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平成十九年六月十九日提出
質問第四〇四号

エリツィン前ロシア大統領の葬儀についての外務大臣の認識に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




エリツィン前ロシア大統領の葬儀についての外務大臣の認識に関する質問主意書


一 二〇〇七年六月十五日発売の週刊金曜日六頁に、「『ロシア行きの便がなかった』は間違い!万死に値する外務官僚」との見出しで、
 「麻生太郎外相は六月十日、仙台市の外交フォーラムで、ロシアのエリツィン前大統領の葬儀に日本から特使を派遣しなかった理由を概略こう述べた。
 『(ロシアへの)便がない時間に(葬儀日程を)発表したとしか思えない。これは多くの人たちに来て欲しくないと考えるのが普通。なんだか(ロシア)国内の政治も難しいだろうなと。多くの国々と連絡したうえで、斎藤(泰雄ロシア)大使を送り、ソ連側は斎藤大使だけをプーチン夫人に面会させております。(両国の)関係がおかしくなっていることはありません』
 しかし、政府が五月十一日に閣議決定した鈴木宗男衆議院議員の質問主意書に対する答弁書などによると、葬儀に間に合うモスクワ行きの便はあった。また、塩崎恭久官房長官も間に合う民間の航空便がなかったとの説明を修正、人選が間に合わなかったと釈明している(『北海道新聞』五月十二日)。
 ロシアをソ連と間違えるのは論外だが、どうも麻生外相には、エリツィン氏とプーチン氏との関係など、的確な情報が外務官僚から上がっていないのではないか。官僚が不作為や準備不足を覆い隠そうとしているようにもみえる。
 起訴休職外務事務官の佐藤優氏は『弔問外交に誰を派遣するかで、その国の歴史認識や政治的問題意識がわかります。外国と相談して決める話ではない。日本の特使が「シベリア抑留者問題を謝罪したエリツィン氏は、ロシアをスターリン主義から解放した真の愛国者だ」と演説すれば、プーチン大統領に対する牽制になった。外務官僚の不作為は万死に値する』と話している。」
との記事(以下、「週刊金曜日記事」という。)が掲載されていることを外務省は承知しているか。
二 「週刊金曜日記事」にあるように、二〇〇七年六月十日の仙台市での外交フォーラムにおいて、麻生太郎外務大臣が「(ロシアへの)便がない時間に(葬儀日程を)発表したとしか思えない。これは多くの人たちに来て欲しくないと考えるのが普通。なんだか(ロシア)国内の政治も難しいだろうなと。多くの国々と連絡したうえで、斎藤(泰雄ロシア)大使を送り、ソ連側は斎藤大使だけをプーチン夫人に面会させております。(両国の)関係がおかしくなっていることはありません」との旨の発言(以下、「麻生発言」という。)をしたことは事実か。確認を求める。
三 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」は、外務官僚によるレクチャーを受けてのものか、または麻生太郎大臣の考えによるものか。
四 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「(ロシアへの)便がない時間に(葬儀日程を)発表したとしか思えない。これは多くの人たちに来て欲しくないと考えるのが普通。」との発言はどのような事実に基づいたものか説明されたい。エリツィン前ロシア大統領の葬儀(以下、「エリツィン氏の葬儀」という。)の日程を、ロシア側が日本からロシアに向かう飛行機の便がない時間に発表したという事実があるか。あるのならば、それはロシア側が多くの人に「エリツィン氏の葬儀」に参列して欲しくないという意図があってのことか、その客観的根拠を明らかにされたい。
五 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「なんだか(ロシア)国内の政治も難しいだろうなと。」との発言はどのような事実に基づいたものか説明されたい。ロシア国内のどのような状況を指して「ロシア国内の政治が難しい」とするのか、その客観的根拠を明らかにされたい。
六 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「多くの国々と連絡したうえで、斎藤(泰雄ロシア)大使を送り、ソ連側は斎藤大使だけをプーチン夫人に面会させております。」の部分につき、「多くの国々」とはどの国を指すのか全て明らかにされたい。また、在ロシア斎藤泰雄日本国大使(以下、「斎藤大使」という。)がプーチン大統領夫人に面会した際にどのような発言を行ったか明らかにされたい。
七 二の「麻生発言」に関し、麻生太郎外相がロシアを「ソ連側」と表現したことに対する外務省の評価如何。
八 「エリツィン氏の葬儀」の際に、「斎藤大使」以外にプーチン大統領夫人と面会した人物はいるか。いるのならば、その人物は誰か明らかにされたい。
九 二の「麻生発言」が行われたのならば、「麻生発言」の中の「(両国の)関係がおかしくなっていることはありません」との発言はどのような事実に基づいたものか説明されたい。「エリツィン氏の葬儀」へは、日本側からは「斎藤大使」のみの参列に留まったが、そのことで日ロ関係がおかしくなっていることはないとする、その客観的根拠を明らかにされたい。
十 「週刊金曜日記事」の中に、「どうも麻生外相には、エリツィン氏とプーチン氏との関係など、的確な情報が外務官僚から上がっていないのではないか。」との記述があるが、外務官僚が麻生太郎外相に対して、エリツィン前ロシア大統領とプーチン現ロシア大統領との関係等について的確な情報を上げていないという事実があるか。
十一 「週刊金曜日記事」の中に、「官僚が不作為や準備不足を覆い隠そうとしているようにもみえる。」との記述があるが、「エリツィン氏の葬儀」に際して、外務官僚の不作為や準備不足を覆い隠そうとしているという事実があるか。
十二 十と十一の事実がないのならば、外務省は週刊金曜日に対して何らかの意見を伝えたか。伝えていないのならば、その理由を明らかにされたい。

 右質問する。



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