質問本文情報
平成十七年十月十七日提出質問第二〇号
福岡県北九州市小倉南区曽根の陸上自衛隊の都市型戦闘訓練施設における訓練内容等に関する質問主意書
提出者 赤嶺政賢
福岡県北九州市小倉南区曽根の陸上自衛隊の都市型戦闘訓練施設における訓練内容等に関する質問主意書
福岡県北九州市小倉南区曽根の陸上自衛隊の都市型戦闘訓練施設(以下「都市型戦闘訓練施設」という。)について、政府は、テロ、ゲリラ、特殊部隊に対処するための訓練を行っているというが、訓練の目的や内容について納得のいく説明がなされていない。
政府は、県民、市民の疑念に対して、都市型訓練施設における訓練の実態について明らかにするとともに、説明責任を果たすべきであると考える。
また、自衛隊基地の存在によって、住民の日常生活に著しい影響をあたえている同県遠賀郡芦屋町の航空自衛隊芦屋基地のT−4練習機の飛行訓練による騒音問題、さらには、北九州市小倉北区片野新町の陸上自衛隊城野分屯地の早期返還と跡地利用問題は、関係住民はもとより地方自治体にとって重要な関心事となっている。
従って、以下の事項について質問したい。
1 都市型訓練施設とは何か、また施設の規模、棟数、面積など施設の概要を明らかにされたい。
2 この施設では、市街地におけるテロ、ゲリラ、特殊部隊に対処する訓練を行っているというが、それはどのような訓練なのか、その内容を具体的に説明されたい。
3 国会においても武力攻撃事態、周辺事態がどのような事態なのか認定をめぐって議論され、政府は、委員会の要求に対して、周辺事態の類例を示している。
この施設での訓練はどのような事態を想定しているのか、また訓練の目的について明確にされたい。
4 この施設で訓練を行っている部隊は、師団隷下の西部方面普通科部隊だと考えるが、改めて部隊名、規模、訓練期間、回数など訓練の実施要領を明らかにされたい。
5 全国の陸上自衛隊の駐屯地及び演習場には、都市型戦闘訓練施設あるいは市街地戦闘を目的とした訓練施設をすでに建設しており、普通科部隊による訓練が実施されていると聞いている。
陸上自衛隊の北部、東北、東部、中部、西部の各方面において所在する市街地戦闘訓練施設等の駐屯地及び演習場名及び訓練を実施している部隊名を明らかにされたい。
これらの訓練施設では、テロ、ゲリラ、特殊部隊に対処する市街地戦闘訓練を行っているのか、その訓練の内容を明らかにされたい。
6 陸上自衛隊は、米陸軍あるいは米海兵隊との日米共同訓練において、市街地戦闘訓練を主目的とした訓練を行っているのか、行っているとすればその訓練の内容を伺いたい。
7 陸上自衛隊は、米本国のハワイ等の演習場に部隊を派遣して、市街地戦闘訓練を行ったことがあると聞いているが、その訓練の内容について伺いたい。
二 航空自衛隊芦屋基地について
1 防衛施設庁は、T−4練習機の配備等に伴い、芦屋飛行場の周辺地域の航空機騒音の状況を把握するための調査を二〇〇一年度及び二〇〇三年度に行い、住宅の防音工事の対象となる第一種地域、すなわち「うるささ指数(WECPNL)」が基準値の七五を超えた地域の指定をしているものと考えるが、その指定地域の市、町名及び市、町名毎の世帯数を明らかにされたい。
2 この調査によって、新たに指定され防音工事の対象となった世帯はどのくらいあるのか、市、町毎にその世帯数を明らかにされたい。
3 防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第三条二項の規定に基づく助成措置の対象となる学校、病院等の施設、同法第八条の規定に基づく防音工事の対象となる民生安定施設が、国の助成措置を受けようとする場合には、どのような要件を満たさなければならないのか具体的に説明されたい。
なお、要件を満たせば、必ず国の助成措置を受けることができるのか、その場合の助成措置の割合はいくらか改めて伺いたい。
また、当該施設及び地方公共団体が、国の助成措置を受ける場合の手続を明確にしていただきたい。
この際、併せて、これらの施設の防音工事の助成措置に対する国の考え方と方針を示されたい。
4 北九州市立高須小学校、同市立赤坂小学校及び同市立医生丘小学校の防音工事の進捗状況と国の助成措置はどのように講じられたのか。
芦屋周辺地域において、今後、学校、病院等及び民生安定施設について、防音工事の助成措置の対象として計画されている施設があれば明らかにされたい。
また、地方公共団体等から防音工事の助成措置を受けたいとする申請があがって、騒音基準測定あるいは書類審査の検討を行っている施設はあるのか。
5 学校、病院等及び民生安定施設の冷暖房に係る電気料については、国は助成措置を講じていると聞いているが、要件等その内容について伺いたい。
6 芦屋飛行場の滑走路を二〇〇〇メートルに延長する計画が進められているが、現在の工事等の進捗状況及び目標完成時はいつを目途としているのか伺いたい。
現行の滑走路を延長する理由として、T−4練習機の訓練の着陸距離を考えて、雨天の場合の安全性の確保にあるとしているが、実際のT−4練習機の着陸距離は何メートルか。
7 芦屋飛行場の滑走路を二〇〇〇メートルとした場合には、航空自衛隊が保有する航空機の中で、特に長い着陸距離を要する重量のある大型輸送機の利用も可能になるのではないのか。日常的な運用は別にして、こうした輸送機等もケースや事態によっては使用することがあり得るということか。
三 陸上自衛隊城野分屯地の返還について
1 陸上自衛隊城野分屯地(以下「分屯地」という。)は、約一四ヘクタールの敷地を有し、交通の利便性の高い市街地にあり、街の発展にとって大きな障害となっていることから、市民はかねてから返還を強く求めてきたのである。政府は、ようやく分屯地の返還に着手し、二〇〇八年度以降できるだけ早期に返還するということを聞いているが、いつまでに返還するのか、その返還計画を明らかにされたい。
2 分屯地が返還された跡地は、自衛隊が別な目的の施設として使用することはないと考えるがどうか。
3 分屯地の施設、機能は、他の陸上自衛隊のどの分屯地に移転・集約するのか明らかにされたい。なお、分屯地の返還及び移転・集約計画については、地方公共団体には説明したものと考えるが、その関係地方公共団体名と説明した内容を明らかにされたい。
4 返還された分屯地は、国有地であり所定の手続きを行い、財務省に所管替えされるものと考えるが、政府としての返還跡地の利用についての考え、あるいは計画案について伺いたい。
また、返還を前提として、地方自治体をはじめ民間から売却、利用計画案等についてのなんらかの打診、相談はあるのか、あれば伺いたい。
右質問する。