権」は、こうした「幸福追求に対する国民の権利」の一つであることは明らかである。今国会に提出されている介護保険法等の一部を改正する法律案及び障害者自立支援法案において、こうした高齢者及び障害者の「自己決定権」への支援がどのように図られているか質疑する前提として、現行の契約制度について整理するため、政府に対し以下質問する。

一 意思無能力者は追認をすることができるか。いわゆる「黙示の追認」についてはどうか。
二 意思無能力者に係る権利関係について、第三者が無権代理行為を行った場合、意思無能力者がこれを追認することはできるか。いわゆる「黙示の追認」についてはどうか。
三 意思無能力の知的障害者甲の親族乙が、甲を代理する権限がないにもかかわらず、甲に代わって甲の名義で知的障害者更生施設丙と施設サービス契約を締結した場合に、この甲丙間の契約は民法上有効か。
四 前問の甲丙間の契約について、当該契約時より現在まで継続して甲が意思無能力の状態であった場合に、甲が当該施設サービスを利用し続けることにより、いわゆる「黙示の追認」をすることができるか。
五 問三の甲丙間の契約は、甲と丙との間の契約としては、成年後見制度等により甲の代理人を選任し、当該代理人が甲丙間の契約を追認した場合にのみ民法上有効となると考えるが、見解如何。
六 サービス提供者とサービス受給者との間の契約を前提とする介護保険制度及び障害者支援費制度において、この契約が存在しないにもかかわらず提供されたサービスに対しては、保険給付や公費支出を行う法的根拠はないと考えるが、見解如何。

 右質問する。



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