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答弁本文情報

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平成十九年三月二十日受領
答弁第一一二号

  内閣衆質一六六第一一二号
  平成十九年三月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員照屋寛徳君提出ウチナーンチュの法的地位などに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員照屋寛徳君提出ウチナーンチュの法的地位などに関する質問に対する答弁書



一について

 お尋ねの「ウチナーンチュ(沖縄人)」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、一般に、沖縄の方々については、遅くとも明治三十二年に制定された旧国籍法施行の時から日本国籍を有していたものと承知している。

二について

 お尋ねの「琉球人」が何を指すのか必ずしも明らかでないこともあり、政府として、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、例えば、昭和二十七年二月二十九日の琉球列島米国民政府布令第六十八号(琉球政府章典)においては「琉球住民」の定義及び「琉球住民」の琉球政府に対する権利義務等が定められていたと承知している。なお、同布令第三条にいう「琉球住民」は日本国籍を有していた。

三について

 昭和四十七年五月十五日の沖縄の復帰前においては、日本国憲法は、観念的には同地域に施行されていたが、現実には、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号)により米国が施政権を行使していたため、実効性をもって適用されることはなかったと考えている。
 したがって、沖縄については、米国から施政権が返還された昭和四十七年五月十五日以降、日本国憲法の規定が実効性をもって適用されることになったと考えている。

四について

 お尋ねの「戦後」という言葉は、様々な文脈で用いられるものであり、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。なお、沖縄を含む我が国と各連合国との間の戦争状態は、日本国との平和条約により、同条約が効力を生じた昭和二十七年四月二十八日に終了した。

五について

 日本国憲法は、その前文第二段において、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と述べているところであり、この権利は、当然に沖縄の方々も含めた日本国民も有すべき権利と考えられる。
 お尋ねのいわゆる平和的生存権の法的効力については、その権利の主体、内容、性質等の点でなお不明確であり、人権の基礎にあってそれを支える理念的な権利ということはできるが、裁判で争うことのできる具体的な法的権利性を認めることは難しいと一般に考えられている。

六について

 政府としては、沖縄の諸課題の解決に向けて、沖縄の振興や米軍再編に全力で取り組むこととしている。
 沖縄の振興については、沖縄の経済がなお全国に比べ厳しい状況にあるとの認識の下、良質な観光地及びリゾート地の形成、アジア最先端を目指した高度情報通信産業の集積の促進等、沖縄の持つ優位性をいかした各種産業の一層の振興等を行うことにより、沖縄振興計画を着実に推進し、活力ある自立型経済の構築と豊かな県民生活の実現を図ることとしている。
 また、米軍再編については、抑止力を維持しつつ、普天間飛行場の移設及び返還、約八千名の第三海兵機動展開部隊の要員のグアムへの移転並びに嘉手納飛行場以南の人口が密集している地域の相当規模の土地の返還等を行うことにより、在日米軍の施設及び区域が集中する沖縄県の負担軽減を着実に実施していくこととしている。



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