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平成二十年十二月五日提出
質問第三一七号
竹島問題に係る政府の見解と相反する言説に対する政府の対応等に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
竹島問題に係る政府の見解と相反する言説に対する政府の対応等に関する質問主意書
「政府答弁書」(内閣衆質一七〇第二五七号)を踏まえ、質問する。
一 本年十月一日、新幹社より「竹島=独島問題入門 日本外務省『竹島』批判」という題の内藤正中島根大学名誉教授の著書(以下、「内藤著書」という。)が発行された。「内藤著書」は、竹島問題の政府広報冊子「竹島問題を理解するための十のポイント」の内容を徹底的に批判し、同問題に対する政府の見解と相反するものであるが、それに対する政府、特に外務省の対応を問うても、「政府答弁書」を含むこれまでの答弁書で外務省は「御指摘のような主張については、先の答弁書(平成二十年十月二十四日内閣衆質一七〇第一一七号)六及び七についてでお答えしたとおり、外務省として、竹島の領有権の問題に関する我が国の立場を主張し、問題の平和的解決を図るとの観点から、注視してきており、引き続き、必要に応じて適切な対応をとっていく考えであるが、その具体的な内容についてお答えすることは、竹島の領有権の問題に関する我が国の立場を主張し、問題の平和的解決を図る上で、今後の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ等があることから、差し控えたい。」と、一貫して明確な答弁を避けている。しかし外務省は、昨年六月十五日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六六第三六六号)で「御指摘の冊子は、平成十八年六月二十日に発行された同名の冊子が改訂されたものであると考えられるが、同冊子が発行された後の同年七月二十五日、在ユジノサハリンスク総領事館領事からサハリン州行政府国際・対外経済・地域間関係委員会副議長兼日本関係局長に対し、北方領土問題に関する我が国の立場を申し入れた。」と、ロシアのサハリン州が発行した「露日関係のクリール諸島(千島列島)」と題する、北方領土問題に係る我が国の見解と真っ向から反する内容の冊子については、政府として我が国の立場を申し入れたと答弁している。「内藤著書」と「露日関係のクリール諸島(千島列島)」、それぞれ竹島と北方領土という対象の違い、また、著書、発行側の国内外の違いはあるものの、どちらも我が国が抱える領土問題に関係するものであることでは同じであり、右二つに対する政府の対応が異なるのは、論理整合性がなく、矛盾していると考えるが、外務省の見解如何。
二 「内藤著書」と「露日関係のクリール諸島(千島列島)」に対する政府、特に外務省の対応ぶりは、どの様な検討を経て決定がなされたのか説明されたい。
三 どちらも我が国が抱える領土問題に係る政府の見解と相反する「内藤著書」と「露日関係のクリール諸島(千島列島)」に対して、政府、特に外務省の姿勢が一貫せず、対応が著しく異なることは、韓国、ロシアと交渉する上でかえって不利に働くのではないか。
右質問する。