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平成二十年十月十六日提出
質問第一三一号

「年金記録」の「三百十万件廃棄事故」に関する質問主意書

提出者  保坂展人




「年金記録」の「三百十万件廃棄事故」に関する質問主意書


 年金記録問題の中で歴史の古い「旧台帳」問題を昨年来、一貫して追及してきた議員としては、予想通りのズサンな結果が明らかになった。現在、七十歳以上の人々の年金記録=旧台帳を三百十万件にわたって廃棄していたということが明らかになったのである。しかも、国会で何度もこの点で質問を受けて、また議員室などでのヒアリングを続けてきた当事者である社会保険庁長官、及び厚生労働大臣は、この事実を「関係閣僚会議」などで発表したにもかかわらず、私たち熱心に調査してきた議員には自発的には一切の報告がないという姿勢に唖然とする。以下、事実関係を整理するために質問をする。

一 社民党が旧台帳の廃棄分「五十一万件」を把握したのは、参議院選挙前の昨年の六月であった。社会保険業務センターのマニュアルに「五十一万件廃棄」と記載されていたからである。国会で数回にわたって政府に調査を要求したが、その時にどう答弁しているか。また、調査はどのように行ったのか。
二 今回、関係閣僚会議で発表した昭和四十七年に廃棄したという旧台帳の二百六十万件の根拠となった「庁業発第四百九十四号」(四七・四・一四)は、いつどこで誰によって発見されたのか。
三 私たちは「旧台帳の大量廃棄」を当初から疑っていた。国会で何度となく調査要求し、また資料を求めてきた議員に対して、二百六十万件の廃棄を記した文書を発見しながら、この事実を報告しなかった理由はあるか。
四 「五十一万件廃棄」を確認したのも同一の書類からだったのか。
五 「五十一万件廃棄」の事実を認めて「国会で何度も答弁しています」と坂野社会保険庁長官は答弁しているが、本当か。この長官答弁の元となった「五十一万件廃棄」を認めた委員会開催日と答弁内容を示されたい。
六 〇七年参議院厚生労働委員会での柳澤厚生労働大臣の答弁では、「当時は原簿として保存されていたもので、廃棄ということであれば法令違反ということになります。そうしたことをしていたという前提に立って申し上げれば大変国民の皆さんに申し訳ないと言わざるをえない」と、「五十一万件廃棄」の事実が未確認の状態ではあるが、もし事実であれば謝罪するという姿勢を示している。「五十一万件廃棄」が事実と確認された今日、この答弁を政府は踏襲するのか、訂正するのかを明らかにされたい。
七 改めて問う。三百十万件という旧台帳(原簿)の大量廃棄について、社会保険庁長官及び厚生労働大臣は国民に「申し訳ない」と謝罪をするか。あるいは、法令違反はなかったと前言を翻すのか。
八 三百十万件の旧台帳、とりわけ二百六十万件の廃棄について、元の名簿は社会保険事務所にありますと舛添大臣は説明している。しかし、五千万件の宙に浮いた年金の調査の際に、五百万件を超える「名前のない年金記録」を探すためには、埼玉県の民間倉庫に出向かなければならなかった。なぜなら、旧台帳をオンライン入力した当時は、「事業所名」を入力する作業は行われなかった(事業所名未入力)。社会保険オンラインシステムの画面でも、旧台帳分の「事業所名」に相当する欄は「厚生年金」とだけ表示されるのみで、地方の社会保険事務所の事業所別名簿から記録をたどることが困難だったからだと言われる。とすると、五百万人を超える「名前のない年金記録」を「年金手帳番号」を頼りに人海戦術で探した昨年末の作業過程で、すでに捨てられていた二百六十万件の台帳は見つかる訳がない。もし、廃棄していなければ記録がつながって年金の追加受給に結びつくかもしれないデータが廃棄されたことで、当事者には著しい不利益が生じたのではないか。
九 しかも廃棄されているのは、旧台帳でも時期の比較的新しい記録であった。これまでは、千三百六十五万件を完璧に保存していることが前提になっているので、民間倉庫で探して「不存在」であれば、その時期の年金記録は存在しないと扱われてきた。しかし、三百十万件の廃棄が事実となった以上は、たとえ年金記録が倉庫に存在しないケースであっても、何らかの救済手段を講じるべきではないのか。
十 旧台帳の保管状況に対して、社民党の調査や資料要求で明らかになったことを政府はどう評価しているのか。与野党を超えて、野党が指摘をした「国民の権利及び財産」に関わる重大事項について、情報公開につとめるべきではないのか。相変わらず社会保険庁は、旧台帳の保管状況の実地調査を拒否しているが、この段階になってもなお政府は「年金記録のズサンな管理」の事実をひた隠しにする姿勢を変えないのか。思い切って、調査過程も含めて明らかにするのか、見解を問いたい。

 右質問する。



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