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平成二十年十一月五日提出質問第一八八号
政府見解と異なる歴史認識を発表した航空自衛隊幕僚長に対する防衛省の対応等に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
政府見解と異なる歴史認識を発表した航空自衛隊幕僚長に対する防衛省の対応等に関する質問主意書
過去の我が国の戦争は侵略戦争ではないとする旨の、従来の政府見解とは異なる内容の論文(以下、「論文」という。)を執筆して民間会社発行の雑誌に掲載し、本年十月三十一日付で更迭されていた田母神俊雄前航空幕僚長が、十一月三日付で、防衛省を懲戒免職ではなく定年退職扱いとされていたことが各種報道で明らかにされている。右を踏まえ、以下質問する。
二 「論文」に対する政府の評価如何。国内外への影響等、「論文」が我が国の国益にどの様な影響を及ぼすと政府は認識しているか。
三 報道によると、田母神氏は定年延長の適用を受けていたとのことであるが、それはなぜか。
四 報道によると、田母神氏は防衛省の内規で定められている事前届出をせずに「論文」を発表しており、防衛省が、田母神氏が事前届出をしなかった理由や「論文」の詳しい内容について聴取をしようとしても、田母神氏は応じず、自ら辞職する意思を示さなかったので、防衛省として田母神氏の定年延長を止め、定年退職扱いにしたとのことであるが、右は事実か。
五 田母神氏に退職金は支払われるか。支払われるのなら、その金額を明らかにされたい。
六 歴史認識について田母神氏が個人的にどの様な考えを有していても、それは個人の思想の問題であり、問題視されることではない。しかし、田母神氏は「論文」発表当時、航空自衛隊のトップの任に就いており、政府の人間である。それが防衛省の内規を遵守せずに、政府見解と異なる内容の「論文」を公表することは、行政の手続き上も問題があると考える。よって、防衛省として「論文」が明らかになった時点で田母神氏に対して懲戒免職等の処分を下すべきで、改めて「論文」について聴取する必要はなく、まして聴取に応じない田母神氏にあわせて、定年を延長することは本末転倒であり、更には田母神氏に退職金が支払われるのはおかしく、国民に説明がつかないと考えるが、防衛省の見解如何。
七 新聞報道によると、田母神氏は「論文」以外にも、政府見解と異なる自身の歴史認識を披瀝した論文を過去に航空自衛隊の幹部等が購読する雑誌に掲載していたとのことであるが、右は事実か。
八 七が事実なら、防衛省はそれをいつ知ったか。
九 八の時点で、防衛省として田母神氏に何らかの意見を伝える、または注意をする等の措置を取ったか。
右質問する。