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平成十八年三月七日提出
質問第一二八号

米軍再編に係わる我が国の対応に関する質問主意書

提出者  平岡秀夫




米軍再編に係わる我が国の対応に関する質問主意書


 近年行われている米軍のいわゆる世界規模における再編に関連し、我が国のとる様々な対応は、我が国の安全保障環境及び基地周辺自治体と住民に著しい影響を及ぼすものと思われる。しかしながら、米国との交渉経緯等が明らかにされておらず、また関連地元自治体への説明も十分でない現状が見受けられる。
 従って、次の事項について質問する。

1 米軍再編の位置づけ
 (1) 米軍変革における再編の基本的考え方
  @ 「在日米軍」の役割について、米国はどのように認識していると政府は考えているか。「たまたま日本に駐留しているだけの軍隊」と認識されているのではないか。
  A 米国は、在日米軍にとって沖縄の基地の重要性及び沖縄の基地負担をどのように認識していると政府は考えているか。
  B 我が国政府は、自衛隊がどのような組織であるとの認識に立って、米軍再編の協議に応じてきたのか。
  C 米軍再編に伴って、自衛隊の役割と任務は、どのように変化しようとしているのか。
 (2) 憲法第九条との関係
  @ キャンプ座間に陸軍第一軍団司令部が移転してくるのに併せて、陸上自衛隊中央即応集団司令部を設置することが計画されているが、これは集団的自衛権の行使の伏線となっているのではないか。
  A 横田基地に第五空軍司令部が残り、航空自衛隊・航空総隊司令部が横田基地に移設されることが計画されているが、これは集団的自衛権の行使の伏線となっているのではないか。
 (3) 日米安保条約との関係
  @ 日本政府は、米陸軍第一軍団司令部の座間移転を何故受け入れたのか。極東条項(日米安保条約第六条)に抵触するのではないか。
  A 日中国交回復後、日中間では、「中国は一つである」と認識され、両国間では台湾は中国の一部であると認識されている。その台湾と日米安保条約上の「極東」地域との関係はどのように整理されているのか。今回の米軍再編では、台湾をどのように位置づけているのか。
  B 中国本土と台湾との関係は国内問題であるので、中国本土と台湾との問題に米国が武力介入する場合、米軍に対して我が国が基地を提供することは、日米安保条約に照らして許されないのではないか。
2 我が国の安保政策との関係(第五空軍司令部の残留)
 第五空軍司令部が米国側の「グアム移転」の意向に反して横田基地に止まったのは、次のような事情があるといわれるが、それぞれ事実か。もし事実とすれば、シビリアンコントロールに反するのではないか。
 ・ 二〇〇四年五月の東京会合の直前、航空幕僚幹部が防衛部の精鋭をワシントンに送り込み、ローレンス国防副次官補と直談判に及び、航空総隊司令部(府中市)を横田基地に移設する案を打診した。
 ・ 一九九四年に、当時のマイヤーズ在日米軍司令官と石塚勲航空幕僚長が航空総隊司令部の横田基地移転の可能性を調査した共同研究文書に署名した。
3 米軍再編の費用負担の原則
 (1) 米軍再編に伴う費用負担は、どの程度見込まれているのか。
 (2) 米軍再編に伴う日本と米国の費用負担は、どのような考え方に基づいて、どのように行われることになるのか。
 (3) グアムにおける訓練施設の拡張は、どこの国の費用負担で行われることになるのか。日本側が負担するという話もあるが、その場合の法的根拠は何か、また、完成した施設の所有権はどこにあるのか。修理費、運営負担費はどこが負担するのか。
4 地元負担の軽減
 (1) 地元負担の評価と軽減策
  @ 米軍再編の基本方針の一つとして、「地元負担の軽減」が言われているが、地元負担としてはどのようなものがあり、その程度はどのように評価されるものと考えているのか。
  A 地元負担の軽減策としてはどのようなものがあると考えているのか。
 (2) 地域間格差への対応
  @ 日米両政府は、「米軍再編は、全体として地元に与える負担を軽減するもの」と評価しているが、地域別の負担はどのように評価しているのか。
  A 地元負担が増加していると評価される地域には、どのような対応を考えているのか。
5 取り纏めまでの手順
 (1) 地元への事前説明の経緯と今後の方針
  @ 二〇〇四年七月のサンフランシスコで行われた審議官級会合で、詳細な再編スケジュールが示されていたのではないか。
  A 二〇〇四年十月一日に都内で行われた講演において、小泉首相は、「政府は、自治体に事前に相談し、自治体がOKした場合には米国と交渉する」と表明したとの報道があるが、事実か。
  B 小泉首相の表明にもかかわらず、昨年十月末の「中間取り纏め」直前まで、地元説明が行われなかったのは何故か。
  C 三月中とも言われる「最終取り纏め」に向けて、地元との協議をどのように進めていくつもりか。
  D 地元との協議が整わない場合には、米軍再編の「中間取り纏め」を見直すことになるのか。
 (2) 住民投票の評価
  @ 岩国市では、三月十二日に、厚木基地からの空母艦載機移駐受け入れについての住民投票を行うことにしているが、住民投票が実施されるに至ったことについてどのように受け止めているか。
  A 米国のラムズフェルド国防長官は二〇〇四年九月二十三日、米議会上院軍事委員会で「部隊は、要求され、歓迎され、必要とされるところに配置すべきである」と証言しているが、岩国市の住民投票の結果、厚木基地からの空母艦載機移駐受け入れについて反対が多い場合、国としてはどのように対処することになるのか。
6 岩国基地関係
 (1) 岩国市では、自衛隊機の岩国飛行場から厚木基地への移駐について反対の声があるが、見直しは可能なのか。
 (2) 中間取り纏めでは、「日本政府は、米海軍航空兵力の空母艦載機離発着訓練のために受け入れ可能な恒常的な訓練施設を提供するとのコミットメントを再確認する。」としているが、どのように見当をつけてこのような発表をしたのか。岩国飛行場を考えているのか。
 (3) 中間取り纏めでは、「民間航空の活動を支援するために必要な追加的施設、インフラ及び訓練区域の整備」を提言しているが、整備のための費用負担はどのように考えているのか。国が負担することを考えているのか。

 右質問する。



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