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平成十八年十一月一日提出質問第一三二号
ボリビア共和国のコロニア・オキナワにおける先住民の農地不法侵入事件に関する質問主意書
提出者 照屋寛徳
ボリビア共和国のコロニア・オキナワにおける先住民の農地不法侵入事件に関する質問主意書
コロニア・オキナワとは、一九四五年以降に、ボリビア共和国に移住した沖縄県出身者が中心となって、一九五六年に同共和国サンタクルス県に建設した開拓移住地のことである。一九九八年には、同共和国政府から行政区として認定され、模範的農村として「小麦の首都」の称号が与えられている。現在、コロニア・オキナワには、約二三〇所帯、約八七〇人の県系人をはじめ、日系人が住んでいるといわれている。このコロニア・オキナワで、沖縄県出身者の所有地に先住民が侵入して、耕作したりするなど、深刻な事態が発生しているようだ。コロニア・オキナワの県系人にとって、自ら開墾した土地への侵入は、回復しがたい損害を受けることになり、先住民による農地不法侵入事件は、重大かつ深刻な問題である。政府は、在外邦人の財産を守り、生命身体の安全を守るべき重大な責務を負っており、然るべき必要な外交上の措置を講ずるべきである。
以下、質問する。
二 政府は、在外邦人の財産を保護する立場から、現地最高裁判所の判決に照らし、ボリビア共和国政府に対して屋良朝英氏の所有権確認、不法占拠の排除などを強く求め、必要な外交上の処置を講ずるべきだと考えるが、これについての見解を明らかにされたい。
三 在ボリビア共和国日本大使館は、先住民による屋良朝英氏の農地不法侵入事件について、事実関係を正確かつ詳細に掌握しているのか。現地調査の実施の有無、並びにその時期を明らかにされたい。また、現地調査を実施していないのであれば、その理由等を明らかにされたい。
四 政府は、在外邦人の生命身体の安全を守る義務を負っている。屋良朝英氏は、先住民による農地不法侵入事件の係争中から今日まで、生命身体の安全への危機に脅え、不安の内に家族共々暮らしている。屋良朝英氏は、自らの費用でガードマンを雇うなど、身辺警護に莫大な私費を投じているようである。政府は、屋良朝英氏とその家族の身の安全を守るため、緊急に、必要かつ十分な具体的警護対策を講ずるべきだと考えるが、これに対する見解を明らかにされたい。
五 本年十一月十三日から、ボリビア共和国のチョケワンカ外務大臣が、来日される予定である。政府は、この機会にコロニア・オキナワの農地不法侵入事件について、同外相に対して善処策を講ずるよう求めるべきだと考えるが、その態度を明らかにされたい。
右質問する。