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平成十七年十月二十五日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質一六三第二〇号
  平成十七年十月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員赤嶺政賢君提出福岡県北九州市小倉南区曽根の陸上自衛隊の都市型戦闘訓練施設における訓練内容等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤嶺政賢君提出福岡県北九州市小倉南区曽根の陸上自衛隊の都市型戦闘訓練施設における訓練内容等に関する質問に対する答弁書



一の1から3までについて

 お尋ねの「都市型訓練施設」とは、平成十四年一月に北九州市小倉南区に所在する陸上自衛隊曽根訓練場に整備した施設(以下「訓練施設」という。)を指すものと考えられるが、訓練施設は、鉄骨造二階建て二棟及び鉄骨造一階建て一棟で構成され、その合計延べ床面積は、約千平方メートルであり、訓練施設においては、四方から建物に侵入しようとする敵を当該建物の内外から警戒し及び監視する訓練、建物を占拠した敵から当該建物を奪回する訓練、近接戦闘用交戦訓練装置を使用した模擬射撃等を実施しているところである。
 これらの訓練は、建物を利用した小部隊の隊員の基本的な動作を演練することを目的として実施しているものであり、特定の事態を想定して実施しているものではない。

一の4について

 訓練施設においては、一年間に約二十回、西部方面隊等に所属する師団等の普通科連隊等から派遣された四十名から百名程度の隊員が二日から十二日間程度の訓練を実施している。

一の5について

 市街地戦闘に関する訓練を実施している施設については、東部方面区においては東富士演習場に所在し、東部方面隊等に所属する師団等の普通科連隊等が訓練を実施しており、中部方面区においては饗庭野演習場に所在し、中部方面隊に所属する師団等の普通科連隊が訓練を実施しているところである。
 これらの訓練は、武装工作員等による不法行為及びゲリラや特殊部隊による攻撃への対処にも資するものと考えている。

一の6及び7について

 陸上自衛隊は、市街地戦闘に関する能力の向上を図ることを目的として、平成十四年度及び平成十五年度にアメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)ハワイ州において合衆国陸軍と、平成十六年度に合衆国グアム準州において合衆国海兵隊と、平成十七年度に合衆国ワシントン州において合衆国陸軍と、それぞれ市街地戦闘における警戒、監視、射撃等の訓練を実施しているところである。

二の1及び2について

 これまでに防衛施設庁長官が芦屋飛行場に関して防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号。以下「環境整備法」という。)第四条の規定に基づき指定し告示してきた第一種区域に当該指定の際現に所在し、防音工事に関する助成の措置の対象となった住宅に係る世帯数は、北九州市については約五百三十世帯、福岡県遠賀郡芦屋町については約八百十世帯、同郡水巻町については約四千五十世帯、同郡遠賀町については約百九十世帯である。
 このうち、平成十六年十二月二十七日防衛施設庁告示第十三号において告示された北九州市の一部についての世帯数は、約八十世帯である。

二の3について

 環境整備法第三条第二項の規定に基づく防音工事に関する助成の措置(以下「第三条第二項の措置」という。)は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律施行令(昭和四十九年政令第二百二十八号。以下「環境整備法施行令」という。)第五条の規定に基づき、音響の強度及び頻度が一定の限度を超える場合に、予算の範囲内において採るものとされている。
 また、環境整備法第八条の規定に基づく防音工事に関する助成の措置(以下「第八条の措置」という。)は、航空機騒音等による障害の緩和に資するために地方公共団体が採る措置について、予算の範囲内において採ることができるものとされている。
 第三条第二項の措置に係る補助の割合については環境整備法施行令第六条に規定されており、また、第八条の措置に係る補助の割合又は額については環境整備法施行令第十二条に規定されている。
 第三条第二項の措置及び第八条の措置を受ける場合の手続については、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和三十年政令第二百五十五号)、防衛施設庁補助金等交付規則(昭和三十八年防衛施設庁告示第三号)等において定められている。
 防衛施設庁においては、地方公共団体等から第三条第二項の措置又は第八条の措置を受けたいとの要望があれば、環境整備法に基づき適切に対処していく考えである。

二の4について

 現在、北九州市立高須小学校については第三条第二項の措置を採って防音工事の実施設計が行われており、同市立赤坂小学校については第三条第二項の措置を採って防音工事が行われている。同市立医生丘小学校については、現在、同市からの要望を受け、第三条第二項の措置を採ることについて検討しているところである。
 防音工事を計画している芦屋飛行場周辺の学校、病院等の施設及び民生安定施設のうち、平成十八年度予算の概算要求において第三条第二項の措置及び第八条の措置に要する経費を計上しているものは、学校、病院等の施設については学校法人折尾愛真学園折尾愛真中学校、同学園折尾愛真高等学校及び学校法人芦屋学園芦屋中央幼稚園であり、民生安定施設については若松地区学習等供用施設である。また、右四施設以外についても、地方公共団体等から同年度に第三条第二項の措置又は第八条の措置を受けたいとの要望があり、防衛施設庁において、騒音測定を行い、又は補助事業等計画書の提出を受けた同飛行場周辺の施設がある。

二の5について

 防衛施設庁においては、第三条第二項の措置等を受け防音工事を行った小学校(盲学校、聾学校及び養護学校の小学部を含む。)、中学校(盲学校、聾学校及び養護学校の中学部を含む。)、高等学校(盲学校、聾学校及び養護学校の高等部を含む。)、中等教育学校、幼稚園(盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部を含む。)、保育所及びへき地保育所を対象として、右施設に設置されている空調設備の稼働等をさせるため電気料金等を支払う地方公共団体等に対し、予算の範囲内において補助しているところである。

二の6について

 芦屋飛行場における滑走路の延長については、その検討をするために必要な調査をしている段階であり、具体的に決定されたものではない。
 T―4練習機の着陸距離は、着陸する時の条件によって異なるが、晴天、無風時に、例えば約千百メートルである。

二の7について

 一般に、自衛隊の航空機について、芦屋飛行場を使用することが可能であれば、必要に応じて、これを使用することはあり得ると考えている。

三の1から3までについて

 陸上自衛隊小倉駐屯地城野分屯地(以下「城野分屯地」という。)の機能については、平成二十年度までに、打殻薬莢類保管庫を小倉駐屯地富野分屯地に、自衛隊福岡地方連絡部北九州出張所を小倉駐屯地に、西部方面援護教育センターを健軍駐屯地に、補給用倉庫を目達原駐屯地にそれぞれ移転する予定である。
 城野分屯地が置かれている国有地(以下「本件国有地」という。)については、城野分屯地の機能が移転した後は、自衛隊が別の目的の施設のために使用する予定はない。
 これまでに、城野分屯地の所在する福岡県及び北九州市並びに移転先である佐賀県、同県神埼郡三田川町、熊本県及び熊本市に対し、移転事業の概要、事業期間、移転時期等について説明している。

三の4について

 本件国有地については、城野分屯地の機能が移転した後、内閣府から財務省に所管換される予定であり、地方公共団体等からの公用又は公共用としての利用要望の有無、その内容等を踏まえ、売却等を行うこととなる。本件国有地については、その利用構想について北九州市と意見交換を行っている。また、民間からは売却時期等についての問い合わせが寄せられている。



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