衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年十二月十七日提出
質問第三五五号

上司の言動等が理由で自衛官が自殺した件に係る防衛省の認識並びに同省によるご遺族への対応に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




上司の言動等が理由で自衛官が自殺した件に係る防衛省の認識並びに同省によるご遺族への対応に関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一七〇第三一九号)を踏まえ、質問する。

一 一九九九年に発生した、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦さわぎり艦内で当時二十一歳の三等海曹が自殺した事件(以下、「三等海曹自殺事件」という。)を巡る訴訟に関し、政府は次の二点を主張していた。
 1 自殺した三等海曹(以下「当該隊員」という。)の上官の言動の違法性については、一般に、言葉による職務上の厳しい指導は行為者の意図や認識を考慮せずに直ちに違法となるものではないとした上で、違法となるような上官の言動はなかった。
 2 上官の行為と当該隊員の自殺との間の相当因果関係の有無については、当該隊員の自殺原因は、三曹という階級とそれに見合う自己の技能練度との乖離に苦悩し、焦りを徐々に募らせていったことにあるというべきであり、上官から受けた行為によるストレスによってうつ病にり患し、自殺に至ったものとはいえない。
  「三等海曹自殺事件」を巡る訴訟においては、本年八月二十五日の福岡高等裁判所において、同事件に係る防衛省の責任が認められ、福岡高裁は防衛省に対して、三等海曹のご遺族への賠償を命じている。防衛省としても右の判決を受け入れ、三等海曹の自殺には、上官の言動に違法性があり、上官から受けた行為によるストレスが原因であることを認めたのかと問うたところ、「政府答弁書」では「平成二十年八月二十五日の福岡高等裁判所の判決においては、自殺した三等海曹(以下「当該隊員」という。)の上官の言動は国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)上違法であり、当該言動と当該隊員の自殺との相当因果関係が認められると判断され、国に損害賠償義務があることが確定した。」との答弁がなされているが、当方が問うているのは福岡高裁の判決、判断の内容ではなく、防衛省として三等海曹の自殺の原因は上官の違法な言動及びそれによって受けたストレスにあると認識しているか否かの一点である。防衛省においては、答弁の主語を福岡高裁の判決とするのではなく、あくまで防衛省を主語とし、防衛省として、三等海曹の自殺の原因は上官の違法な言動及びそれによって受けたストレスにあると認識しているか否かの一点を明確にすることを再度求める。
二 本年十月二十三日、三等海曹のご遺族が、「三等海曹自殺事件」と類似した事件の再発防止の申し入れと「三等海曹自殺事件」発生についての謝罪を求めて防衛省を訪問した際に、防衛省としてご遺族にどの様な対応をするかにつき、同日国会内において、三輪恒佳人事教育局服務管理官及び大村幹彦大臣官房訟務管理官により浜田靖一防衛大臣になされた報告の内容を問うたところ、「政府答弁書」では「遺族が来省する際に御子息が亡くなられたことについておわびを申し上げる旨を報告したものである。」との答弁がなされている。これまでの答弁書によると、右報告を浜田大臣は了解したとのことであるが、その際に、三等海曹のご遺族に対してどの様な文言で謝罪を行うかにつき、浜田大臣より何らかの指示はなされたか。同日、三等海曹のご遺族に謝罪した人事教育局長は、浜田大臣より謝罪の文言について指示を受けた上でご遺族に謝罪をしたのか。
三 防衛省として、今回人事教育局長が三等海曹のご遺族に謝罪したことで、「三等海曹自殺事件」についてのけじめはつき、「三等海曹自殺事件」への防衛省としての対応は既に終了したと考えているのかとの質問に対し、「政府答弁書」でも「防衛省としては、遺族に対して、御子息が亡くなられたことについておわびを申し上げたところであるが、いずれにしても、前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことがないようにするべく、今後とも隊員の自殺防止に全力で取り組んでまいりたい。」と、当方の質問の趣旨をかわした答弁がなされている。本年十月二十三日の人事教育局長による謝罪以外に、浜田大臣はじめ防衛省内で起こった一切の不祥事に責任を持つ防衛省幹部により、改めて三等海曹のご遺族に謝罪を行う考えはあるか、再度質問する。
四 三で、防衛省として改めて三等海曹のご遺族に謝罪を行う考えがないのなら、それはなぜか。三の答弁にある様に、防衛省として「前途ある隊員を志半ばで失うことや悲しい思いをされる御家族が生じるといったことがないようにするべく、今後とも隊員の自殺防止に全力で取り組んでまいりたい。」と考えているのならば、三等海曹のご遺族に対し、人事教育局長ではなく、浜田大臣はじめ防衛省内で起こる一切の不祥事に責任を負う防衛省幹部により、きちんとした謝罪を行うことが何より必要なのではないか。防衛省の見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.