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平成二十年十一月十日提出
質問第二二〇号

社会保障国民会議による将来の医療・介護費用のシミュレーションに関する質問主意書

提出者  岩國哲人




社会保障国民会議による将来の医療・介護費用のシミュレーションに関する質問主意書


 社会保障国民会議(以下、国民会議)の「サービス保障(医療・介護・福祉)分科会」が本年十月二十三日に取りまとめたシミュレーション(以下、シミュレーション)によると、二〇二五年の医療・介護費用は最大で九十四兆円と示された。
 この点、厚生労働省担当課長の私的懇談会として設置された医療経済学の専門家などによる検討会(座長・飯野靖四慶大経済学部教授)により二〇〇六年一月に発表された将来推計では、過去の医療費の伸び率などを基に、二〇一五年度の国民医療費は四十七兆円、二〇二五年度は六十五兆円と推計されていた。この推計では、医療制度改革が行われた場合は五十六兆円にとどまるとされ、抑制効果がアピールされたが、これに対しては、日本医師会などが二〇二五年度の国民医療費を四十九兆円とする独自の試算を公表し、国会でも妥当性をめぐる議論が展開された。
 また、一九九四年の他の推計では、二〇二五年度の医療費は百四十一兆円と推計されたが、二〇〇〇年の推計では八十一兆円とされた。これは、バブル崩壊後の経済事情の変化が理由と考えられる。
 なお、GDP比でみると、日本の医療費は八・〇%であるが、これは米国のほぼ半分であり、先進国でも最低水準である。
 思うに、医療費の将来推計に当たっては、推計をいかなる根拠で導き出しているのか、前提条件を明らかにすることが非常に重要であると考える。
 これに関連して、以下質問する。

一 高齢化が急速に進む中、高齢者医療費の伸びによる影響を、これまで以上に、正確に見積る必要があると考えるが、シミュレーションに当たって、長寿化という要素はどのように考慮されているか。具体的な計算式等をお示し願いたい。
二 二〇〇六年に成立した医療制度改革関連法で医療費抑制の切り札として生活習慣病対策が打ち出されたが、コスト面での評価は議論がある。
 対策により疾病の予防が成功すれば、平均寿命が延びることになるため、一人当たりの医療・介護の費用は最終的に増えることが想定される。
 また、健康診査や保健指導などの予防コストがふくらめば、抑制効果は減殺される。
 シミュレーションでは、生活習慣病対策のような予防医療によるコストが将来医療費に及ぼす影響は考慮されているか。
三 医療・介護をめぐる環境は、専門機関へのアクセスの容易性などの点から都市部と地域部で異なっており、一人当たりのコストも異なることが予想されるが、シミュレーションに当たって、都市部・農村部の差異など、地域的特性は考慮されているか。
四 本年六月に公表された国民会議の中間報告の中で、シミュレーションの前提として「選択と集中」の考えに沿って構造改革を進める方向性が示された。今回の推計では有床診療所(十九床以下)の位置付けには触れられなかったが、これは何らかの根拠に基づくものであるのか。
 また、国民会議は、診療所の主治医機能の強化を提言しているが、これは、いかなる根拠に基づくものであるのか。

 右質問する。



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