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平成十九年三月八日提出
質問第一〇七号

駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案等に関する質問主意書

提出者  笹木竜三




駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案等に関する質問主意書


 在日米軍再編に関し、平成十八年五月の日米安全保障協議委員会において、「再編実施のための日米のロードマップ」(以下「ロードマップ」という。)が合意されたことを受け、政府は、「我が国の平和及び安全の維持に資する」として、今回、「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」を提出した。よって、本法律案等に関し、政府に対し以下の点について質問する。

一 第一条の「駐留軍等の再編を実現することが、我が国の平和及び安全の維持に資する」とは、具体的にどのようなことを指すのか。
二 第二条第三号の「防衛施設」とは、日米安全保障条約第六条並びに日米地位協定の第二条第一項の施設及び区域並びに自衛隊の施設を指すとされるが、具体的施設及び区域名を明らかにされたい。
三 第四条の「再編関連特定防衛施設」として防衛大臣が新たに指定できる施設とは、具体的にいかなる状況の施設を想定しているのか。
 また、現在想定されている具体的施設名を明示されたい。
四 第五条で、防衛大臣は再編関連特定周辺市町村を指定できるとされているが、以下の点について明らかにされたい。
 1 再編関連特定防衛施設の周辺地域をその区域とする市町村として「政令で定める範囲内のものに限る」とあるが、現状においてどのような基準で範囲を指定することを想定しているのか。
 2 当該市町村における再編関連特別事業とは、「公共用の施設の整備その他の住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業であって、政令で定めるもの」とされるが、具体的な事業について明らかにされたい。
五 「再編交付金」を政令の定めにより再編関連特定周辺市町村に交付するとあるが、それに関連して以下の点について明らかにされたい。
 1 他省庁所管の法律で、特定の政策を達成するために交付金を交付することとした事例を示されたい。
 2 平成十九年度予算案において、再編交付金約五十一億円が計上されているが、その算定根拠及び平成二十年度以降についての財源確保の見通しについても明らかにされたい。
六 附則第二条で、法律の効力について平成二十九年三月三十一日までとした理由を明らかにされたい。
七 防衛大臣は、都道府県の知事の申出により「再編関連振興特別地域」を指定できるとあるが、指定要件は再編関連特定周辺市町村の区域及びこれに隣接する市町村の区域からなる地域とされる。よって、例えば、戦闘機やヘリコプターの飛行騒音のような場合には、どのような基準で、どの程度の地域までが当該地域に該当すると想定しているのか。
八 今回の法律案で設置される駐留軍等再編関連振興会議及びその議長について、平成十九年二月十日付朝日新聞は、「内閣府は会議の議長を首相として内閣府に設置することを主張したが、最終的には防衛省に設置することに落ち着いた」と報道している。同会議を防衛省に設置し、その議長は防衛大臣をもって充てることとした理由を説明されたい。
九 今回の駐留軍等の再編による駐留軍等労働者の雇用への影響の見通し、及びそれに対する今後の具体的な対策(法律案における独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構を通じた技能教育訓練を除く)を明らかにされたい。
一〇 在沖縄米軍海兵隊のグアム移転に関する経費等に関し、以下の点について明らかにされたい。
 1 今回のグアム移転に関して、米軍が自国の領土に自国の軍を移転させることに対する経費を日本が負担することで合意されているが、これまで諸外国において、類似の事例があったかどうか。また、我が国が経費を負担できる法的根拠を明らかにされたい。
 2 移転費用は総額一〇二・七億ドル、うち日本側の負担は六〇・九億ドルとあるが、その積算根拠について明示されたい。
 3 日本側の負担額の内訳で、家族住宅に関し、出資一五・〇億ドル、融資等六・三億ドル、効率化四・二億ドルとあるが、これらの積算根拠及びそれぞれの具体的な内訳について明らかにされたい。
 4 在沖米海兵隊等約八千人、その家族約九千人が沖縄からグアムに移転する計画だが、我が国の安全保障政策に与える影響をどのように考えているのか。
 5 平成十九年二月十日付朝日新聞は、「防衛省の内部資料によると」として、移転経費総額一〇二・七億ドルや日本側負担の六〇・九億ドルは、米国東海岸を一とした場合、沖縄は一・四三、グアムは二・六四という建設コストの地域係数をもとに算出された額であるなどと報じているが、この報道の真偽について明らかにされたい。
 6 平成十九年二月十日付朝日新聞は、国際協力銀行や民間企業等が出資、融資等を行うこととされている三二・九億ドルについて、「返済期間は四十〜五十年」とも報道しているが、返済期間の見通しについて説明されたい。
一一 ロードマップでは、在日米空軍司令部のある横田飛行場には航空自衛隊航空総隊司令部が、在日米陸軍司令部のあるキャンプ座間には陸上自衛隊中央即応集団司令部が移転することで合意されていることに関し、以下の点について明らかにされたい。
 1 これらの移転の趣旨、目的及び効果について明らかにされたい。
 2 ロードマップに先立ち、平成十七年十月の日米安全保障協議委員会において合意された「日米同盟:未来のための変革と再編」において、自衛隊と米軍の相互運用性の向上が図られ、更にこれらの移転が実施されることにより、自衛隊が米軍と一体化し、米国の世界戦略の一環として、「極東」の範囲を超えた自衛隊の行動に結びつく恐れがないかどうか明らかにされたい。
一二 日米安全保障条約に関するいわゆる事前協議に関連し、今回の在日米軍の再編の個別の案件並びにSM3ミサイル及びPAC3ミサイルの配備は、事前協議の対象となるのか否か明らかにされたい。
一三 ロードマップで示された再編計画(一〇の項目を除き)に関し、個々の計画について我が国の安全保障上の必要性・目的について明らかにされたい。
一四 「日米同盟:未来のための変革と再編」においては、「双方は、良く連携がとれた協力のためには共通の情勢認識が鍵であることを認識しつつ、部隊戦術レベルから国家戦略レベルに至るまで情報共有及び情報協力をあらゆる範囲で向上させる」としているが、日米間の情報の共有化により、これまで以上に米国側の情報システムに組み込まれる恐れはないのか、我が国独自の判断ができる情報収集体制をどう担保するのか明らかにされたい。
一五 再編により米国側から全面返還・部分返還される施設及び区域について以下明らかにされたい。
 1 ロードマップにおいて、本年三月までに作成されることとなっている嘉手納飛行場以南の土地の返還計画に関する日米交渉の進捗状況について説明されたい。また、今回の在日米軍再編は、どのような点で沖縄県の基地負担軽減に資するものとなったと政府は認識しているのか明らかにされたい。
 2 ロードマップは、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告に関し、「SACOによる移設・返還計画については、再評価が必要となる可能性がある」としているが、ロードマップに示された沖縄県内における土地の返還等以外のSACO案件は具体的に何が残っているのか、また、SACOによる移設・返還計画の再評価の見通しについて明らかにされたい。
 3 いわゆる日米地位協定第四条では、返還された基地、施設等についての原状回復に関し、米国側に責任はないこととなっている。これまで返還されたケースでは土壌から有害物質が検出された事例もあり、民主党は地位協定を改定して環境保全条項を新設する必要があると主張しているが、今後返還される基地等の跡地の原状回復策について財源の確保を含め、具体的にいかなる措置を講ずるのか明らかにされたい。また、在日米軍再編が合意されたことを踏まえ、沖縄県を含め関係地方公共団体から要望の強い日米地位協定の改定について、政府は今後どのように取り組むつもりなのか明らかにされたい。

 右質問する。



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