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平成十八年十一月二十七日提出
質問第一八一号

嘉手納爆音訴訟の損害賠償金の求償に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




嘉手納爆音訴訟の損害賠償金の求償に関する質問主意書


 いわゆる米軍再編が沖縄の基地負担の軽減ではなく、一層の基地機能の強化という形で、着々とその実施が進められている。パトリオット・ミサイル(PAC3)の嘉手納基地への配備並びにPAC2の追加配備にみられるように、沖縄県民や国民の安全を守るという口実で、実際には極東最大の空軍基地である嘉手納基地を守るために、パトリオット・ミサイルは配備されたのである。
 一方、米軍再編に伴う海兵隊のグアムへの移転費用として、政府は七千百億円を負担すると日米両政府間で合意済みである。日本政府が負担する米軍再編関連費用は、約三兆円に上ると言われている。主権国家、独立国家が、外国軍隊の国外移転に伴う費用を負担したケースは、国際社会の中で過去にないケースだと指摘されている。
 さて、沖縄では米軍嘉手納基地及び普天間基地からの爆音にさらされ、日常的に基地周辺住民は苦しめられ続けている。殺人的爆音≠ニ形容される受忍限度を超えた爆音と軍用機の墜落の恐怖からの解放を未だに県民は手中にしていない。嘉手納基地周辺住民は、現在、「第二次嘉手納爆音訴訟」を提起し、爆音を放置している政府の責任を厳しく追及している。そのような中にあっても爆音は止むことはなく、激化の一途をたどっている。爆音で苦しめられている現実は、普天間基地周辺住民も同じである。
 私は、平成十六年五月七日、「日米地位協定に基づく嘉手納爆音訴訟の損害賠償金の分担に関する質問主意書」を提出し、同年五月十四日、内閣より「答弁書」を受領した。「答弁書」で判明したことは、「嘉手納基地騒音差止等請求控訴事件」で原告らに国が損害賠償金として支払った金員について、日米地位協定に基づく合衆国政府への求償が実現していないことであった。あれから約二年半が経過した。合衆国政府から損害賠償金の支払いは得られたのだろうか。
 以下、質問する。

一 政府が「嘉手納基地騒音差止等請求控訴事件」の確定判決に基づいて支払った賠償金の総額は十三億七千三百二十五万四千円、遅延損害金として支払った金額は一億六千七百六十万四千四百五十七円と承知している。政府は、日米地位協定第十八条第五項に基づいて、合衆国政府に対し分担請求をした上で求償金の支払いを受けるべきであるが、合衆国政府に対し、いつ、いくらの金額を求償したのか明らかにした上で、政府の見解を示されたい。
二 政府が、前記の損害賠償金及び遅延損害金の分担請求を合衆国政府に求めていない場合はその理由を、合衆国政府が支払いを拒絶している場合はその理由を明らかにされたい。
三 私は、日米地位協定の抜本的、全面的改正を求めてきた。私の要求は、沖縄県民の総意であると理解している。ところが、政府は日米地位協定の抜本的、全面的改正ではなく、見直しという態度に終始している。嘉手納爆音訴訟で国が支払った損害賠償金を合衆国政府が分担支払いに応じないのは、日米双方で、日米地位協定第十八条第五項の解釈に根本的な相違があることが原因ではないのか。政府の見解を示されたい。
四 前記質問主意書に対する答弁書以来、約二年半が経過したことは先に指摘した通りである。その間、政府は損害賠償金分担支払を求めて、いつ、どのような機関で交渉を行ったのか明らかにし、国民への説明責任を果たすべきである。交渉機関、交渉担当者を明らかにした上で、今後の方針について政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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