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平成二十一年五月十二日提出
質問第三九〇号

米軍人・軍属とその家族による事故の被害調査費用負担等に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




米軍人・軍属とその家族による事故の被害調査費用負担等に関する質問主意書


 二〇〇八年十月二十四日、沖縄県名護市真喜屋のサトウキビ畑に米空軍第十八航空団第八十二偵察中隊所属のセスナ機が墜落した。私は、墜落直後に現場を視察した。墜落現場は国道からわずかに離れた場所であり、付近には小学校や民家が存在する。
 しかも、当該セスナ機は、わが国の航空法に違反する飛行をしていたことが判明している。そのうえ、公務外の事故であることが判明した中で、事故現場の汚染土壌調査費用を日本政府が支払った。これでは結果として、被害者が加害者にお金を支払ってあげるようなものだ。到底、容認し得ない。
 以下、質問する。

一 報道によると、二〇〇八年十月二十四日発生の嘉手納基地所属のセスナ機墜落事故(以下、本件事故という)は、日米協議の結果、公務外の事故と判断されたようである。かかる日米協議の正式名称及びその開催日時を明らかにしたうえで、公務外の判断の是非について政府の見解を示されたい。
二 二〇〇八年十月三十日、私が嘉手納基地所属セスナ機の墜落事故に関する質問主意書を提出したところ、同年十一月十一日、政府より本件事故が公務外であると判断された場合、「請求権については、加害者本人が責任を負うべきものであり、当事者間において解決されることが原則であるものの、かかる方法で解決されない場合には、日米地位協定第十八条6の規定に基づき、適切に処理されることとなる」との答弁書を受領した。その後、被害者に対して損害賠償はなされたのか。損害賠償されたのであれば、日時、金額、支払い責任者、米側による償還の有無を明らかにされたい。損害賠償されていないのであれば、日米交渉の遅滞理由を明らかにしたうえで、かかる事態に対する政府の見解を示されたい。
三 本件事故機が墜落した際、消火剤が散布された汚染土壌の調査費用は、沖縄防衛局が調査業者に支払ったようである。沖縄防衛局は、防衛省の「合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令」第三条を調査費用の支払根拠としている。ところが、同省令第三条は、「地方防衛局長及び東海防衛支局長は、管轄区域内における合衆国軍隊等の行為等による事故の発生を知ったときは、直ちに、関係行政機関の協力を得て、当該事故の調査を行わなければならない」と規定しており、事故調査の実施を義務づけているだけである。公務外の事故での日本側による費用負担に直接言及しておらず、本件事故における当該調査費用の支払いは、拡張解釈による不法・不適切な支払いであると考えるが、政府の見解を示されたい。
 それとも、今後政府は、米側に対して当該調査費用を償還請求する考えはあるのか。かかる調査の目的と具体的な内容、調査期間、請負業者名、請負金額を明らかにしたうえで見解を示されたい。米側に償還請求する考えがないのであれば、なぜ日本側が支払う必要があるのか、その理由と支払根拠を具体的に説明されたい。
四 過去に公務外と認定され、日米地位協定第十八条第六項に基づき米側が全額補償した事故について、被害調査費用を日本側が負担したことはあるのか。あれば、それぞれの事故の発生日時、被害調査額及び負担の法的根拠を明らかにしたうえで、なぜ日本側が負担する必要があると判断したのか、政府の見解を示されたい。
五 これまで防衛省の「合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令」第三条が適用された全ての事件・事故の発生日時、被害調査内容及び調査費用を列挙したうえで、政府として米側に償還請求し、支払われた事実があるのか明らかにされたい。米側が拒否して償還が実現しなかった、あるいは政府として当該調査費用を償還請求したことがない場合は、その理由を説明されたい。
六 日米地位協定第十八条には、米軍人・軍属とその家族によって惹起された事故の被害調査費用負担について明確な取り決めがない。主権国家として、かかる調査費用についても同協定第十八条に規定する分担割合に則り、然るべき金額を米側に償還請求できるよう日米合同委員会を通じて主張していくべきだと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
七 報道によると、去る三月十日に沖縄県那覇市松山交差点で発生したYナンバー車両ひき逃げ事件の被害者に対して、沖縄防衛局より見舞金が支給されたようである。当該見舞金の支給根拠とされる防衛省通達「駐留軍の航空機事故等における緊急見舞金の支給について」では、「『民事特別法』に基づく損害賠償金又は地位協定第十八条第6項にいう慰謝料のほかに、見舞金を贈ることが諸般の事情を考慮し適当と認められる場合には、別表に定める基準額の範囲内で支給することができる」と規定されている。被害者の身体的・精神的苦痛を慮れば、「諸般の事情を考慮」せずとも、支給基準を満たす者には等しく緊急見舞金を手交すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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