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平成十八年二月二十三日提出
質問第九八号

外務省による対中国情報収集活動に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




外務省による対中国情報収集活動に関する質問主意書


一 平成十八年二月二十一日、産経新聞は、「中国で国家機密を入手したとして、日本人男性が一九九六年に逮捕され、二〇〇三年まで約七年間、北京の刑務所で服役したことがわかった。」との報道を行ったが、右は事実か。本件報道に関して、外務省が対外応答要領を作成したという事実はあるか。対外応答要領の主管課はどこか。
二 一九九六年に逮捕され、二〇〇三年まで中華人民共和国の刑務所に収監されていた日本人が原博文氏であるとの事実を外務省は把握しているか。
三 外務省は原博文氏に対する中国の裁判所の判決に関する情報を有しているか。外務省は判決文の写しをもっているか。
四 原博文氏から外務省に提供された資料や情報は文書にされ、外務省に保管されているか。
五 産経新聞は平成十八年二月二十一日、二十二日、二十三日に原博文氏の証言を掲載し、その中で原博文氏は、外務省国際情報局の担当官から以下の働きかけを受けたと証言しているが、これらの事実関係につき、項目ごとに答弁されたい。
 (1) 「外務省国際情報局(当時)のキャリア官僚のI氏が、私の事務所に電話をしてきたのは九四年ごろ、『日中経済新聞』が隔週発行から毎週発行となった後だった。」(二十一日)との証言に関し、そのような事実があったか。ここでいうI氏とは、当時、外務省国際情報局分析第二課の総務班長をつとめていた石塚英樹課長補佐と承知するが、それで間違いないか。
 (2) 「I氏から『中国の内部資料を見たい』と、しきりに要求されるようになった。」(二十一日)との証言に関し、外務省職員が原博文氏に対してこのような要求をしたという事実があるか。
 (3) 「最初にコピーを渡したときI氏から現金十万円をもらった。九五年の夏以後は毎月、定期的に十万円をもらうようになり、彼がいい情報だと思うと、二十万円をもらうこともあった。そのたびに私はメモ用紙に金額を書き、署名して領収書として渡していた。」(二十一日)との証言に関し、そのような事実があったか。外務省職員が原博文氏に渡した金員は公金より支出されたものか。公金からの支出とすれば、それは報償費(機密費)から支出されたものか。
 (4) 「協力者の政府幹部から、『子供を日本に留学させたい』『日本に視察に行きたい』などの要望もあった。I氏に言えば、ビザ取得などで協力してくれた。」(二十一日)との証言に関し、原博文氏の要請に応え、外務省職員が中国人に対する日本の査証発給に対して便宜を図ったという事実があるか。
 (5) 外務省職員が「原さんの情報は総理も重視している」(二十二日)旨の発言をしたとの証言に関し、外務省職員が原博文氏に対して同趣旨の発言をした事実があるか。原博文氏から得た情報を外務省が内閣総理大臣官邸に報告していたという事実があるか。
 (6) 「担当者以外にも、当時の国際情報局長や分析課長とも会ったことがある。」(二十二日)との証言に関し、そのような事実があるか。二十二日付産経新聞には国際情報局長との肩書きが記され、氏名をぼかした名刺の写真が掲載されているが、当時の国際情報局長は中国語を研修した高島有終氏か。国際情報局長と原博文氏が面会した際に、「局長は笑みを浮かべながら、私の目を見つめ『今後ともよろしくお願いします』と、丁寧に名刺を渡してくれた。」(二十二日)との証言に関し、国際情報局長が原博文氏に対して「今後ともよろしくお願いします」との趣旨の発言をした事実はあるか。
 (7) 「取り調べで私は『自分の勉強のために情報収集した』と主張し、外務省のことは一切、触れなかった。外務省国際情報局のI氏からは常々、「万一、逮捕されても、外交ルートであなたを救出するから心配しなくてもよい。ただ、外務省との関係を絶対に話してはいけない。『日本政府が中国にスパイを送り込んだ』となれば、問題はややこしくなる」と言われていたからだ。」(二十三日)との証言に関し、外務省職員が原博文氏に対し、「万一、逮捕されても、外交ルートであなたを救出するから心配しなくてもよい。ただ、外務省との関係を絶対に話してはいけない。『日本政府が中国にスパイを送り込んだ』となれば、問題はややこしくなる」との趣旨の発言をしたという事実があるか。原博文氏が逮捕された後、外務省は同氏を救出するために具体的に何らかの働きかけをしたか。
 (8) 「私はニュースで日本の田中眞紀子外相の訪中を知った。『中国の国家秘密探知罪で北京の刑務所に服役している。何とか助けてほしい』などという内容の嘆願書を書いた。刑務所での検閲後、面会に来た日本の北京大使館員に託し、『ぜひ外相に渡していただきたい』と、頭を下げて何度も頼んだ。しかし、出所後、大使館から返された私の荷物の中に嘆願書はそのまま入っており、届けられなかったことを知った。」(二十三日)との証言に関し、そのような事実があるか。原博文氏の外務大臣宛嘆願書を在中国大使館はどのように取り扱ったか。
 (9) 「携帯に電話がかかってきた。I氏からだった。『帰ってきたんですってね。私は今、外国にいるので会えないが、体に気をつけて』。どこにいるかも、連絡先も言わず、電話は一分ほどで切れた。これが外務省関係者との最後の会話だった。」(二十三日)との証言に関して、原博文氏が二〇〇三年一月に中国での刑期を終えて帰国した後に、原博文氏からかつて情報提供をされていた外務省職員が同氏と面会したり、電話で話をしたという事実があるか。

 右質問する。



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