衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十一年四月二十一日提出
質問第三二八号

政府見解と異なる北方領土問題の解決方法について言及した政府代表を外務大臣が厳重注意した件等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




政府見解と異なる北方領土問題の解決方法について言及した政府代表を外務大臣が厳重注意した件等に関する質問主意書


 本年四月十七日の毎日新聞に、谷内正太郎政府代表が毎日新聞社のインタビューを受け、北方領土問題につき、「三島と択捉一部でも」と、谷内代表として、歯舞、色丹、国後、択捉の我が国への帰属を確認し、ロシアとの平和条約を締結するという従来の政府方針と異なり、北方四島の面積を折半するという方法をもって、同問題の最終的解決を目指すべきという見解を示したと報じた記事(以下、「毎日記事」という。)が掲載されている。右について、谷内代表は毎日新聞社に対して、「毎日記事」にある様な、北方四島の面積分割をもって最終的な北方領土問題の解決とすべきという趣旨の発言はしていないと反論し、「毎日記事」はねつ造である旨発言している(同日付産経新聞報道)。しかし、中曽根弘文外務大臣は、本年四月二十日、訪米中の谷内代表に電話をし、「結果として誤解を与えたことは遺憾」と、谷内代表を厳重注意したと承知する。右を踏まえ、以下質問する。

一 本年四月二十日の衆議院決算行政監視委員会第一分科会において、中曽根大臣は「御指摘の報道を受けまして、私、直接ではありませんけれども、外務省の担当から谷内政府代表に確認をいたしました。同代表からは、これは、日ロ両国がアジア太平洋の地域において戦略的な利益を見出す中でこの北方領土問題を解決すべきである、そういうような基本的な考えを述べた、そういうふうに聞いております。また、北方領土の面積についての事実関係について答えたようでございますが、御指摘の記事において引用されておりますような、個人的には三・五島返還でもいいのではないかというような、そういう発言は行っていない、そういう旨の説明を受けているところでございます。」と、谷内代表として「毎日記事」にある様な発言はしていないと認識しており、中曽根大臣としてそれを信じている旨の答弁をしていたが、今回、中曽根大臣として谷内代表を厳重注意したのは、右の答弁にある中曽根大臣の認識に変化が生じたということか。中曽根大臣の説明を求める。
二 中曽根大臣は谷内代表を「結果として誤解を与えたことは遺憾」として厳重注意しているが、「結果として誤解を与えた」とはどの様な意味か。谷内代表は「毎日記事」にある様な発言はしていないが、何らかの要因により、毎日新聞社が谷内代表の真意を誤解し、「毎日記事」がつくられたということか。明確な説明を求める。
三 本年四月二十一日付毎日新聞二面には、「谷内氏インタビューの北方領土部分(再録)」との見出しで、同月九日午前十一時から約四十分間にわたり、東京都の谷内代表の事務所で行ったとする谷内代表に対する取材の内容を再録する記事が掲載されている。右記事(以下、「毎日記事二」という。)によると、取材を行う際には、谷内代表の同意を得て録音をしたとのことである。「毎日記事二」には「毎日記事」同様、「私は三・五島でもいいのではないかと考えている。」との記述があるが、中曽根大臣として、谷内代表は「毎日記事」にある様な、北方四島の面積分割をもって、北方領土問題の最終的解決を図るべきとする発言を行っていないと現時点でも認識しているか。明確な答弁を求める。
四 「毎日記事二」には「私個人としては、日露間で戦略的利益に基づく大きな構図を描くべきであり、北方領土についてもその構図の中で考えるべきであるという立場だ。北方領土を巡る交渉前に、北方領土について詳細に語るべきではなかったと思う。」との谷内代表のコメントが掲載されている。結局のところ、谷内代表として、「毎日記事」にある様な、北方四島の面積分割をもって、北方領土問題の最終的解決を図るべきとする発言を行ったのか。行った、行っていないのどちらかによる答弁を求める。
五 今回、中曽根大臣が谷内代表を厳重注意し、谷内代表本人も四のコメントを出したということは、「毎日記事」に関しては外務省側、谷内代表がウソを言っていたということを認めたに等しいと考えるが、中曽根大臣の見解如何。
六 中曽根大臣が本年四月二十日という日にちに谷内代表を厳重注意したのはなぜか。「毎日記事」にある谷内代表の発言が、結果的に誤解を与えるものであったとするならば、「毎日記事」が掲載された日に厳重注意すべきであり、または二十日以前に、もっと早い段階で注意をするべきであったと考えるが、中曽根大臣の見解如何。
七 一の分科会において、中曽根大臣は「まず報告は、谷崎局長から報告を受けているところでございます」、「責任ある外務省の者がまず当人から話を聞いているわけでありまして、私自身も、それは電話で済むかもしれません。しかし、本人とよく話をして聞いてみないと、この新聞記事、これについていろいろ違いといいますか、解釈の違いですか、あるようでございますから、その点は、私は会って話をお聞きしたいということなのです。それも、何も一週間後とかそういうことじゃない、もう間もなく戻ってくる。日程は存じ上げておりませんけれども、できるだけ早く、そういう気持ちでございます。」と、あくまで谷内代表が帰国してから本人に直接会って確認をする旨の意向を示していたが、今回、谷内代表の帰国を待たず、電話という手段で厳重注意をしたのはなぜか。「毎日記事」にある発言に係る確認ならば電話でも構わないが、厳重注意という重い処分こそ、電話で済むものではなく、谷内代表の帰国を待って、本人に直接会ってすべきことではなかったのか。中曽根大臣も右答弁にある様に、間もなく帰国する谷内代表を待つ意向を示している。本年四月二十日、厳重注意という重い処分を、なぜ性急な形で、電話という手段をもって谷内代表に下したのか、中曽根大臣の真意を明らかにされたい。
八 谷内代表に対する厳重注意を記録した処分説明書は作成されているか。
九 七の事情に鑑みれば、中曽根大臣が「結果として誤解を与えた」という言いぶりで谷内代表に対して注意を行うのは、責任の所在が不明確であり、結果として国民に対して何の責任もとっていないことになると考える。中曽根大臣は、谷内代表を「結果として誤解を与えた」という曖昧でいい加減な表現をもって注意をするのではなく、例えば「政府代表の立場にありながら、政府の公式見解と異なる北方領土問題の解決方法を軽々に話し、国民に不信感、不安を抱かせ、今後の交渉に大きな支障を来した」等のわかりやすい表現をもって厳重注意をするべきではないのか。
十 「毎日記事」にある谷内代表の発言は、我が国の国家主権に関わる問題であるところ、電話による厳重注意という軽い処分ではなく、より重い処分を下すべきであると考えるが、中曽根大臣の見解如何。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.