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平成十九年四月十二日提出
質問第一七五号

国境の島の防衛と振興策に関する質問主意書

提出者  西村真悟




国境の島の防衛と振興策に関する質問主意書


 周囲を海で囲まれた海洋国家である我が国には、海を隔てて他国と指呼の間に位置し、もしくは他国が領有権を主張する「国境の島」と呼ぶにふさわしい島々があり、その代表的なものとして、北海道沿岸から日本海を経て東シナ海に至る海域に国後島、択捉島、歯舞群島、色丹島、竹島、対馬、尖閣諸島および与那国島を南端とする先島諸島が存在し、我が国においてはこれらの島々とその領海を守ることが即ち国境を守り国土を守ることに他ならないのである。
 その内、当職が現実に訪問した島は、尖閣諸島の魚釣島と対馬および先島諸島であるが、かつて埼玉県在住の魚釣島等の土地所有者から中国人が魚釣島等の土地所有権を買い取るべく動いているとの情報に接した時には、仮に、中国人が魚釣島の土地所有権を取得し同島を占有すれば、国土防衛上忌々しきことになると憂慮したことがあるが、土地所有権譲渡は所有者の自由なのであるから、その忌々しき事態は何時でも現実のものとなりうるのである。
 さて対馬であるが、従来から対岸の韓国において対馬は韓国領であるとの見解が時々表明されることがあり、特に平成十七年三月十八日に、韓国の馬山市が六月十九日を「対馬の日」とする条例を制定してから韓国人観光客の対馬訪問が急増し、平成十八年間には対馬の人口の三万八千人を超える四万二千人の韓国人が対馬を訪れている。
 そこで当職が対馬に赴いて、対馬におけるこの韓国人観光客急増の実態を現地住民の案内で見聞したところ、まさに郷に入っても郷に従わざる訪問振りで、食料と漁具を韓国から持参して韓国人が取得したホテルまたは民宿に集団で投宿し、法令で外国人に禁止されている「まき餌釣」によって終日漁労に従事して対馬沿岸の漁場を荒廃さすさまは、よく育った対馬の海産物を釜山で高値で売るための観光を名目にした韓国漁民の対馬出稼ぎであり、さらに加えて周辺領海内においては韓国高速漁船による密漁が盛んに行われているので、まさに対馬の島民が長年育てた海の幸は韓国人に簒奪されているかのごとき印象をうけ、また「対馬歴史探訪団」と称する韓国人の団体は、韓国の釜山まで五十キロの上対馬町鰐浦韓国展望所の記念碑周辺の国定公園内に無断で韓国の木であるムクゲを植樹したと長崎新聞は報道している(平成十九年一月二十六日)。このような状況の中で、過疎化が進み低迷する対馬の経済を活性化させるという思惑から、美津島町では韓国人向けに別荘三十三棟を売りに出す「グリーンピアつしま」計画が進行中で、他にも韓国人向けの会員制ゴルフ場建設計画も噂されている。
 以上の状況の中で、対馬の島民特に漁民の韓国からの訪問者に対する嫌悪感とフラストレーションは増大しつつあり、何れ治安が乱れて韓国人観光客と島民との衝突が起こりかねず、この事態が発生すれば日韓関係の危機がもたらされると危惧され、さらに韓国人による対馬の土地取得が進行すれば、尖閣諸島魚釣島等の土地が我が国の領土を否定する中国人に取得されたときと同じ国防上の重大な障害の発生を憂慮せざるを得ないのであり、その対策は、緊急を要すると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 尖閣諸島魚釣島および対馬などのいわゆる国境の島における土地所有権に関しては、自由な所有権移転を認めず、国境の防衛という公益の観点から当該土地を速やかに国が収容することができるなどの特例を設けるとともに、その譲渡を規制することができる法制上の措置を講ずる必要があると思料されるが、政府は如何に考えられるか。
二 対馬などの多くの国民が暮らすいわゆる国境の島が、過疎化して各種の産業が疲弊するなかで隣国の多くの外国人が訪れて外国人への土地売却が進めば、国防上また治安維持上の忌々しき事態が生まれかねないので、国防上の観点からも、国境の島に対するさらなる振興策が必要と思料されるが、政府は如何に考えられるか。
三 対馬は、かつていわゆる李承晩ラインの最前線で漁場を圧迫され、今は密漁の被害が絶えず、それを完全に把握し検挙することが出来ていない情況であるが、このことは対馬への密入国および禁制品の搬入を阻止することが出来ていないということを示しており、対馬と周辺海域の治安維持と防衛体制は甚だ心許無い状態であるといわざるを得ないのであり、政府においては対馬における海上保安庁および陸海空各自衛隊の体制および装備を一新して、各組織が航空機および船舶を十分に保有した上で治安維持および国防の任務を尽くせるようにする責務があると思料するが、政府の見解と方針を回答されたい。
四 韓国の馬山市の「対馬の日」の条例制定の例の通り、韓国においては竹島と同じく対馬も韓国の領土とする言説が流布されているのであるが、政府はそれを承知していたのであるか。承知していたとして、政府として何か対策をとられたのか、回答されたい。また、今後、韓国における、対馬は韓国の領土とする言説に関して如何に対処する所存であるか回答されたい。

 右質問する。



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