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平成二十年六月十日提出
質問第五〇八号

国際比較における我が国の政府開発援助の高コスト体質に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




国際比較における我が国の政府開発援助の高コスト体質に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第四〇七号)を踏まえ、再質問する。

一 財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の部会が、我が国の政府開発援助(ODA)のうち、二〇〇一年度から二〇〇八年度に予算執行された事業に対する調査結果(以下、「調査結果」という。)を発表し、我が国のODAが英国等の他国と比較して高コストになっていると指摘していることについて、「前回答弁書」で外務省は「調査結果」については承知しているとした上で、例えば「調査結果」が、タンザニアで実施された我が国の無償資金協力による計二百七十二教室分の小学校建設について、総事業費は約十二億四千万円で一教室当たり約五百五十七万円かかったが、同国で英国が実施した同種の事業は約五十万円から約七十万円で、我が国の事業は右と比較して八倍から十一倍ものコストがかかっていたこと、更にカメルーンでの小学校建設についても、我が国が実施した事業は国際機関の貸付事業の一.六倍から二.三倍であり、カンボジアの道路改修工事では一q当たりの費用がアジア開発銀行の貸付事業の二.四倍であったとしていることについて、「他の援助国又は援助機関が実施する案件の詳細については外務省として承知しておらず、お尋ねにつきお答えすることは困難である。」と、他国が実施する援助の金額等については承知していないとの答弁をしている。その一方で、「調査結果」を受けた我が国のODA事業のあり方についての見直しに関しては、「外務省としては、政府開発援助事業の実施に当たっては、コスト縮減への取組等を通じ、引き続き効率的な実施に努めていく考えである。」との認識を示しているが、そもそも外務省は、我が国のODA事業が他国と比較して高コスト体質であるとの「調査結果」の指摘を受け入れたのか。それとも、何らかの反論をしているのか。
二 外務省は「調査結果」が示す英国によるタンザニアへの援助事業並びに国際機関によるカンボジアへの援助事業について、全く詳細を把握していないのか。現地の大使館、国際協力機構(JICA)の出先機関は、その様なことについての調査も行っていないのか。
三 そもそも外務省は、我が国のODA事業のあり方を見直す際に、他国のODA事業のあり方との比較は行っていないのか。
四 三で、行っていないのなら、それで我が国のODA事業のコスト削減、効率的な実施を図ることは可能なのか。「前回答弁書」で外務省が「援助国又は援助機関が実施する各々の案件については、事業の質、自然条件及び事業の対象範囲等が異なる」と言う様に、確かに各国の援助事業を一概に同列に述べることには慎重であるべきだと考える。しかしそれでも、客観的事実を把握する上で、「調査結果」が示す様に他国との比較を行うことは必要かつ有意義であると考えるが、外務省の見解如何。

 右質問する。



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