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平成二十一年二月十日提出
質問第一一四号

北方領土への支援物資船が国後島への上陸を断念した件等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




北方領土への支援物資船が国後島への上陸を断念した件等に関する再質問主意書


 北方領土に居住するロシア系住民へ支援物資を届けるべく、本年一月二十七日に根室港を出港した支援物資船(以下、「支援物資船」という。)が、国後島到着後、ロシア側から出入国カードの提出を求められ、同月二十八日、「支援物資船」は国後島への上陸を断念し、根室港に引き返すという事態が発生した。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第七一号)を踏まえ、再質問する。

一 今回「支援物資船」が国後島への上陸を断念し、支援事業が行えないという事態が発生したが、その経緯につき外務省は「前回答弁書」で「外務省としては、ロシア側に対し、昨年末、本年度の人道支援物資供与事業の実施に関して通報し、ロシア側から異存ない旨の回答を平成二十一年一月二十三日に得ていた。しかし、同日、ロシア側から、今次人道支援物資供与事業のための北方四島訪問に際しては、『出入国カード』の提出が必要である旨のロシア連邦政府としての立場が初めて表明されたものである。」と説明している。右答弁にある「昨年末」とはいつか、その具体的な日にちを明らかにされたい。
二 一の答弁にある、本年度の人道支援物資供与事業(以下、「事業」という。)の実施について、外務省が通報したロシア側の担当部局はどこか明らかにされたい。
三 一の答弁には、本年一月二十三日のうちに「事業」実施に異存ない旨の回答と、「事業」実施に際して出入国カードの提出を要求する旨の連絡の二つがなされたとのことであるが、右の回答と連絡が外務省になされた時刻、方法並びにそれぞれを受けた外務省の部局につき、全て明らかにされたい。
四 一の答弁で外務省は、「事業」実施の通報を昨年末にしていたとのことであるが、その回答がなされたのは本年一月二十三日である。その間の約一ヶ月間、ロシア側から、外務省からの「事業」実施の通報に対し、何の回答、連絡もなされていなかったのか。
五 昨年十月二十日、ビザなし交流で日本を訪問していたロシア外務省在ユジノサハリンスク外交代表のウラジーミル・ノソフ氏が根室市で記者会見(以下、「記者会見」という。)した際に、我が国国民がビザなし交流で北方四島を訪問する際、来年度からロシアの出入国カードへの記入が必要になる旨述べる等、ロシア政府部内で出入国カードの提出を求める動きについては昨年十月のうちに見られており、今回の事態が発生することは、「記者会見」からも十分に予見できたのではないか。外務省の見解如何。
六 「記者会見」がなされた昨年十月から、外務省として出入国カードに関してロシア政府側と十分な協議をしてきたか。出入国カード提出は我が国として受け入れられない等、我が国の立場をきちんと説明し、理解を得る努力をしてきたか。昨年の政府答弁書(内閣衆質一七〇第一五八号、三五七号)では「御指摘の者の御指摘の発言にあるような手続については、これまでにロシア連邦政府から外務省に対して求められておらず、外務省として御指摘の発言についてコメントする立場にはない。」、「御指摘の者の御指摘の発言にあるような手続については、平成二十年十二月十七日現在までにロシア連邦政府から求められておらず、外務省として御指摘の発言についてコメントする立場にはない。」と、ロシア政府から正式な申し入れがなされていないと、あたかも事態を静観するかのような答弁がなされている。「前回答弁書」では「外務省としては必要な措置を講じていたが、ロシア側が立場を変えたため、やむを得ず今次訪問における人道支援物資供与の中止を決定したものである。」と、外務省としてあくまできちんとした対応をとってきた旨の答弁がなされているが、「記者会見」の直後より、外務省として実際にどの様な対応をとってきたのか。「前回答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
七 本年一月二十九日付の朝日新聞に、ノソフ氏が同紙の取材に答えた記事が掲載されており、右記事によると、二〇〇二年の連邦法改正により、出入国カードの記入が義務化され、ロシア内務省の移民局が同国の外務省に、連邦法の違反を厳しく指摘する警告がなされていたとノソフ氏は語っている。更にノソフ氏は、ロシア内務省移民局と同国外務省の間で、ビザなし交流の例外扱いは二〇〇八年までとする合意がなされていたと述べているとのことである。前回質問主意書で、右のビザなし交流における出入国カードの取り扱いを巡るロシア政府部内の一連の動きを外務省は把握していたかと問うたところ、「前回答弁書」では「ロシア側は、平成二十一年一月二十三日に至るまでは内部調整に努めていたと承知しているが、御指摘のようなロシア連邦政府内部の動きについて外務省としてコメントする立場にない。」との答弁がなされている。外務省として、出入国カード及びビザなし交流における同カードの例外扱い等を巡るロシア政府部内の一連の動きを正確に把握していたのか。
八 七で、正確に把握していたのなら、本年一月二十三日、同日中にロシア政府より相反する回答が寄せられ、「事業」を中止せざるを得なくなるという事態が発生することは避けられたものと考えるが、外務省の見解如何。
九 七で、正確に把握していなかったのなら、それはなぜか。外務省の情報収集能力が低下していることを表すのか。

 右質問する。



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