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平成十九年十二月十七日提出
質問第三三五号

国後島北方海域で日本船が拿捕された事件に対する外務省の対応に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




国後島北方海域で日本船が拿捕された事件に対する外務省の対応に関する質問主意書


 二〇〇七年十二月十三日午前四時三十分頃、国後島北方海域で北海道の羅臼漁協所属の刺し網漁船四隻がロシア国境警備隊に拿捕されるという事件(以下、「拿捕事件」という。)が起きた。右を踏まえ、以下質問する。

一 「拿捕事件」の第一報が外務省にもたらされたのはいつか。
二 一の「拿捕事件」の第一報がもたらされてから、外務省においてどの様な初動対応がとられたのか説明されたい。
三 「拿捕事件」が起きた翌日十四日の記者会見で、高村正彦外務大臣は「拿捕事件」について「国後島沖における日本漁船の拿捕ですが、北方領土に関する我が国の基本的立場から受け入れられるはずがない話であり、甚だ遺憾であると思っております」と述べているが、北方領土はロシアに不法占拠されてはいるが、我が国固有の領土である。我が国固有の領土の周辺で起きた事件に対し、外交の責任者たる外務大臣が「遺憾」という表現を用いるのは適当か。より強い表現を用いて、毅然とした態度でロシア側に抗議をするべきではないのか。
四 「拿捕事件」でロシア当局に拿捕された漁船の乗組員は、現在国後島に連行されていると承知するが、在ロシア日本国大使館または在ユジノサハリンスク日本国総領事館より職員を国後島まで派遣し、国後島において乗組員解放のための交渉を行う考えはあるか。
五 昨年には根室のカニかご漁船第三十一吉進丸が同様にロシア国境警備隊に拿捕され、船員一名が銃殺されるという事件が起きたが、ロシア側に押収された第三十一吉進丸の船体の我が国への返還は実現したか。
六 五で、実現していないのならば、第三十一吉進丸の船体は現在どこにあると外務省は承知しているか。
七 二〇〇七年六月一日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六六第二三六号、二三七号)では、我が国への北方領土返還について北方領土に居住するロシア系住民の意識調査を外務省として行ったことはなく、また、北方領土において韓国や中国の商品が流通しているという北方領土の現状についても詳細を把握していないとの答弁がなされているが、今後外務省として、北方領土問題の解決に資するため、ロシア系住民の意識調査に努め、また、北方領土における外国商品の流通状況について把握すべく調査をする考えはあるか。
八 二〇〇七年八月二十二日に北海道根室港を出港した北方領土墓参団(以下、「墓参団」という。)が、同年同月二十三日、国後島ラシコマンベツ墓地への上陸を拒否されたことがあったが、右の事件の経緯につき、同年九月十八日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六八第八号)で外務省は「平成十九年八月二十一日、ロシア連邦政府より外交ルートを通じ、御指摘の墓参団の訪問予定地のうちラシコマンベツ墓地への上陸訪問について、ロシア側内部における調整がつかず実施できない旨の連絡があり、御指摘の墓参団の同墓地への上陸訪問が中止となったものである。ロシア連邦政府当局は、ロシア側内部における調整がつかなかった具体的理由を明らかにしていない。」と答弁しているが、二〇〇七年十二月十七日現在、「墓参団」が上陸を拒否されたロシア内部の事情について、何らかの情報は得られているか。
九 「拿捕事件」も北方領土問題が解決されず、北方領土の我が国への返還が実現していないことが原因で起きたものであると考えるが、五で、第三十一吉進丸の船体返還が実現しておらず、七で北方領土のロシア系住民の意識調査並びに外国商品の流通状況の把握に努めることもせず、更に八で「墓参団」が上陸を拒否された具体的理由を把握していないのならば、外務省が本気で北方領土を我が国へ取り戻すという姿勢が見えてこない。外務省は真剣に、北方領土問題の解決を実現すべく取り組んでいるか。取り組んでいるのならば、外務省がそう考える根拠を明らかにされたい。
十 政府が目指す北方領土問題の解決とは、歯舞、色丹、国後、択捉の四島が最終的に全て我が国へ返還されることを指していると承知するが、確認を求める。
十一 十の認識に間違いがないのならば、北方四島の我が国への返還を実現させる上で、現実的にどの様な方策をもって外務省はロシア側との交渉を進めているのか説明されたい。これまでの政府答弁では、「北方四島の帰属の問題を解決する」との答弁がなされ、また、具体的な返還交渉については「今後の交渉に支障を来すおそれがある」として、具体的な返還交渉の中身を明らかにしていない。北方領土問題の解決を図るには、「四島一括」などの言葉を使うのではなく、日ロ双方が受け入れられる現実的な解決策を模索し、かつ国民の支持、理解を得るため、返還交渉についてもできるだけ国民に説明責任を果たす必要があると考えるが、外務省の見解如何。
十二 二〇〇一年三月二十五日のイルクーツクでの森喜朗内閣総理大臣(当時)とプーチン・ロシア大統領との会談において決められた、歯舞、色丹の二島については具体的な返還時期の交渉を行い、残りの国後、択捉の二島については日ロ間で帰属確定の交渉を並行して行うという、いわゆる「2プラス2」の方針は、現在でも日ロ間での北方領土問題の交渉において生きているか。

 右質問する。



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