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平成二十年九月二十九日提出
質問第五三号

「消された年金」に関する質問主意書

提出者  山井和則




「消された年金」に関する質問主意書


 給料からしっかり厚生年金保険料が天引きされているのに、社会保険事務所の主導で標準報酬月額や加入期間が改ざんされ、年金が目減りしてしまうという事例が数多く発覚している。このような事例は、年金記録の入力ミスなどで年金記録が消えてしまった事例とは異なり、社会保険事務所が意図的に年金記録を消してしまった事例である。

一 このような改ざんされた疑いのある年金は、非常に数が多いと想定され、舛添厚生労働大臣も、九月十八日の参議院厚生労働委員会で六万九〇〇〇件に、標準報酬月額が改ざんされた疑いがあると答弁している。しかし、これは氷山の一角に過ぎず、改ざんされた疑いのある年金には、標準報酬月額の改ざんに加えて、加入期間の改ざんもあり、また、年金記録確認第三者委員会で明らかになった事例を見ると加入期間の改ざんは、標準報酬月額の改ざんの三倍近くに及ぶ。さらに、六万九〇〇〇件には一九八六年以前のオンライン化されていない記録(全体の四割)は含まれていない。こうした前提条件を機械的に計算するだけでも、改ざんされた疑いのある年金は、何万件ぐらいと考えるのか。
二 改ざんされた疑いのある年金の多くを占めると想定される加入期間の改ざんは何件あるのか。また、標準報酬月額の改ざんのみで、加入期間の改ざんはなぜ入っていないのか。
三 一度に五等級以上、標準報酬月額が下げられている記録は何件あるのか。
四 九月十八日の参議院厚生労働委員会では、舛添大臣は、標準報酬月額の改ざんが、「組織的に行われた疑いが極めて高い」と答弁した。改ざんにあたっては、決裁文書が作られていると考えられ、個人的な行為である可能性は低いのではないのか。この年金記録の改ざんは、組織的に行われていたのではないか。
五 改ざんされた疑いのある年金は、膨大な数に及ぶものであり、社会保険庁という国の機関において組織的に行われた、国民の年金受給権を横取りする、横領事件である。この問題をウヤムヤにしたり、隠蔽することは許されない。国民年金の不正免除の際にも、社会保険事務所の全職員・OBへの調査を行って、はじめて、不正免除の全国の実態とその手口が明らかになった。「消された年金」についても、まずもって、徹底した全職員・OBへの調査を行い、実態を解明するべきであると考えるが、この実態調査についての見解はいかがか。
六 不正免除の際には、全職員にヒアリング調査を行ったのに、今回は、なぜ全職員・OBにヒヤリング調査をしないのか。組織的犯罪の隠蔽ではないのか。
七 改ざんされた疑いのある年金の危険性が高い滞納事業所で、五等級以上標準報酬月額が下げられているケースをなぜ、調査しないのか。
八 麻生総理は九月二十九日の所信表明演説で、「消された年金」「消えた年金」について言及されたが、それぞれの定義について明らかにされたい。
九 八において、それぞれ何万件くらいあるのか。何年何月何日に「消された年金」「消えた年金」をそれぞれ認識したのか。かつ、どういうきっかけで存在を認識したのか。また、その被害者救済をどのように行うのか。

 右質問する。



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