質問本文情報
平成二十年四月二十八日提出質問第三三五号
後期高齢者医療制度の月額保険料に関する再質問主意書
提出者 山井和則
後期高齢者医療制度の月額保険料に関する再質問主意書
平成二十年四月十日付で「後期高齢者医療制度の月額保険料に関する質問主意書」(以下、前回主意書)を提出し、同年四月十八日、政府答弁書(内閣衆質一六九第二八八号、以下、前回答弁書)を受領したところである。前回答弁書の内容についてなお疑問があるので、平成二十年四月十五日に厚生労働省が提示した「新しい高齢者医療制度について」と題する資料(以下、四月十五日保険局資料)、「介護保険料の在り方に関する検討会第二回」における「国民健康保険料(税)の概要について」と題する資料(以下、検討会資料)に関連して、再質問する。
二 四月十五日保険局資料では、資産割額を含む四方式を採用する市町村の国民健康保険料の全国平均を国民健康保険料全体を代表するものとして取り扱い、後期高齢者医療制度導入による月額保険料の変化について広報している。しかし、左に述べる三つの理由から、四方式を採用する市町村を国民健康保険全体を代表するものと扱うのは不適切であると考えるが、政府の見解はいかがか。
@ 資産割額を含む四方式を採用する市町村は、前回主意書でも明らかにしたように、他の算定方式による市町村よりも、低所得者については保険料の高いグループを構成しており、四方式による保険料は、国民健康保険料全体を代表するものではない。
A 四方式を採用する市町村は、全市町村の約八割に及ぶが、その九十六%は人口五万人以下の人口の少ない市町村である。四方式による保険料は、自治体あたりの人口の少ない地域に偏ったものであり、国民健康保険料全体を代表するものではない。
B 四方式に係る被保険者数の全被保険者における割合は、平成十七年度国民健康保険実態調査の表二十一の一から私が推計すれば、約五十二%であった。四方式による保険料は、最も多くの被保険者に係るものではあるが、約半数の被保険者に係るものに過ぎず、国民健康保険料全体を代表するものではない。
三 一方、検討会資料における保険料の試算は、前回答弁書によれば「全市町村の平均値を用いて」なされたものである。制度移行後の比較の対象が、「全国平均の値により比較した後期高齢者医療の保険料」である以上、国民健康保険料についても、基礎賦課額算定に全市町村の平均を用いる検討会資料の試算法を採用するのが妥当であると考えるが、政府の見解はいかがか。
四 前回答弁書では、検討会資料に対して、全市町村の平均値を用いているので資産割額などが過小となり、試算が不正確となるとの批判がなされている。しかし、全国平均を考える場合、約半数の被保険者のみで採用されている資産割額などの基礎賦課額の影響は、その方式を採用している市町村での平均における影響の約半分となるのは当然のことである。このため、全国平均における資産割額などの基礎賦課額が、その方式を採用している市町村での平均より小さくなることは、過小でも、不正確でもないと考えるが、政府の見解を改めて問う。
五 前回答弁書において、政府は事実をありのままに国民に広報するべきであるとの答弁をいただいたところである。しかるに、四月十五日保険局資料による後期高齢者医療制度の月額保険料に関する広報は、恣意的に新制度導入によって負担軽減となる地域を取り出し、その地域での負担軽減のみを強調した広報であり、事実をありのままに広報したものではない。このことからすると、これまで行われてきた後期高齢者医療制度における月額保険料についての広報を訂正し、検討会資料の試算法を用いたものに入れ替えるべきであると考えるが、政府の見解はいかがか。
右質問する。