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平成二十年一月二十四日提出
質問第二三号

『難民認定行政』と難民認定申請者の保護と人権に関する質問主意書

提出者  保坂展人




『難民認定行政』と難民認定申請者の保護と人権に関する質問主意書


 参議院法務委員会は平成十六年四月十五日「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」を可決し、「難民認定に関する各種制度について、その運用状況を勘案しつつ三年後を目途に検討を行うこと」を決議している。本年は施行三年目にあたり、新たな難民認定制度の検証を行うとの趣旨から、以下政府(法務省)に対し、質問する。一問一問丁寧かつ具体的に答弁されたい。

一 平成十九年九月十三日提出の質問第一八号に対する平成十九年九月二十五日付けの答弁書(内閣衆質一六八第一八号)によれば、平成十七年一月一日以前に受理され、平成十八年十二月三十一日時点で難民認定申請に係る処分の告知を行っていない難民認定申請の件数は三十九件であり、平成十八年一月一日以前に提出された難民不認定処分に係る異議申立てのうち平成十八年十二月三十一日時点で決定の告知を行っていない件数は四十七件であるとのことである。これら八十六件についておたずねする。
 1 そのうち、平成十九年十月末時点で処分または決定の告知に至っていない件数は何件あるか。
 2 通常、難民調査では、また、これらの申請または異議申立てに対しては、申請者に再度のインタビュー、提出された証拠にもとづく外部機関への照会、とりわけUNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)など専門機関への照会、出身国情報の収集と共有などが不可欠と思われる。前記八十六件のうち、再度、インタビューを行った件数は何件あるか。
 3 同じく、外部機関への照会およびUNHCRに意見を求めた件数は何件あるか。
 4 出身国情報をあらたに入手した件数は何件あるか。また、その情報は翻訳されているか。
二 前記答弁書の「四の1から4までについて」と題する回答に関連して、さらに質問する。
 1 「関係者のプライバシーの保護について十分に検討した」とあるが、具体的に何をされたか回答されたい。
 2 公開にあたって判例集を参照したとのことであるが、判例集の表題、出版年、出版社を明らかにされたい。また、それ以外に参照された文献があれば、その文献名、出版年、出版社を明らかにされたい。
 3 オーストラリアの難民再審査審判所(RefugeeReviewTribunal)も、審査の決定書をインターネット上で公開している。しかしこの決定書における個人の特定につながる情報については、「審判所は、申請者または申請者の親戚または被扶養者の特定につながる文言を公表してはならない」と規定されている(一九五八年移民法第四三一条第二項)。この規定が存在することを承知しているか。また、冊子『難民認定行政』発行前にそのような規定があることを検討されたか。
 4 難民不認定処分理由の公表にあたって、告知を受けた申請者に、開示の承諾を得たか。
 5 冊子『難民認定行政』では、パキスタン人民党に所属していたと主張する一人のパキスタン人の不認定理由が公表されている。これには、申請者が刑事事件にかかわって係属した裁判所である松山地裁と高松高裁の名称もそのまま記され実刑を受けたことも記されている。パスポートに記載された出入国日、また記載から裁判に係属したおおよその時期、同冊子発行時点で訴訟が行われていることも記されている。
  二〇〇一年以降、松山地裁と高松高裁に刑事事件が係属した後、実刑に服し、送還の準備として法務省入国管理局の収容施設に収容されたパキスタン人は何名いるか。
 6 また、この申請者の刑事事件は、新聞で報道され、申請者の実名が新聞に報道されている。この新聞記事情報は、前記の裁判所名と「パキスタン」をキーワードに使えば、インターネット上から検索でき、申請者の実名に容易にたどり着くことができる。『難民認定行政』発刊前に、開示する情報から、その人物が特定される可能性がないか、インターネット上で新聞記事検索を試行したか。
 7 『難民認定行政』は全文が日本語版と英語版で、インターネット上に公表されており、理論的には、日本語を読めなくとも、世界中からいつでもこの情報にアクセスできる。
  現在、パキスタン政府は、パキスタン人民党の活動を大きく制限し、注視している。
  法務省は、この情報をインターネット上で開示し続けることにより、なんらかの意図を持った人物から申請者が特定される可能性を生じさせていると考えるが、法務省はその可能性はないと考えているのか。

 右質問する。



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