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平成十九年六月十五日提出質問第三九七号
米海軍掃海艇の与那国入港等に関する質問主意書
提出者 照屋寛徳
米海軍掃海艇の与那国入港等に関する質問主意書
米海軍は、平成十九年六月二十四日から二十六日までの間、与那国町在の沖縄県管理に関わる祖納、久部良の両港へ、掃海艇を寄港させると通知してきたようである。民間港湾及び漁港として設置された港に、緊急事態でもないのに、港湾管理者の自粛要請、地元自治体、住民らの反対を無視して、掃海艇を入港させんとする米海軍の暴挙を許すわけにはいかない。
米海軍は、入港目的を「友好親善」「乗組員の休養」などと標榜しているが、真の目的は、いざというときの民間港湾の使い勝手を試すことであろう。その証拠に、米海軍は、「乗組員を町長宅のパーティーに招待してほしい」と依頼しているようであるが、招待を強要し、相手に対して歓迎を無理強いすることが「友好親善」につながるとは、到底思えない。
与那国は、台湾を臨む国境の島である。国境の島に、軍艦は似合わない。米海軍掃海艇の強行入港は、中国、台湾との間で軍事的緊張をかもし出し、与那国が進める台湾・花蓮市との友好姉妹都市関係を著しく損ねるものである。政府は、米海軍に対し、入港を中止するよう、強く再考を促すべきである。
以下、質問する。
二 与那国町からは、二〇〇六年十月三十日、内閣官房に対し、構造改革特区提案として、「国境交流特区二〇〇六」が提出されているはずである。この「国境交流特区二〇〇六」において、@非検疫港状態の与那国島でのクリアランス船等の入港に関する要件緩和、A不開港状態の与那国島でのクリアランス船等の入港促進と実績評価に関わる特例措置、などの要請がなされたはずである。前記@Aの特区要請に対する政府の見解を示されたい。
三 不開港、非検疫港状態にある与那国島という場合の「不開港」「非検疫港」とは、それぞれどのような法的状態を表すのか、政府の見解を示されたい。
四 不開港、非検疫港状態にあるとして、台湾からのクリアランス船の入港を拒みながら、一方で、米海軍掃海艇の入港を認める理由について、政府の見解を示されたい。
五 与那国島は、石垣市まで百二十七キロメートル、台湾まで百十キロメートルに位置する日本最西端の国境離島である。昭和二十二年には、島人口一万二千人をもって、村から町へ昇格するほど繁栄したが、戦後、人口流出が始まり、平成十八年四月現在、千六百七十七人に減少した。与那国町は「疲弊する国境の島」から、「自立・定住できる日本のフロントライン・アイランド」を目指し、先の「国境交流特区」を提案しているのである。政府は、かかる与那国町の自立を目指す「国境交流特区」構想を、どのように受け止めているのか、政府の見解を示されたい。
右質問する。