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平成十八年九月二十八日提出
質問第一四号

国際条約及び諸外国の法律における著作権及び著作隣接権の保護期間の規定等に関する質問主意書

提出者  川内博史




国際条約及び諸外国の法律における著作権及び著作隣接権の保護期間の規定等に関する質問主意書


 平成十七年一月二十四日に文化庁が公表した「著作権法に関する今後の検討課題」において議題となっている「(6)保護期間の見直し」に関する議論が今後、文化審議会著作権分科会を中心に進められるものと思料されるが、諸外国の現状について正確な事実の確認に努め、今後の議論に資することを目的に文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約パリ改正条約(昭和五十年三月六日条約第四号。以下「ベルヌ条約」という。)を始めとする国際条約や協定、諸外国の著作権法等における著作権及び著作隣接権の保護期間に関する規定について、以下質問する。

一 そもそも、我が国の著作権法において、著作権の保護期間は何のために存在するのか、また著作権の保護期間が有限とされる理由は何か。政府の詳細な答弁を求める。
二 ベルヌ条約及び知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(平成六年十二月二十八日条約第十五号。以下「TRIPs協定」という。)の規定について質問する。
 1) ベルヌ条約第七条において著作権の保護期間を五十年(個人の死後又は法人の公表後。以下、特に注記の無い場合を除き同じ。)と定めている算定根拠は何か。条約の制定及び改正時の事情を含めて説明を求めるとともに、この点についての政府の見解を求める。
 2) ベルヌ条約第七条六項は上限数値を定めていないが、その理由は何か。前項と同様、条約の制定及び改正時の事情を含めて説明を求めるとともに、この点についての政府の見解を求める。
 3) TRIPs協定第十二条にはベルヌ条約第七条六項と同様の規定は存在しないが、その理由は何か。前二項と同様、条約制定時の事情を含めて説明を求めるとともに、この点についての政府の見解を求める。
三の一 メキシコ、コートジボワール、コロンビア、グアテマラ、ホンジュラス及びサモア独立国の六か国における状況について質問する。
 1) メキシコでは著作権の保護期間を百年と定めているが、欧州連合(以下「EU」という。)よりさらに三十年、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)より個人の場合は死後さらに三十年、法人の場合は公表後さらに五年長い全世界で最長の保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合は、その内容の説明も含めて、政府の答弁を求める。
 2) コートジボワールでは著作権の保護期間を九十九年と定めているが、EUよりさらに二十九年、米国より個人の場合は死後さらに二十九年、法人の場合は公表後さらに四年長い極めて長期の保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。
 3) コロンビアでは著作権の保護期間を八十年と定めているが、EUよりさらに十年、米国より個人の場合は死後さらに十年長い極めて長期の保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。
 4) グアテマラでは著作権の保護期間を七十五年と定めているが、EUよりさらに五年、米国より個人の場合は死後さらに五年長い保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。
 5) ホンジュラスでは著作権の保護期間を七十五年と定めているが、EUよりさらに五年、米国より個人の場合は死後さらに五年長い保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。
 6) サモア独立国では著作権の保護期間を七十五年と定めているが、EUよりさらに五年、米国より個人の場合は死後さらに五年長い保護期間を採用している理由について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。
三の二 三の一で挙げた六か国の対EU、対米国及び対日本のコンテンツ分野における最近五年間の貿易収支において、当該国が輸出超過を達成した事例は存在するのか。答弁を求める。
四の一 フランス並びにグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(以下「英国」という。)の国内法における特例について質問する。
 1) フランス著作権法第百二十三条の十における愛国殉職者特例の立法趣旨について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合は、その内容も含めて、政府の答弁を求める。また、フランス以外に愛国殉職者特例を定める国は存在するのか答弁を求める。
 2) 英国で一九九八年に成立し、同国著作権・意匠及び特許法第三百一条に追加された「小児病院のための規定」の立法趣旨について、同国政府はどのように説明しているのか、その内容を政府は承知しているか。承知している場合は、その内容を含めて、政府の答弁を求める.
四の二 四の一で挙げた特例のベルヌ条約又はTRIPs協定上における位置付けについて、政府の見解を求める。また、いずれの特例もベルヌ条約及びTRIPs協定において許容される場合、二〇〇三年六月に米国下院へ提出されたが廃案となった法案番号HR2601 IH、通称「エルドレッド法案」のようにベルヌ条約及びTRIPs協定において義務付けられている五十年を無方式主義とし、以降の延長は所定の登録手続きを経た著作物に限るとする制度も同条約及び同協定に違反することなく、立法技術上は可能なのか。政府の見解を求める。
五 カナダでは同国著作権法第二十三条により著作権の保護期間をベルヌ条約第七条において義務付けられている最低限度の五十年間(我が国においては、連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律により最大で三千七百九十四日を加えた期間となる場合がある。)と定めているが、同国政府の提出した未公表の著作物について著作権の保護期間を延長する法案「2003 Bill C−36」が二〇〇四年四月に議会下院で否決されている。当該法案の同国政府による趣旨説明と、下院において法案が否決された理由について、政府は承知しているか。承知している場合は、その趣旨説明と否決の理由の内容も含めて、政府の答弁を求める。
六 欧州委員会(以下「EC」という。)は二〇〇四年七月にEU域内における著作隣接権の保護期間延長を断念しているが、その理由と政府の見解について質問する。
 1) ECが延長を断念した理由について、政府は承知しているか。承知している場合はその内容も含めて、政府の答弁を求める。
 2) ECが延長を断念した理由は著作隣接権のみならず著作権にも該当するものであるか否か、政府の見解を求める。政府がその理由は著作隣接権に特有であり、著作権には該当しないとの見解を採る場合は、その見解を採る理由についても答弁を求める。

 右質問する。



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