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平成十八年三月二十日提出
質問第一六二号

北朝鮮による麻薬取引・紙幣偽造等の国家犯罪に関する質問主意書

提出者  江田憲司




北朝鮮による麻薬取引・紙幣偽造等の国家犯罪に関する質問主意書


 米国務省は二〇〇六年三月一日、「国際薬物規制戦略レポート」(以下「レポート」という。)を発表し、北朝鮮の政府機関や政府当局者が、麻薬や偽造紙幣の流通によって得た資金を、海外の金融機関を使って、マネーロンダリング(資金洗浄)した「確かな証拠がいくつもある」と指摘した。よって、以下質問する。

一 日本政府は、レポートが指摘した麻薬取引・紙幣偽造等を、米国務省と同じように、北朝鮮政府による「国家犯罪」ととらえているか。それとも、北朝鮮政府が主張するように、「個人的な犯罪」ととらえているか。
 ちなみに、前NSC(国家安全保障会議)アジア上級部長マイケル・グリーン氏も「経済発展に失敗した北朝鮮は、麻薬や偽のドル紙幣などの密輸を国家の重要な財源にしている」と指摘している。また、元北朝鮮最高幹部・黄長Y氏も「紙幣を偽造するとか麻薬を製造するとか、それを金正日の許可なしに絶対にすることはできない」と指摘している。
二 レポートでは「日本での過去の麻薬押収事件のうち、三〇%から四〇%は北朝鮮に関連している」と指摘したが、それは事実か。日本で発生した事案については、当然、日本政府当局者からの情報提供が根拠になっていると推察されるが、その「三〇%から四〇%」という積算根拠と、北朝鮮が関与した事件の概要をすべて明らかにされたい。
三 米議会調査局の「麻薬密輸と北朝鮮」によれば、一九七〇年以来、北朝鮮関係者がヘロインなど麻薬、覚醒剤の密輸によって逮捕されたケースは二十カ国で三十二件にのぼり、そのうち、外交官や情報機関員と思われる人物が関与していたケースは、少なくとも十一件あると指摘している。このような事実を日本政府としても把握しているか。
四 またレポートでは、北朝鮮が「スーパーノート」と呼ばれる精巧な偽ドル札の製造に関与していると指摘しているが、日本政府は、北朝鮮による紙幣偽造の実態について、どの程度把握しているか。その事実関係を明らかにされたい。
五 こうした麻薬取引、紙幣偽造等の不正行為で得られた資金は、金正日総書記へ献上される金品や大量破壊兵器の部品調達、在外公館の運営費用にも充てられているというが、日本政府として、そうした事実を把握しているか。
六 こうした国家犯罪行為に対しては、米国政府のように「徹底的に調査し、司法の下で、すべての法律を駆使し刑事訴追する」といった取り締まりを今後強化していくべきではないか。レポートでも他国に同様の措置を強く求めているが、日本政府の方針如何。
七 拉致問題をはじめ北朝鮮との諸懸案の解決のためには、国際世論を味方につけ、北朝鮮に対する国際的包囲網を形成していくことが有効と考える。その意味で、以上述べた北朝鮮の政府機関や当局者による国家犯罪を詳細に把握し、それを国際社会に積極的に発信していく必要があると考えるが、日本政府の対応如何。
八 また日本政府として、米国政府のように、このような麻薬取引・紙幣偽造等の国家犯罪行為を証拠として北朝鮮政府に提示し、違法行為の即時中止を求めるべきではないか。

 右質問する。



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