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平成二十年十二月十二日提出
質問第三四一号

過去最多を記録した通り魔殺人事件並びに高齢者による刑事犯罪の発生原因に係る政府の認識等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




過去最多を記録した通り魔殺人事件並びに高齢者による刑事犯罪の発生原因に係る政府の認識等に関する質問主意書


 本年十二月十二日付の各新聞報道によると、本年一月から十一月末までに全国で発生したいわゆる通り魔殺人事件について、件数は十三件、死傷者は四十二人と、統計を取り始めた一九九三年以降最悪の数字を記録し、同時に、六十五歳以上の高齢者による刑事犯罪も、本年十一月までに四万五千五十九人と、昨年の四万八千五百九十七人を上回るペースで発生し、平成十年における発生件数の約四倍にも上ることが、警察庁のまとめで明らかになったとのことである。右を踏まえ、以下質問する。

一 通り魔殺人事件が本年過去最多を記録し、また高齢者による刑事犯罪も近年大幅に増加している背景には、どの様な社会的要因があると政府は認識しているか。
二 通り魔殺人については、本年三月の茨城県土浦市、六月の東京都千代田区秋葉原での無差別殺傷事件が特に大きく報じられたが、これら事件の犯人は、派遣社員等の不安定な身分に置かれ、自身の将来を悲観していたことが犯行の動機になっていることが明らかになっている。いかなる理由にせよ、殺人を犯すことは決して許されることではないが、現在の我が国の社会情勢、世相が、主に就職面において若者が将来に希望を持てないものとなりつつあることに、政府としても何らかの責任を負うのではないか。特に、二〇〇一年四月に誕生した小泉純一郎内閣により、国民間の格差を広げるいわゆる新自由主義政治が行われたことが強く影響していると考えるが、政府の見解如何。
三 高齢者による刑事犯罪の内訳を見ると、暴行が千八百七十一人で昨年の千七百三人から急増し、万引きも二万四千九百十七人と高水準で推移し、また殺人については、未遂も含め百五十八人と、昨年の百十人と比較し、これも大幅に増加している。いかなる理由があるにせよ、暴行、万引き等の刑事犯罪は許されることではないが、高齢者が暮らしにくい社会情勢に加え、政府の高齢者福祉に関する政策が不十分であることも、高齢者による刑事犯罪の増加の背景にあるのではないか。政府の見解如何。
四 高齢者による刑事犯罪のうち、未遂を含む殺人については、親族間の殺人が百八人で昨年の三十六人の三倍にも上り、配偶者が被害者となった事例は約六割も占めるとのことである。その犯行動機には、介護や看病に疲れたとするものが二十一人に上り、これも昨年の五人の約四倍と、大幅に増えていることが分かる。いかなる理由にせよ、殺人を犯すことは許されないが、高齢者が介護や看病に疲れ、夫や妻を殺害するケースが大幅に増えている背景には、我が国の高齢者福祉に関する政策が有効に機能せず、特に在宅介護に対する政府はじめ公的機関の支援が不十分であることの証左に他ならないと考えるところ、政府の見解如何。
五 過去最多の発生件数、死傷者数を記録した通り魔殺人事件並びに、近年大幅な増加を見せている高齢者による刑事犯罪につき、その減少、防止に向け、政府として具体的にどの様な対策を講ずる考えでいるのか説明されたい。

 右質問する。



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