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平成二十一年五月十九日提出
質問第四二一号

我が国の報道機関関係者がロシア政府のビザ発給を受けて北方四島に渡航した件に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




我が国の報道機関関係者がロシア政府のビザ発給を受けて北方四島に渡航した件に関する質問主意書


 本年五月十三日付の新聞報道によると、札幌テレビ放送と日本テレビの日本人記者が、ロシア政府が発給するビザを受けて北方四島の択捉島に滞在していることがわかったと報じている。右につき、兒玉和夫外務報道官は、同日の記者会見において、「今般、ロシアの査証を所持する日本テレビ・モスクワ支局長が取材のため択捉島に五月九日から十三日までの予定で滞在し、同記者の択捉島訪問に基づく報道が昨夜放映されました。政府としては、我が国固有の領土である北方四島のロシアによる不法占拠が続いている状況において、我が国国民があたかも北方領土においてロシア側の『管轄権』に服したかの如き誤解を与えかねない行為を行うこと、またあたかも北方四島に対するロシアの『管轄権』を前提としたかの如き行為を行うことは、北方領土問題に関する我が国の法的立場と相容れないものと考えており、平成元年九月十九日付けの閣議了解及びこれに関連する一連の閣議了解により、国民各位に対し、北方領土問題の解決までの間、いわゆる四島交流、自由訪問または墓参の枠組み以外による北方領土への入域を行わないように要請をしております。従いまして、今般日本テレビの関係者がロシアの『出入国手続』に従った形で北方四島に入域したことは、我が国の法的立場及び領土問題の解決を願う国民の総意と相容れず、また、これらの閣議了解に反するものであり、極めて遺憾であると考えております。更に、先に述べた閣議了解を尊重して入域を自粛してきている他の国民の皆様方との関係でも問題であると考えます。特に、元島民の方々は、領土問題に関する我が国の法的立場を害さないよう、四島交流等の枠組み以外で四島を訪問することを自粛し、自由に故郷を訪問できない状況に耐え続けてきています。今回の日本テレビの行為は、このような元島民の方々の心情を無視するような行為であり、極めて遺憾です。(中略)昨晩は、外務省の報道課長から先方の外報部長に対して、また今朝、同様に報道課長から日本テレビの外報部長に電話で申し入れをし、それを受けて私も今朝、日本テレビの報道局長に対し、只今申し上げたような日本政府の考え方、立場を申し入れたところです。改めて、この場で日本テレビにおかれても本件事案の重大性を十分認識頂きたいと思いますし、今後このような行動を繰り返すことのないよう速やかに再発防止のための措置をとることを強く要請するものです。日本テレビ側の速やかな対応を期待するものです。」と述べている。右を踏まえ、質問する。

一 前文の記者会見において兒玉報道官は、「日本テレビ側は外務省に対してどのように説明しているのでしょうか。」との質問に対し、「正確には、先方に照会して頂きたいと思いますが、私が今この申し入れを報道局長に伝えたことに対して、報道局長からは、今外務報道官からの申し入れについてはこれを真剣に受け止めて、今後の対応について検討します、という反応でした。」との回答をしている。現時点で、日本テレビ側より今回の件に関する同社の対応のあり方について、外務省に対し何らかの説明はなされているか。
二 前文の記者会見において兒玉報道官は、「過去に平成元年の閣議了解の前に、いくつかケースがあったと思いますが、これ以降に報道関係者が北方領土に入って、同様にビザの申し入れをしたという例はありますでしょうか。」との質問に対し、「今、過去の事例の確認をしておりますから、今私の手元に、確たることを申し上げる材料がないので、また改めて確認させて頂きます。」との回答をしているが、現時点で、一九八九年九月十九日の閣議了解及びそれに関連する一連の閣議了解(以下、「閣議了解」という。)がなされた以後も、今回の件同様、報道関係者がロシア政府によるビザ発給を受けて北方四島に渡航したという事例があるか否か、外務省として確認をしているか。
三 二で、「閣議了解」以後、今回の件同様、報道関係者がロシア政府によるビザ発給を受けて北方四島に渡航したという事例があるのなら、外務省として、それをいつ把握していたのか、また、把握した際にどの様な対応をとっていたのか説明されたい。
四 二で、「閣議了解」以後、今回の件同様、報道関係者がロシア政府によるビザ発給を受けて北方四島に渡航したという事例がありながら、外務省として、その事例があった時点でそれを把握できていなかったのならば、それはなぜか。
五 報道関係者に限らず、我が国国民が、今回の件同様、ロシア政府によるビザ発給を受けて北方四島に渡航したという事例はないか、外務省として把握しているか。
六 五で、その様な事例があるのなら、それらに対し、外務省としてどの様な対応をとってきたのか説明されたい。
七 二〇〇七年から二〇一五年までの期間にわたり実施されている「千島列島経済社会発展計画」により、現在ロシア政府による北方四島の開発が進められていると承知する。また、ロシア政府によるビザの発給を受け、日ロ以外の国の国民が北方四島に渡航するという事実も多く見られる。右の北方四島の現状を鑑みる時、我が国としても、ただ手をこまねいて、ロシアによる不法占拠の既成事実化を座視するのではなく、ロシア政府によるビザの発給を受け、例え一時的にロシアの管轄権に服す形になったとしても、北方四島が日ロの係争地域となっており、話し合いにより北方領土問題を解決するとの取り決めがなされている以上、邦人の北方四島への入域を積極的に進め、邦人の北方四島における経済活動を促すべきではないのかという意見が、我が国国内の一部にあると承知するが、右の意見に対する外務省の見解如何。

 右質問する。



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