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平成十九年六月十一日提出
質問第三七二号

「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する再質問主意書

提出者  平岡秀夫




「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する再質問主意書


 平成十九年五月七日提出質問第二一五号「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する質問主意書に対する内閣衆質一六六第二一五号平成十九年五月十五日付答弁書(以下、「答弁書」という。)に付き、以下の通り、再質問する。なお、答弁書は、質問に対して直接答弁する内容になっていない部分も多く、誠意を持って答弁されることを要請したい。

1 「岩国飛行場に係る航空機騒音予測コンターについて」(平成十九年二月、防衛施設庁)に関連して
 (1) 答弁書の1の(1)について
  二月に行った岩国市内における住民説明会では、「防衛施設庁としては、当該移駐等について地元住民に対し鋭意説明を行い、地元住民の理解に資することができたものと考えている」とあるが、どの会場でも多くの批判的な質問や意見が出たと承知している。国の説明で、「地元住民の理解に資することができた」と考える根拠は何か。少なくとも、私が出席した地元説明会では、「国として、方針を変える意志のないことを明示した、一方的な押しつけ説明会」であり、不信感を強めた人が多かったと考えるが、どうか。
 (2) 答弁書1の(2)について
  答弁書は「WECPNLとは何を意味するのか、市民にわかるように、わかりやすく解説すべきである」との質問に直接答えていない。WECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)が具体的に、どのように計算されるものであり、また、WECPNLを航空機騒音の評価基準とする根拠は何か示されたい。
 (3) 答弁書1の(3)について
  岩国における騒音度調査としては、「昭和四十九年度」、「平成元年度から二年度」の二回しかないということか、それ以外にもあれば示されたい。また、各々の騒音度調査時における航空機の機種及び、数は把握しているのか、把握しているのであれば、その機種及び数を示されたい。「その調査が岩国における実態を代表しているという保障は、何を根拠として、どこにあるのか」と質問したのは、例えば、調査時の飛行状況が、一年を通じた飛行状況のなかで、どのような時期に当たっているのか等、全体の状況をカバーし得るものとなっている根拠を求めたものである。
 (4) 答弁書1の(4)について
  「厚木の平成十五年度から十六年度にかけて実施した騒音度調査」の測定日及び、その時の空母の位置を明らかにされたい。平成十五年度から十六年度にかけては、イラク戦争やアフガン戦争の海上監視などが行われている時期と承知しており、空母艦載機が厚木にいた期間は通常より短いのではないか。同様に「普天間の平成十五年度から十七年度調査」の測定日及び、その時の、ヘリ部隊などの所在の有無など「岩国飛行場へ移駐する航空機の飛行割合等」が通常のものであることを示す根拠を明らかにされたい。
 (5) 答弁書1の(5)について
  答弁書は「厚木からの移駐が完了後、岩国では戦闘機が倍増するのに、標準飛行回数は、岩国の現状三百二十六回なのに対し、再編後は六十三回しか増えない理由は何かを説明していただきたい」の質問に直接答えていない。「戦闘機が倍増するのに、標準飛行回数は二十%しか増えない理由」を具体的に示されたい。
  また、そもそも現状における、それぞれの基地でのデータを使うところに問題があるのではないか。厚木や普天間の飛行回数は実態よりも少なく見積もり、岩国の飛行回数は、実態より多めに見積もっているのではないか。
  更に、岩国と厚木・普天間における運行時間の違いは、「重み付け時間帯」の飛行回数に違いを生じさせるのではないかという疑問がある。この点について、騒音の調査ではどのように取り扱われているのか説明されたい。
 (6) 答弁書1の(6)について
  @ 「時間帯別の飛行回数を記した資料を有していない」とはどういうことか。少なくとも一時間ごとの飛行回数などの調査資料こそ、最も基礎になるデータである。「時間帯別の飛行回数を記した資料を有していない」状態で、WECPNLの計算は可能なのか。
  A 岩国、厚木、普天間の三基地について、各々のWECPNLの計算に用いた全てのデータセットの原資料を公開することは可能か。
  B 「日別及び機種別の飛行回数を記した資料等」とは具体的に何か。この「資料等」はどのようにして入手したものか。これに関わる全てのデータを公開することは可能か。また、ここで「資料等」の「等」とは何をさすのか。
  C 住民説明会資料の十四ページにある予測方法のフローチャートに示されている、「飛行回数−一年間の飛行実績(常時測定結果等)−一日の標準飛行回数」にそって、実際の測定値をあげながら、具体的な計算の過程を説明していただきたい。
 (7) 答弁書1の(7)及び(8)について
  周知のように、岩国だけが、夜二十二時から二十三時の飛行が容認されており、まさにその二十二時から二十三時の一時間は、WECPNLの計算に際し昼間の十倍の係数が係る時間帯である。この点が考慮されていることを明確にする、時間帯別のデータを具体的に示す必要があると考える。
  @ 現在、厚木にいる航空機でも、岩国に来れば、岩国基地における運行時間に即して飛行すると考えていいか。それとも、現在、厚木にいる航空機は、岩国に行っても、厚木で認められている時間帯しか飛行しないという制約があるのか。
  A @で、行った先でのルールに基づいて運行されるということであれば、厚木の艦載機の「標準飛行回数」の算定に当たって、「厚木での実績データ」を採用する正当性はないのではないか。
  B 答弁書1の(8)に関して、滑走路が一本しかない所に、現在より倍増した航空機が殺到するということは、標準飛行回数の推算にあたり、現在の岩国での実績からは推測できない要素が入り込み、重み付けが必要な時間帯の飛行回数が増加するのではないか。実際にどのような事態が生じるかについて、最悪の場合を予測しているか。予測しているとすると、どのように予測しているのか。
  C 「移駐した場合の運用の詳細については、現段階において承知していないことから」「現在の厚木、普天間における運用実態を考慮して算定した」というのは、理にかなった算定方法ではない。基地によって運用時間が異なっていること、一本の滑走路に倍増した航空機が集中するなどの要素を考慮に入れて、いくつかのモデルケースを想定する、ないしは最悪の場合について予測する方が、理にかなっている。厚木、普天間の現在の実績をそのまま、岩国の計算に用いることには正当性はないのではないか。もしあるとするならば、その根拠を示されたい。
 (8) 答弁書1の(9)について
  @ 住民説明会資料九頁から十三頁「5・飛行経路」は「標準的な飛行経路と同様のものとなる」というが、ここで「標準的な経路」とは、どういうものか。
  A 「標準的な経路」とは、全ての飛行回数のうちの何割くらいが、計算に用いた「飛行経路」に相当するのか。また、「標準的でない飛行経路」は、全体の中の何割くらいになるのか。
  B 「また、当該飛行経路は、あくまで標準的なものを示したものであり、すべての米軍航空機が同様に飛行することを確認したものではない。」と答えているが、であれば、計算に使用した飛行経路とは別の飛行経路があるということである。「別の飛行経路に対応した、いくつかのモデル」を想定してW値の予測を行うべきであると考えるが、いかがか。
 (9) 答弁書1の(10)について
  @ 住民説明会資料四、五頁「機種毎の騒音データ」の項にある図「航空機からの距離と騒音値との関係」で、八ないし九個のプロットがあるのは、実測値があるわけではなく仮想的な推定値であると解釈していいのか。
  A 「飛行経路のほぼ直下に位置する場所」は一箇所か。音源の持つ「音圧レベル」だけが、パラメーターであるようであるが、風、大気の安定条件などの気象条件を考慮する必要があるのではないのか。
2 その他
 (1) 答弁書2の(1)及び(2)について
  @ 「「岩国日米協議会」における協議の結果を踏まえ、・・」で、いつの協議会で、どのような協議があったのか示されたい。また、協議されたときの議事録を公開することは可能か。
  A 「岩国飛行場に係る運用上の所要を勘案した上で、・・、できる限りの措置を講じている」結果、二十三時までも運用可能ということになったということは、「岩国における運用所要」は厚木などの他の基地と比べて別の条件があるということになるが、「岩国における運用所要」とはいかなるものか、説明されたい。
 (2) 答弁書2の(3)について
  「地元の要望を踏まえ、日本側から発議」することは重要なことであるが、岩国、三沢に関しては、「地元からの要望がなかったので、日本側から発議する機会がなかった」ということか。また、基地による違いが生じないよう国が積極的に努力する意志を示すのが当然と考えるが、国としてどう考えるのか。

 右質問する。



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