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平成二十年五月十九日提出
質問第三九九号

生活保護医療扶助運営要領に関する質問主意書

提出者  山井和則




生活保護医療扶助運営要領に関する質問主意書


 平成二十年四月一日付厚生労働省社会・援護局長通知「『生活保護法による医療扶助運営要領について』の一部改正について」(以下、本件通知)について、以下のとおり質問する。

一 厚生労働省が、平成二十年一月に同年二月八日を回答期限として、各自治体担当者に要請した一ヶ月三万円超の通院移送費に関する調査結果はどのようなものか。また、調査をしながら未だに結果を公表しない理由は何か。今後、公表する予定はないのか。
二 平成十九年度の通院移送費支給実績の全国の結果はどのようなものか。件数、金額を明らかにされたい。
三 平成二十年四月分の通院移送費支給実績の全国の結果はどのようなものか。件数、金額を明らかにされたい。
四 五月十五日の民主党ヒアリングで厚生労働省が配布した資料「生活保護における医療扶助の移送費の見直し」にある「医療扶助人員(入院外)一人あたり移送費、年間約四〇〇〇円」の記載の具体的な根拠は何か。計算式を示されたい。
五 本件通知「一般的給付」は「国民健康保険の例」によるとされているが、国民健康保険における直近の被保険者数、同保険全体の支給実績(件数、支給総額)、本件通知の一般的給付で援用されている四つの場合の各支給実績(件数、支給総額)を明らかにされたい。
六 本件通知「例外的給付」(ア)における「身体的障害等」の「等」には、知的障害、精神障害、疾患等により、移動困難な傷病者等が含まれると理解してよいか。仮に含まれるのであれば、身体障害などの障害者手帳を取得している者に限定されないことを明示して通知する必要があると考えるがいかがか。
七 六において、(ア)で電車、バス等を利用している者を除外した理由は何か。
八 本件通知「例外的給付」(イ)について、「へき地等」の定義および範囲を示されたい。
九 本件通知「例外的給付」(イ)について、東京二十三区であっても「交通費の負担が高額」であれば、「へき地等」に含まれると理解してよいか。
十 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の基準額を示されたい。示せない場合、その理由は何か。
十一 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合、「各実施機関」はどのような統計データに基づいて「高額」と判断するのか。その統計データの名称を具体的に教示されたい。
十二 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合で、かつ、準拠すべき統計データの具体的名称も示さない場合、「各実施機関が『高額』と考えるものが『高額』」という結論になるが、それで「移送費の給付範囲の明確化」を果たしたと考えるのか。
十三 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合で、かつ、準拠すべき統計データの具体的名称も示さない場合、「各実施機関が『高額』と考えるものが『高額』」という結論になるが、それで「移送費の給付範囲の明確化」を果たしたと考える場合、仮に東京都新宿区が「高額」を一万円超と定義し、東京都渋谷区が「高額」を五千円超と定義した場合、政府はそれを「適正」と判断するのか。「適正でない」と判断するとしたら、その根拠は何か。
十四 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合で、かつ、準拠すべき統計データの具体的名称も示さない場合、各実施機関から、各実施機関が「高額」と考える基準額とその根拠を示させ、地域間のばらつきを調整する必要が生じると思われるが、今回はそのような措置を取っていない。その理由を教示されたい。また、それで政府としての責任を果たしたと考えるのか。考えるとしたら、その理由を教示されたい。
十五 三月二十七日の参議院厚生労働委員会において厚生労働省の担当者は「基準を厳しくしたということではない」と答弁しているが、従来通院移送費の支給を受けていた者が、本件通知の実施によって、その支給を受けられなくなるという事態は起こりえないという趣旨と理解してよいか。仮に、そうでないとすれば、右の答弁との整合性について説明されたい。
十六 仮に実施機関が本件通知によって要件に当てはまらないと判断したために、二〇〇八年三月まで通院移送費の支給を受けていた者が、同年四月より通院移送費の支給を受けられなくなった場合、治療が受けられずに病気が重篤化する事案や、あるいは最悪の場合、死亡する事案も生じる可能性があると思われるが、政府はそのような事案が生じる可能性の有無を調査しているのか。調査していないとしたら、その理由は何か。
十七 仮に実施機関が本件通知によって要件に当てはまらないと判断したために、二〇〇八年三月まで通院移送費の支給を受けていた者が、同年四月より通院移送費の支給を受けられなくなった場合、治療が受けられずに病気が重篤化する事案や、あるいは最悪の場合、死亡する事案も生じる可能性があると思われるが、その際の主たる責任は厚生労働省にあるのか、各実施機関にあるのか。
十八 仮に実施機関が本件通知によって要件に当てはまらないと判断したために、二〇〇八年三月まで通院移送費の支給を受けていた者が、同年四月より通院移送費の支給を受けられなくなった場合、治療が受けられずに病気が重篤化する事案や、あるいは最悪の場合、死亡する事案も生じる可能性があると思われるが、そのような事態が起こらないよう、本件通知を撤回するつもりはないか。本質問にもかかわらず、本件通知の実施を強行して、結果として前記のような事態をもたらした場合、政府の責任は重大であると考えるがいかがか。
十九 治療を要する被保護者が通院を行うことは自立更生に必要不可欠であるが、「高額」でなければ医療移送費を支給しないという方針は通院に要する交通費は基本的に生活扶助費に含まれるとの考え方に基づくものであるか。仮にそうであれば、その根拠を示されたい。
二十 十九において、アルコール依存症の治療のための断酒会や精神障害者等の社会復帰相談事業を活用する際は自立更生に必要かつ有効であれば所要の金額が高額でなくても交通費が支給されることとの整合性はどうなのか。
二十一 本件通知が、通院移送費が原則として生活扶助費に含まれるとの解釈に基づくとすれば、それは、従来の実務運用や厚生労働省の立場を変更したこととなるが、かかる解釈変更を正当化する根拠は何か。また、生活扶助費のうち幾らが通院移送費相当部分となるのか。

 右質問する。



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