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平成二十年十月二十一日提出
質問第一四四号

自殺した自衛官を巡る訴訟問題はじめ自衛官自殺問題に対する防衛省の対応並びに認識に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




自殺した自衛官を巡る訴訟問題はじめ自衛官自殺問題に対する防衛省の対応並びに認識に関する第三回質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一七〇第九三号)並びに「前々回答弁書」(内閣衆質一七〇第一六号)を踏まえ、再度質問する。

一 一九九九年、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦さわぎり艦内で当時二十一歳の三等海曹が自殺した事件(以下、「三等海曹自殺事件」という。)につき、福岡高裁判決が本年八月二十五日、自殺の原因を「上司の侮辱的言動によるストレス」と認め、国に三百五十万円の賠償を命ずる判決を下し、防衛省は右の判決について上告を断念する方針を九月六日に決めている。そのことについて、前回質問主意書及びその前の質問主意書で、右は防衛省が「三等海曹自殺事件」における自らの責任を認めたということかと再度に渡り問うているが、「前回答弁書」でも「国としては、御指摘の本年八月二十五日の福岡高等裁判所における判決(以下「福岡高裁判決」という。)においては、国の主張について裁判所の理解が得られなかったところであるが、判決内容を検討した結果、上告及び上告受理申立ての理由に該当する事由が認められないことから、同年九月八日、上告及び上告受理申立てを行わないこととしたものである」旨、「前々回答弁書」同様、明確な答弁がなされていない。三等海曹が自殺したのは「上司の侮辱的言動によるストレス」が原因であるとした福岡高裁判決の内容を防衛省として検討した結果、上告すべき理由が見つからなかったということは、防衛省としてその判決内容を受け入れ、承服したものと理解して良いか。
二 当方は、「前回答弁書」と「前々回答弁書」にある様な、福岡高裁における「三等海曹自殺事件」訴訟の経緯やそれに対する防衛省の対応について問うているのではない。一で、防衛省として「三等海曹自殺事件」についての司法の判断を受け入れ、承服したのであるのならば、それは三等海曹の自殺に対する防衛省の責任を認めたことに他ならないと考えるが、防衛省として「三等海曹自殺事件」の責任を認めたのかどうか、然りか否かのどちらかで明確に答弁されたい。
三 「三等海曹自殺事件」で上告断念を決定した後、防衛省として自殺した三等海曹の遺族に対して謝罪は行ったかとの問いに対して、「前々回答弁書」で「遺族が訴訟において求めていた謝罪については、福岡高裁判決において棄却されたと承知しており、防衛省として謝罪をしていない。」との答弁がなされていることにつき、前回質問主意書で、「遺族が訴訟において求めていた謝罪」とは具体的に何かと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねについては、福岡高裁判決で述べられているとおり、『組織的に自殺に追いやったことを個人的な自殺にすり替え、公表したことについて、謝罪せよ。』というものである。」との答弁がなされているが、では防衛省として組織的に三等海曹を自殺に追いやっておきながら、それを個人的な自殺にすり替えた事実はないと認識しているのか。
四 防衛省として、大切な子息を失われた三等海曹の遺族の方々の気持ちに思いを馳せたことはあるか。
五 防衛省として、大切な子息を失われた三等海曹の遺族の方々の気持ちに思いを馳せ、その心痛を察しているのなら、法理論的な判断とは別に、三等海曹の遺族の方々に率直な謝罪を行うべきではないのか。防衛省から一言謝罪があるだけで、遺族の方々は救われた気持ちになり、立ち直るきっかけとなるのではないか。防衛省として、右の様なことを考えたことはないのか。
六 防衛省が三等海曹の遺族の方々に率直な謝罪を行うことで、国家公務員の中でも自衛官を含む防衛省職員の自殺率が極めて高いという異常事態の是正、ひいては昨今の不祥事を受け、現在大きく失われている国民の防衛省に対する信頼の回復につながるのではないか。浜田靖一防衛大臣の見解如何。

 右質問する。



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