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答弁本文情報

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平成十九年六月十九日受領
答弁第三七二号

  内閣衆質一六六第三七二号
  平成十九年六月十九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員平岡秀夫君提出「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員平岡秀夫君提出「米空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」に伴う騒音問題に関する再質問に対する答弁書



1の(1)について

 防衛施設庁としては、御指摘の住民説明会において、空母艦載機の移駐等の内容や航空機騒音の状況の変化等について、地元住民に対し、鋭意説明を行うとともに、地元住民からの質問や意見については、誠意をもって回答したところであり、これにより、地元住民の理解に資することができたものと考えている。

1の(2)について

 WECPNL(加重等価継続感覚騒音レベル)は、航空機騒音の「うるささ」を表す単位であり、音響の強度だけでなく、その頻度、発生時間帯等の諸要素を加味し、多数の航空機による騒音の総暴露量を一日の平均として総合的に評価するものである。その算定方法は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律施行規則(昭和四十九年総理府令第四十三号)第一条において定められている算定方法のとおりである。
 WECPNLは、このように、音響の強度のほかに、その音響の発生回数、時刻等を考慮して、人に与える影響を評価する航空機騒音の評価単位であることから、防衛施設庁においても航空機騒音の評価単位として用いているところであり、1の(1)についてで述べた住民説明会においても、当該評価単位を使用し、説明したところである。

1の(3)について

 防衛施設庁が岩国飛行場において実施した騒音度調査(防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条の規定に基づき第一種区域を指定するに当たって実施する飛行経路、ピーク騒音レベル、継続時間、飛行回数等の調査をいう。以下同じ。)は、昭和四十九年度及び平成元年度から平成二年度にかけて実施したところである。
 昭和四十九年度に実施した騒音度調査における調査対象機種は、F−四、AV−八A、A−四、A−六、P−三B、C−一一七、C−一三〇、YS−一一等であるが、機数については、防衛施設庁として資料を有していないことからお答えすることは困難である。また、平成元年度から平成二年度にかけて実施した騒音度調査における調査対象機種は、FA−一八、A−六、AV−八B、U−三六、MH−五三等であるが、機数については、米軍から情報提供を受けたものであり、これを公にすることにより、米国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、お答えすることを差し控えたい。

1の(4)について

 厚木飛行場において平成十五年度から平成十六年度にかけて実施した騒音度調査においては、現地に測定員を配置して騒音測定を実施したところであり、当該測定の日は、平成十五年十月六日から九日まで、平成十六年一月二十二日、二十三日及び二十七日から三十日まで、同年二月十日、十二日及び十三日並びに同年十二月十三日から十七日までである。これらの期間においては、米空母が横須賀海軍施設に入港していたものと承知している。
 平成十五年度から平成十六年度まで及びその前後の期間においては、米空母の年間入港日数は、おおむね年間二百日程度で推移しており、空母艦載機が厚木飛行場にいた期間が特段少ないとは考えていない。
 普天間飛行場については、航空機騒音自動測定装置により騒音測定を実施したところであり、当該測定の日は、平成十五年四月一日から平成十八年三月三十一日までである。この期間における米軍のヘリ部隊の所在については、米軍の運用の詳細にかかわることであり、政府として承知していない。
 先の答弁書(平成十九年五月十五日内閣衆質一六六第二一五号。以下「前回答弁書」という。)1の(3)についてで述べた「住民説明会資料」(以下「住民説明会資料」という。)の作成に当たっては、空母艦載機及びKC−一三〇空中給油機(以下「空母艦載機等」という。)が岩国飛行場に移駐した場合の運用の詳細について、現段階において承知していないことから、標準飛行回数について、現在の厚木飛行場及び普天間飛行場における運用実態を考慮して算定したものである。

1の(5)について

 標準飛行回数が六十三回増えている理由については、前回答弁書1の(5)についてで述べたとおりである。
 現時点において、各飛行場における航空機の運用が異なることは承知しているが、空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した場合の運用の詳細について承知していないことから、標準飛行回数について、現在の厚木飛行場及び普天間飛行場における運用実態を考慮して算定したものであり、その算定方法については、現時点においては適切なものであると考えている。
 いずれにせよ、防衛施設庁としては、実際に空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した後、現地において騒音度調査を行い、適切に対応する考えである。

1の(6)の@について

 防衛施設庁においては、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律第四条の規定に基づく第一種区域の指定に当たっては、専門業者に対し、騒音度調査を委託しているところである。その際、御指摘の時間帯別の飛行回数を記した資料(以下「時間帯別資料」という。)は、確かにWECPNLの算出の基礎となるデータではあるが、WECPNLの算出に当たって直接用いるデータは、時間帯別資料から集計した日別、機種別飛行回数や標準飛行回数といったデータ(以下「集計データ」という。)であることから、従来から当該専門業者より防衛施設庁が受領してきた調査報告書においては、WECPNLとともに集計データが記されているものであり、そのような意味において、防衛施設庁として時間帯別資料を有していない旨を述べたものである。

1の(6)のAについて

 防衛施設庁としては、御指摘の資料の公開について具体的な要請等があれば、その内容を検討し、適切に対応してまいりたいと考えている。

1の(6)のBについて

 住民説明会資料における再編後の一日の標準飛行回数の算出に当たっては、厚木飛行場について海上自衛隊から提供を受けた資料に記された日別、機種別及び時間帯別の飛行実績を、岩国飛行場について航空機騒音自動測定装置で測定した日別及び時間帯別の騒音発生回数を、それぞれ集計したものや、普天間飛行場について航空機騒音自動測定装置により測定した平成十五年度から平成十七年度までの三か年の平均騒音発生回数に係る資料を使用しており、これらについて、前回答弁書1の(6)についてで「日別及び機種別の飛行回数を記した資料等」と述べたものである。
 これらのデータの公表について具体的な要請等があれば、その内容を検討し、適切に対応してまいりたいと考えている。

1の(6)のCについて

 御指摘の「一日の標準飛行回数」については、次のようにして求めたものである。
 一 岩国飛行場について平成元年度から平成二年度にかけて実施した騒音度調査で得られた標準飛行回数三百三十七回は、平成元年七月一日から平成二年六月三十日までの一年間の日別の騒音発生回数に基づいて、時間帯によるいわゆる重み付けを行った上での日別の飛行回数を求め、多い順に数えて三十六番目の日の飛行回数である。また、同飛行場についての平成十七年度時点の推定標準飛行回数三百二十六回は、平成元年度から平成二年度にかけて実施した騒音度調査で得られた標準飛行回数三百三十七回を機種ごとの飛行回数によって区分し、それぞれの配備機数の増減割合を乗じた上で集計したものである。
 二 厚木飛行場から移駐する空母艦載機の飛行回数百三十回については、同飛行場における平成十五年四月一日から平成十六年三月三十一日までの一年間の飛行実績に基づいて、一と同様の手法によって求めた標準飛行回数三百八十一回に、その一年間の飛行回数のうち空母艦載機が占めた割合(約三十四パーセント)を乗じて算出したものである。
 三 岩国飛行場における再編後の標準飛行回数三百八十九回は、一で述べた平成十七年度時点の推定標準飛行回数三百二十六回に、二で述べた空母艦載機の飛行回数百三十回と、普天間飛行場における平均騒音発生回数を基に算出したKC−一三〇空中給油機の飛行回数十九回を加え、厚木飛行場へ移駐する自衛隊機の飛行回数五十六回及びグアムへ移駐する米軍機の飛行回数三十回を減じて算出したものである。

1の(7)について

 現時点において、各飛行場における航空機の運用が異なることは承知しているが、前回答弁書1の(7)及び(8)についてで述べたとおり、空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した場合の運用の詳細について、現段階において承知していないことから、空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した後の当該空母艦載機等の運用時間について、お答えすることは困難であり、また、御指摘の「最悪の場合」や「モデルケース」を想定することは困難である。このような観点から、住民説明会資料の作成に当たっては、標準飛行回数について、現在の厚木飛行場及び普天間飛行場における運用実態を考慮して算定したものである。
 いずれにせよ、防衛施設庁としては、実際に空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した後、現地において騒音度調査を行い、適切に対応する考えである。

1の(8)について

 お尋ねの「標準的な経路」とは、岩国飛行場において、米軍航空機が、通常、飛行する標準的な経路として、岩国飛行場の滑走路を沖合へ千メートル程度移設する事業に係る環境影響評価準備書作成の際に想定したものであり、空母艦載機等の移駐後の岩国飛行場の飛行経路についても、これと同様のものとなる見込みであり、このことは、日米間で確認しており、米軍航空機は、当該飛行経路を基本として飛行するものと考えているが、当該飛行経路以外を飛行することを含め、更なる運用の詳細については、現段階において承知していない。

1の(9)の@について

 お尋ねの「プロット」は、前回答弁書1の(10)についてで述べた方法により求めた、音源から一メートル離れた仮想的な球面上での周波数別の平均的な音圧レベルを基に算出した、音源から、三十一・五メートル、六十三メートル、百二十五メートル、二百五十メートル、五百メートル、一千メートル、二千メートル、四千メートル及び八千メートル離れた球面上の騒音レベルをそれぞれ示したものである。

1の(9)のAについて

 前回答弁書1の(10)についてで述べた航空機騒音を録音した場所は、飛行経路のほぼ直下に設けた複数の場所である。また、音源から一メートル離れた仮想的な球面上での周波数別の平均的な音圧レベルを求めるに当たっては、録音時に測定した気温、相対湿度を考慮している。
 さらに、住民説明会資料で示した「WECPNLコンター」の作成に当たっては、岩国飛行場において平成元年度から平成二年度にかけて実施した騒音度調査の結果を利用しており、その中で飛行方向が風向に左右されることも当然考慮しているところである。
 いずれにせよ、防衛施設庁としては、実際に空母艦載機等が岩国飛行場に移駐した後、現地において騒音度調査を行い、適切に対応する考えである。

2の(1)の@について

 昭和四十六年七月以降に開催された「岩国日米協議会」においては、岩国飛行場における飛行時間及びエンジンテストの時間等に関する制約等の航空機騒音の軽減のための措置について協議されたところである。
 また、「岩国日米協議会」においては、議事録は作成していない。

2の(1)のAについて

 米軍は、岩国飛行場に係る運用上の所要を勘案した上で、航空機騒音の軽減について、できる限りの措置を講じているものと承知しているが、当該運用上の所要の具体的内容については、米軍の運用の詳細にかかわることであり、政府として承知していない。

2の(2)について

 岩国飛行場及び三沢飛行場については、地元の地方公共団体、国及び現地の米軍との間での協議の結果を踏まえ、米軍は、各飛行場に係る運用上の所要を勘案した上で、航空機騒音の軽減について、できる限りの措置を講じているものと承知しており、政府としては、このような点について、日米合同委員会における合意を要するとは必ずしも考えていない。



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