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平成十九年三月九日提出
質問第一一二号

ウチナーンチュの法的地位などに関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




ウチナーンチュの法的地位などに関する質問主意書


 今年は、一九七二年五月十五日、沖縄が「日本復帰」してから、三十五年目の歴史的節目の年である。沖縄の近現代史は、常に日本の国策に翻弄され、ウチナーンチュ(沖縄人)は、主体的に自らの運命を選択する機会を与えられてこなかった。「復帰」から、三十五年を迎える沖縄の現実は、「復帰前」と本質的に変わりはなく、特に、膨大な米軍基地が県内各地に存在し続けていることから、軍隊が駐留するが故の事件・事故も頻発し続け、ウチナーンチュの人権は、日本国憲法の下にあっても、保障されていない。
 安倍総理は、「自分の自民党総裁任期中の六年以内に、憲法改正を目指したい」と述べ、改憲手続き法ともいうべき、憲法改正国民投票法案を「今年五月三日の憲法記念日までに成立を図りたい」との意欲を示している。一方で、政府は、法治国家として、沖縄問題を解決する諸施策立案・展開の中で、およそ、法治国家の名に値しない施策を執っている。ある識者は、沖縄問題に関する限り、政府の態度は、法治国家ではなく、「放置国家」、あるいは「法恥国家」だという。誠に当を得た、言い得て妙なる、直言だと思う。
 以下、質問する。

一 政府は、ウチナーンチュ(沖縄人)は、いつから法的に日本国民になったと考えているのか、その法的根拠、始期を示した上で、政府の見解を明らかにされたい。
二 悲惨な沖縄戦が終わり、一九七二年五月十五日の「復帰」の日まで、沖縄は、米国の軍事支配下に置かれていた。その間、高等弁務官がウチナーンチュの生殺与奪の権限を有し、日本とは異なる法体系の下で、基本的人権も、政治的自由も、自治をも与えられていなかった。米国の軍事支配下にあって、ウチナーンチュは、「琉球人」としての法的地位で扱われていた。政府は、ウチナーンチュが、法的に日本人と異なる「琉球人」として扱われるようになったその法的根拠、始期を示した上で、「琉球人」の法的地位に関する政府の見解を明らかにされたい。
三 安倍総理は、「自民党総裁としての自分の任期は三年で、二期までしか務められない。自分の任期中に憲法改正を目指したい」、また、「戦後六十年がたって、憲法に時代にそぐわない条文があるのも事実」と述べている。政府は、日本国憲法が沖縄に適用されて六十年が経過したとも考えているのか、日本国憲法の下に「復帰」を希求した沖縄の現状に照らし、その認識を示した上で、政府の見解を明らかにされたい。
四 安倍総理は、「戦後六十年がたった」などと述べているが、沖縄にとって、去った戦争は、いつ終結し、いつから「戦後」は始まったのか、又、沖縄と日本(他の都道府県)の「戦後」とは、同一の概念・定義なのか、その認識の根拠を示した上で、政府の見解を明らかにされたい。
五 悲惨な沖縄戦の終結から、一九七二年五月十五日の「復帰」の日まで、沖縄は「無憲法」下で、米国の軍事支配下にあった。「復帰」から今日までも、沖縄は「反憲法」的な日常を強いられている。今、大事なのは、憲法改正ではなく、憲法の理念を活かし、わが国が平和国家として歩むことである。私は、憲法改悪には反対であり、特に、憲法第九条を変えてはならないと考えるものである。政府は、日本国憲法前文で明定する平和的生存権は、いかなる法的効力を有する権利と考えているのか、また、ウチナーンチュに平和的生存権が保障されていると考えているのか、沖縄の現状に照らし、その認識を示した上で、政府の見解を明らかにされたい。
六 安倍総理の今通常国会施政方針演説における沖縄問題に取り組む姿勢は、昨年九月の臨時国会における所信表明演説の内容と、一言半句も違いがなかった。安倍総理には、沖縄の諸問題解決に向けて、事態を前進させようという熱意が全く感じられないと、多くの県民は落胆している。政府の沖縄の諸問題解決へ向けての方針と具体的施策を示した上で、政府の基本的態度を明らかにされたい。

 右質問する。



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