衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十八年六月十四日提出
質問第三四七号

宇宙の軍事利用に関する質問主意書

提出者  吉井英勝




宇宙の軍事利用に関する質問主意書


 報道によれば、自民党宇宙開発特別委員会は、六月二日までに宇宙の軍事利用も可能とする「宇宙基本法案」の骨子をまとめ、日本経団連の宇宙開発利用推進会議で提示したという。「わが国の宇宙開発と利用は平和目的に限る」とした、一九六九年五月九日の「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」の無力化がねらいといわれ、研究開発を中心としてきたわが国の宇宙政策は軍事利用に道をひらくものとなる。高解像度の偵察衛星開発や、弾道ミサイルの発射検知のための早期警戒衛星開発と導入も可能となり、大変危険な動きといわざるをえない。
 よって、次のとおり質問する。

(一) 政府として、国会決議の内容を変更して宇宙の軍事利用が必要と考える事態が生じているという認識なのか。
(二) 一九八五年二月六日の「国会決議の有権解釈は国会でなされるものであるが、政府としては、国会決議の『平和の目的』に限りとは、自衛隊が衛星を、殺傷力、破壊力として利用することを認めないということはいうまでもない」とした、国会決議の平和目的と自衛隊による衛星利用の政府見解に今も変わりはないか。
(三) 同じ政府見解では「その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星につきましては、自衛隊による利用が認められるものと考えられている」とされている。このいわゆる「一般化理論」では、自衛隊の活動がうまくできないと考えている根拠があるのか。
(四) 現在、情報収集衛星が撮像した情報は、衛星の軌道や能力等が明らかになってしまうということを理由に、情報の公開がなされていない。この情報を公開することは、機密漏洩になると考えているのか。
(五) 情報収集衛星の軌道や能力、撮像した情報等を公開または漏洩すると、その掌に当たった者は職務規定等により罰則があるのか。また、規定の内容はどのようなものか。
(六) 宇宙の研究・開発・利用というのは、宇宙の生成の解明など物理学をはじめとする多くの学問分野で大きな成果を収めてきた。それは成果を公開すること、原子力基本法と同様に自主・民主・公開という平和と民主主義の環境の中でこそ、基礎科学と科学技術の進歩が生まれ、わが国の戦後の科学技術の発展と民生機器分野でコストダウンと経済発展を実現できたものである。
 宇宙の軍事利用を目的として、学問や科学技術の中に秘密主義を持ち込み、軍事機密を口実に関係者に機密漏洩罪等の罰則を加えることになると、日本の科学技術や自然科学をはじめとする学問研究に重大な障害をまねくことになる。政府として「一般化理論」からも後退するような宇宙政策はとるべきでないと思うが、現在の政府の宇宙政策を明らかにされたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.