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平成二十年五月二十二日提出
質問第四一一号

要介護認定に関する質問主意書

提出者  三井辨雄




要介護認定に関する質問主意書


 介護保険制度では、被保険者が要介護認定を受け、その判定結果に基づき、支給限度額の範囲内で一割負担でサービスが利用できるしくみとなっている。要介護認定では、認定調査員による心身の状況調査(認定調査)に基づくコンピュータ判定(一次判定)が行われ、保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定調査会で一次判定結果と認定調査員の特記事項、主治医意見書等に基づき審査判定(二次判定)が行われる。二〇〇六年一〇月以降、要介護認定調査検討会では要介護認定の一次判定の改定が議論され、これまでに二〇〇六年度「高齢者介護実態調査」、「第一次モデル事業」(二〇〇七年度)が行われ、二〇〇八年度中に「第二次モデル事業」を経て、一次判定ロジックを改定することが予定されている。介護を必要とする被保険者にとって要支援認定、要介護認定に応じて支給限度額が決定されるのは、サービス利用の第一歩として重要なポイントであることから、一次判定ロジックの改定に関わる次の事項について質問をする。

一 二〇〇六年度に実施された「高齢者介護実態調査」について、二〇〇六年一〇月一〇日に開催された第一回要介護認定調査検討会では介護保険施設約六〇施設(入所者四五〇〇人程度)を対象に@介護時間調査(一分間タイムスタディ調査)とA状態調査が実施されることが予定された。しかし、同年一二月六日に開催された第二回要介護認定調査検討会において、在宅(約一〇〇〇人程度)とグループホーム(全国三五〜五〇施設程度)について二〇〇六年度老人保健健康推進事業において調査することが追加された。二〇〇七年一一月九日に開催された第三回要介護認定調査検討会では「高齢者介護実態調査」の報告が行われているが、介護保険施設六〇施設(入所者三五一九名)の調査結果のみが報告されている。在宅とグループホームの調査結果について、その内容と分析結果をお示し願いたい。
二 二〇〇六年一〇月一〇日に開催された第一回要介護認定調査検討会において、現行の認定調査員による調査項目八二項目に、新たに選定された一一〇項目の調査項目が追加されて、二〇〇六年度「高齢者介護実態調査」が実施された。その結果に基づき、第二回要介護認定調査検討会では、現行の八二項目に、新たに選定された六項目の調査項目が追加されて、合計八八項目で「第一次モデル事業」が実施された。すなわち、二〇〇六年度「高齢者介護実態調査」で一一〇項目にのぼる調査項目が追加されたにもかかわらず、「第一次モデル事業」では一〇四項目が削除されたと理解している。さらに、二〇〇八年五月二日に開催された第四回要介護認定調査検討会では、二三項目を削除候補とし、六五項目で「第二次モデル事業」を実施することが合意された。要介護認定調査検討会におけるこの二年間の調査項目の大幅な加除変更は看過できないものがある。よって、以下について、その経緯と理由および結果分析をそれぞれ簡潔にお示しいただきたい。
 @ 二〇〇六年度「高齢者介護実態調査」において一一〇項目を追加した経緯と理由および結果分析
 A 二〇〇七年度「第一次モデル事業」において一〇四項目を削除した経緯と理由および結果分析
 B 二〇〇七年度「第一次モデル事業」において六項目を追加した経緯と理由および結果分析
 C 二〇〇八年度「第二次モデル事業」において二三項目を削除した経緯と理由
  あわせて、二〇〇六年度「高齢者介護実態調査」と二〇〇七年度「第一次モデル事業」に要した各費用と、二〇〇八年度「第二次モデル事業」の予算、および委託調査機関の機関名と委託調査機関の選定理由をお示しいただきたい。
三 介護保険法施行当初の要介護認定の一次判定項目は、一九九五年の高齢者介護実態調査の結果に基づき作成されたと理解しているが、同調査は高齢者施設を対象に実施された。介護保険サービスの認定者は二〇〇七年一二月現在、四五八万一二五七人、利用者は三六五万二四二四人だが、そのうち施設サービス利用者は八二万三八八八人で、在宅サービスを利用する者が七七・四%を占めている。初期の要介護認定のデータが高齢者施設入居者を対象としたのは、在宅サービス利用者のデータが把握できないためとの説明があったと記憶する。しかし、法施行後八年が経ち、新たに要介護認定の一次判定ロジックを変更するにあたり、二〇〇六年度「高齢者介護実態調査」と二〇〇七年度「第一次モデル事業」ともに、施設サービス利用者を調査対象としている。在宅サービス利用者を調査対象としないで、一次判定ロジックの変更を検討される理由をお示しいただきたい。また、二〇〇八年度「第二次モデル事業」の対象者と対象理由をお示し願いたい。
四 二〇〇八年度「第二次モデル事業」では、現行の一次判定項目八二項目に「第一次モデル事業」で追加された六項目の合計八八項目から二三項目を削除候補とし、合計六五項目で実施することが予定されている。一次判定ロジックとは、「必要な介護サービス量」を測るものであり、現行の八二項目は、前回の改定を経て、必要があると判断された項目と理解する。「第二次モデル事業」において二三項目を削除した場合、要介護認定の判定が軽くなることが懸念される。また、二三項目を削除した場合の認定ランクの変化については、これまでの蓄積データによりシミュレーションが可能と考える。シミュレーションを実施しないまま、「第二次モデル事業」開始の運びとなった理由について示されたい。また、「第二次モデル事業」の調査結果により、要介護認定者の介護度が軽度になった場合、あるいは重度になった場合に、どのような検討を行う予定なのかお示しいただきたい。
五 第四回要介護認定調査検討会の資料3−4には、「特別な医療にかかる時間の修正」について「新たなタイムスタディの結果に基づき」修正することが示されているが、「特別な医療にかかる時間」の算定方法についてのわかりやすい説明とその根拠、および「特別な医療にかかる時間」一二項目を修正する理由、また「平成十八年の実態調査において当該医療措置を受けている者の医療行為にかかる時間から当該医療行為を行けていない者の医療行為にかかる時間を減じることで算定する。」ことにより算定された各項目の「特別な医療にかかる時間」をお示し願いたい。
六 二〇〇七年度要介護認定適正化事業が実施されているが、要介護認定適正化事業の背景として、「実態として、地域間格差が認められる」、「どのようなメカニズムで地域間格差が生じているかは明らかでなかった」としながら、具体的には「介護認定審査に関するバラツキの原因を把握」、「介護認定審査会内でのバラツキを解消するための技術的な助言を行う」とされており、要介護認定に地域間格差があることの原因把握と同時に、介護認定審査会への技術的な助言を行う事業内容となっている。適正化を実施するためには、原因を把握したうえで、整理された課題について対応策を関係機関に提示するのが通常の手順と考えるが、原因把握と助言が同時に実施されている理由についてお示しいただきたい。また、地域間格差を不適正と位置づける理由、二〇〇七年度要介護認定適正化事業によって把握された「バラツキの原因」について、具体的にお示し願いたい。
七 二〇〇七年度要介護認定適正化事業では、七八の要介護認定審査会に厚生労働省及び要介護認定適正化事業事務局の認定適正化専門員が訪問を行ったとの報告があるが、認定適正化専門員の資格要件、選定方法、人数についてお示し願いたい。

 右質問する。



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